了解が得られました
いつもいつも誤字報告ありがとうございます。
本当に助かってます。
宿へと帰る途中で、
「お母さん!」
突然ティアさんの後ろから声が掛かって抱きしめられた。
「シャル?」
「うん♪
あれ? お母さん髪戻ってる?」
「お店でサービスでね、どうかな?」
「綺麗だよ~!」
「そう? ありがとう。」
「やっほ~、ハル君も今帰り?」
そこにアイリさん達みんなもやってきた。
「ああ、みんなも帰り?」
「そうだよ~」
そして、ジロジロと俺とティアさんを見ている。
そーいや腕を組んだままだったな。何か浮気現場を見られた感じだ…
「な、言ってた通りじゃろ?」
「そうですね、でもティアさんなら大丈夫ですし、良いのでは無いでしょうか?」
「だね~」
シャルだけはお母さんズルイと言う顔をして頬を膨らませている。
何かみんなが今の状況に納得しているらしいのは良かったんだが、やっぱりこの感覚は慣れないな。
そんなことを思っていると、ティアさんは突然みんなに頭を下げた。
「みなさん、私は奴隷の立場で在りながら、ハル様をお慕いしたいと思っております。
奥様の方々には申し訳ないのですが、末席に置かせて頂けないですようか?」
「いいよ~、って言うか末席なんて要らなくない?」
「そうじゃの、そんなもんは必要ないのじゃ。」
「もちろんですよ、みんな同じ立場ですよ。
でも良いんですか? シャルティアさんは獣人だから…」
ティアさんは一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐに優しく微笑んだ。
「お気遣いありがとうございます。私にはすでにシャルが居ますから…
それにそれを理由に自分の気持ちに嘘は付きたくないです。」
「「「あ~! わかるわかる~(のじゃ)!」」」
みんなウンウンと頷いている。
「それより、言ってしまってからこう言うのも変なのですが、ハル様には正直申し訳ないと思っております。」
「俺に? 何で?」
「私は獣人族ですから…」
「えっ?」
「えっ?」
「シャルティアさん、その辺は大丈夫だよ~」
「そうじゃな、全く問題無いのじゃ。」
「そうですね、理由は、ハルさんが英雄様と賢者様の同郷と言えば分かるでしょうか?」
「それって…」
「そうなのじゃ、ハルは獣人族の娘を見る度に呆けおって。」
「私達が居るのにね~」
「それはハルさんですから…」
なんか酷い言われようだな。当たってるけどさ。
「多分だけど、シャルティアさんも何か覚えが有るんじゃないかな? かな?」
「そう言えば…服屋では、私をみて喜んでましたし、言い寄ってみた時もすんなり受け入れて頂きました。」
「じゃろ?」
「そう言うことだったんですね。」
「んじゃ、改めて宜しくね~」
「宜しくなのじゃ。」
「宜しくお願いしますね。一緒に頑張りましょう。」
「ありがとうございます。こちらこそ宜しくお願いします。
私のことはティアでお願いします。」
どうやら嫁が一人増えることが確定したみたいだ。
正直に言うとめちゃめちゃ嬉しい。本来であれば土下座してでもこっちがお願いする立場だ。
ティアさんは見た目と言い、年齢と言い、正にど真ん中のストライクだ。
だからと言ってティアさんが1番って訳でも無いけどね。みんなそれぞれが違って愛おしい人達だ、優劣なんて付けられる訳が無い。
「それじゃ、帰るか。」
「「「「「はい!」」」」」
みんなで仲良く宿に帰ったのだった。
また増えやがった…




