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地下4階


地下4階へと降りてきた。


「手筈は先ほどと同じな、決して油断だけはしないようにね。」


「「「「「はい(なのじゃ)。」」」」」


とりあえず通路を進むことにする。

何となくだけど地下1階の作りに近いのかな?

相変わらずスライムだけは居るみたいなので明かりにしながら進む。


「居た! 前方に3!」


俺が声を掛けると、みんな一斉に戦闘体制を取った。


「こっちに来るのじゃ!」


ビアンカさんが盾を構えてゴブリンに挑発しながら前に出る。

ナタリーさんがビクッっと反応してメイスを握りしめている。

ゴブリンは素直にビアンカさんの挑発に乗って攻撃をしている。


「ふふん、あたいの色気もレベルアップしたみたいじゃの。」


ビアンカさんが嬉しそうに言っているが、ここのゴブリンは意味のない叫び声しか出さず、会話をしていなかった。

おそらく外のゴブリンと、ダンジョンのゴブリンは種類が違うのだろう。


「おっと、考えごとは後だ!」


執拗にビアンカさんへ攻撃を繰り返すだけで、それほど脅威は感じられないが、攻撃をすることにした。横からチクチクするだけの単純なお仕事です。

3匹のゴブリンは危なげも無く倒すことが出来た。


「何か上の階のグラスウルフの方が脅威だった気がするのじゃ。」


「そうね、後ろからも来なかったし。」


「ま、まぁ危険よりは良いんじゃない?」


「何かここのゴブリンって、外のとは違うみたいですね。」


ナタリーさんが疑問に思ったらしく言ってきた。


「そうかの? あたいの魅力にメロメロだっただけなのじゃ。」


「いえ、そう言うのではなく、単に倒しやすいから私の所に向かっていただけかと…」


それは違う! ゴブリンはナタリーさんのおっぱいが目当てだったぞ? 言わないけど。

そして、ここのゴブリンは戦闘に特化していたから行かなかったんだと思う。

おそらく見た目はゴブリンだけど、本当のゴブリンじゃ無いのだろう。理由は分からないけどな。


「とりあえず戦利品を確保しておくか。」


とは言ってもゴブリンが持って居た棍棒3本だけだ、討伐証明も無いし、何か割に合わない気がする…

とりあえずダンジョンの攻略を進めることにした。

何回かゴブリンに遭遇したが、大した影響も無かった。


「う~ん、下の階の方が楽って何か変な感じだな。」


「だね~、落とすのも棍棒だけだし、地下1階みたいにハズレな階なのかな?」


「かもしれないな。とりあえず地図を埋めるだけ埋めちゃおう。」


再びダンジョンを進むことにした。

しばらく進むと、一つの扉へと到着した。


「この向こうに3つの反応が有るな。」


俺は扉をしらべたが、やっぱり何もわからなかった。

扉を少し開き、中を確認してみるが、暗くて良く分らない。


「まぁ、同じじゃろう。」


そう言ってビアンカさんが扉の中に入ったので、俺達も後をついていく。

中に居た敵もこちらに気が付き、向かってきた。

現れたのはゴブリンだったが、今までのゴブリンとはちょっと違かった。

なんと真ん中の1匹がショートソードを持って居たのだった。


とは言ってもやっぱりゴブリン、ちょっとだけ攻撃が鋭くなった程度で苦労せずに倒すことができた。

今回は棍棒が2本にショートソードが1本だ。

ショートソードは売値が金貨2枚なので、買取も少なくとも金貨1枚以上で売れるだろう。

これだけでも全員で割っても儲けが出るだろうし、ホクホクである。


「初めて高値に成りそうなものが手に入ったね~」


「これで今日の酒代になったのじゃ。」


「お肉。」


「はははっ、そうだな。」


今現在のドロップ品は、肉が42個、牙が32個、棍棒が14本、ショートソードが1本か。

棍棒が幾らで売れるのか分からないが、金貨2枚近く行くんじゃないのかな?

また武器持ちが出るかもしれないし、今日の儲けが楽しみだ。


その後も扉付きの部屋が2つほどあり、そこにはショートソードを持ったゴブリンが居た。

どうやら通路で会うゴブリンは棍棒で、部屋に居るゴブリンは武器を持って居るみたいだ。

まぁ、これでショートソードが3本になったのでウハウハである。


「ハルさん、嬉しそうですね。」


「まーね、多分だけど、今日の儲けだけで金貨4枚くらい行きそうだからな。」


「この人数で割っても銀貨7枚以上ですか、凄いです。」


「ほぅ? だいたい森でオーク2匹倒したのと同じくらいなのじゃ。」


「ビアンカ、それって全部運んだ場合でしょ? ハル君が居なかったら無理でしょ?」


「そうじゃの。」


ふと、思ったことが有ったので聞いてみることにした。


「そういや、普通ダンジョンのドロップってどうするんだ?」


「高く売れるのだけのドロップだけを回収するか、専属の運び屋を雇うか、奴隷を付けるみたいだよ~」


「運び屋? そんな人が居るんだ。」


「日帰りで戻れないほど潜る人は大抵付けるみたいだよ?

 それに気が付かなかった? ダンジョンの入り口に結構居たんだよ?」


「そうなんだ、気が付かなかったよ。それで、もし雇うとすると、どのくらい掛かるんだ?」


「さあ? 雇ったこと無いから分からないかな?」


「ナタリーも知らない?」


「ごめんなさい、アルデの街では運び屋の方は居なかったので分からないです。

 多分ですが、1日食事付きで銀貨1枚とかじゃ無いでしょうか?」


日給で1万くらいと考えれば妥当か。

まぁ、雇うことも無いだろうけどね。


「あと少しでこの階のマップも埋まりそうだな…って、あれ?」


マッピングしていておかしな所に気が付いた。


「どうしたんじゃ?」


「いや、1ヶ所気になる所が有るんだけど…」


「何処じゃ?」


「ここの壁何だけど…」


俺は壁を指出した。

見た目は普通の壁だ。


「何もおかしい所は無いのじゃ。」


「ハル君、何が気になったの?」


「いやね、あそこに壁が有るのに、マップで見ると壁が無いんだよ。

 有ったとしても紙みたいにペラペラなんだよね。」


俺が壁を調べるのに叩いてみようと思ったら、手が壁を突き抜けた。


「うおっ!」


見た目は壁が有る様に見えるのだが、触ることが出来なかった。

と言うことは幻覚か何かの魔法なのか!?

とりあえず突っ込んだ手には異常は見られなかったので、首を突っ込んでみることにした。


「ハルさん!?」


「何をやっているんじゃ!!」


「首がめり込んでる!?」


「ハル様!!」


みんなの驚いた声が聞えたので、おそらく壁に首が埋まっている様に見えているのだろう。

実際、俺の首は壁には埋まっていないし、視界の先には通路が見えているこれって…

とりあえず頭を戻し、皆と話をしてみることにした。


「あ、戻った?」


「だ、大丈夫なんですか?」


「ビックリしたのじゃ。」


「ごめんごめん、驚かせちゃったみたいだな。」


「もしかして、さっき気になったのってこの壁のこと?」


「ああ、ちょっと地図を見てくれ。」


俺はマッピングした地図を皆に見せた。


「確かにここに壁が無いのじゃ。」


「へぇ~ 面白いねこれ~」


アイリさんが触れない壁に興味津々だ。

手を入れたり出したりしている。


「ナタリー、ダンジョンにはこういった壁って結構有る物なの?」


「いえ、初めて知りました。これって何なんでしょうか?」


「ん~幻覚の類だとは思うんだけど、説明は出来ないなぁ~

 とりあえずショートカットのための近道なのは間違い無いと思うんだけどね。」


「あ、本当だ~、随分近くなるみたいだね~」


「一応確認で行ってみたいんだけど良いかな?」


「もちろん。」


俺達は壁を抜けて進んでみることにした。


「うん、マップ的にも合ってるな、と言うことは本当にショートカットになっているみたいだな。」


「これって新発見なんじゃないかな? かな?」


「そうですね、おそらく新発見だと思います。」


「新発見だと何か貰えたりとかってするのか?」


「どうでしょう? 聞いてみないことには何とも言えないです。」


「戻った時に聞いてみるとするか。」


「それが良いと思います。」


「じゃあ、地下5階への階段を見つけたら戻ろう。とは言ってもおそらく階段は近いっぽいけどね。」


作成した地図からすると、おそらく少し進むと、階段近くに少し広い空間が有って、そこに階段が有るのだろう。


「とりあえず行ってみようか。」


「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」


俺達は階段に向けて移動することにした。


ショートカットを見つけたぞ。

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