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初心者講習?


重いホーンラビットを背負って何とか冒険者ギルドへやってきた

ピーク時間のちょい前だったらしくまだ混雑はしていないのはラッキーだ

早速、俺はナタリーさんの所に向かうのだった


「次の方どうぞ~」


「ナタリーさん、こんばんは。

 常時依頼の買取をお願いします。

 後、ちょっとご相談もお願いしたいのですが」


あれ?ナタリーさん服を変えたのか?気持ち窮屈そうな感じがする…もしかしたら太ったのかもしれない

まぁ、女性は体の事を言われるのはショックだろうし、心の中に留めておこう


「わかりました、まずは買取を行ってしまいますので依頼品の提示をお願いします」


「こちらです」


俺はリュックからホーンラビット4匹と途中で見つけて集めていた薬草1束を提出した


「状態に特に問題はありませんので銅貨4枚と鉄貨1枚となります」


「はい、ありがとうございます」


「ハル様、それでご相談の方は、どの様なご用件ですか?」


「実は、ホーンラビットはもちろんですが、それ以外の魔物も解体すれば荷物も軽くなるかな~って思いまして。解体技術を習得したいんです。

 後は、必要な部位、いらない部位の知識も欲しいです」


「まず解体の方ですが、当ギルドでは銀貨1枚で初心者講習を受けることができます。

 剣の使い方や魔法の使い方、索敵や採取などの冒険者に必要な技術の習得になります」


「あれ?この前依頼形式で金貨1枚掛かりましたけれど、これとは違うんですか?」


「この前のハル様の依頼の場合は、すでに習得している技術や簡単に習得できる技術の使い方ではなく、魔法スキルの習得は基本的に不可能な内容のため、あの金額になります」


なるほど、確か魔法は才能であって、誰でもって訳じゃないからなのか


「わかりました」


「講習は1科目1時間で1銀貨となりますが、いかがいたしましょうか?」


ふむ、いくつか習ってみたいものもあるけれど、早急に必要と思われるのは解体だけかな

とりあえず戦闘面は何とかなってるし…よし!


「とりあえず解体だけお願いします。

 それと、1時間を過ぎた場合ってどうなるのでしょうか?」


「教える講師にもよりますが、1時間を過ぎた時点で追加で銀貨1枚が発生します。

 中にはお金が勿体ないという理由で、時間になった時点で途中でも辞めてしまう冒険者もいらっしゃいます」


「とりあえず自分の時間で決めていいってことですね」


「そうなります。

 それで講習の日程ですが、明日の朝9の時間でしたら予約が取れますが、いかがいたしましょうか?」


「特に予定もありませんし、その時間で大丈夫です」


「わかりました、予約を入れておきます。

 それでは明日、9の時間になりましたらこちらまでお越しください。

 私、ナタリーが受付致しました」


用事も済んだが、まだ夕飯にはちょい早い時間だ、折角なので2階の資料室で面白そうな本が無いか探してみることにした

…これは昔の英雄物語かな?タイトルは『ピッチ一世物語 第1章』か、どれどれ


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古き時代のある大陸でオーガが支配する国が有った

周辺の村や街はオーガに襲われ金銀財宝や食料を奪われてしまい、人々は苦しい生活をするしかなかった

苦しい生活から脱するため、団結した人々がオーガの討伐隊を組織してみたが、返り討ちにされてしまい、今では逆らう人も無くなってしまった


ある日、遠方より大きなピッチを模した船に乗りある若者がある村へやってきた

正確にはピッチを模した救命船が流れ着いたのであった、そう彼は遭難者だったのだ

たまたま川に来ていた老夫婦に、若者は運よく命を助けられたのだった


この者はピッチ一世と名乗っていた

ピッチ一世は助けて頂いた恩とオーガの悪事に怒りを覚え討伐に向かうことに決めた

老夫婦は危険だと止めたが、ピッチ一世の意思は変えられなかった

そこで老夫婦はせめてもの援けとして一振りのロングソードと非常食でもあるキュピダンプリングを持たせてくれた

涙で送ってくれた老夫婦を後にピッチ一世は討伐へ出発するのだった


ある森の中でピッチ一世は魔物に遭遇し、戦闘になっていた

魔物の名はケルベロス、地獄の門番と言われる大型の魔物だ

ピッチ一世とケルベロスは激しい戦闘を行い、昼夜を問わずお互いが死力を尽くし戦った

そして、最後にはお互いを認め、友情が芽生えるのだった

これ以上の戦闘は必要は無いと判断したケルベロスはピッチ一世に提案をした


「旨いものでも食わせてくれるのならば、お前の眷属になってやろう」


ピッチ一世は老夫婦から頂いたキュピダンプリングを取り出し、ケルベロスへ与えてみた


「いいだろう、我はお前と共にあることを誓おう」


ケルベロスを従えたピッチ一世はオーガの国に向け旅立つのだった


第一章 完


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「…えーっと、桃太郎?」


作者名は書いてなかったが、もしかしたら自分と同じ異世界転生した人が居たのかもしれない…

それとも本当にあった話なのか!?それはそれで興味深いが

ちょっと続きが気になる俺であった


特に気になる本も無かったので(第2章は見つからなかった)

冒険者ギルドを後にし、宿へ帰ることにした


宿屋に着いたが、いちいち部屋に戻るのも面倒だったので、そのまま夕食を食べることにした


「ただいま戻りました、キースさん、申し訳ありませんが夕食をお願いできませんでしょうか?」


「だ、誰だ!お前は?俺の知ってる坊主じゃない!!」


マスターが気味の悪い物でも見るような目をしている


「そんな悲しいこと言わないで下さい。

 僕は美味しい料理を作ってくれるマスターへ感謝し、この過ごしやすい宿を使わせていただいてるだけなのに…」


「た、たのむ、気味が悪いし背中がぞわぞわする、いつもの坊主に戻ってくれ!

 ほ、ほら戻ってくるなら、今日はエールをサービスするから…頼む!!」


やっぱりマスターをからかうのは楽しい


「エール、ゲットだぜ! マスター飯よろ~」


「ふぅ~いつもの坊主に戻ったか…死ぬかと思った」


 そこまでの反応をしなくても良いんじゃないかな? かな?

 俺が敬語で話すのはそこまで駄目なのか? ……まあいいや

マスターがエールと夕食を運んできた


「ほらよ」


本日のメニューはパンにハンバーグとサラダ、そしてタダでゲットしたエールだ

そーいやエールって鑑定したことなかったな


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【エール】

品質:C

大ムキとラリベリー果実を乳酸菌と混ぜて発酵させたもの

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ラリベリーか…実は酔っぱらってる訳じゃなくラリってるとかだったりして!?

まあいいや、とりあえずエールで乾杯することにする、ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ…ぷはっ~


「うま~!タダ酒最高~!酸っぱいけど」


マスターは何か言いたそうな目でこっちを見ているが、仲間になんかしないよ?(意味不明)

次はメインディッシュのハンバーグか


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【合い挽きハンバーグ】

品質:B

オークとミノタウロスの肉を4:6で合わせて

ケッコー鳥の卵、パン粉、丸ネギを炒めた物、塩コショウで味付けしたものを練って焼いたもの

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口の中で肉汁がじゅわっと溢れて丸ネギの甘みと合わさって最高だ

ごきゅ、ごきゅ…酒との相性もバッチリだ、最高である

残りはサラダだが


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【サラダ】

品質:B

トゥメイトゥとレトゥース、ドコーンをドレッシングで和えたもの

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シャキシャキのレトゥースにトゥメイトゥの酸味とドコーンの甘みのバランスが絶妙である

もちろん掛かっているドレッシングとの酸味のアクセントもグーだ

ふぅ~食った食った


「ごっそーさん」


部屋に帰った俺は今日一日の事を振り返ってみる


「今日は4匹も狩ったしレベルかスキルレベルでも上がっているかもしれないな、ステータス」


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名前:ハル

年齢:20

状態:普通


LV:1

HP:12/12

MP:25/25


STR:8

VIT:5

AGI:4

INT:15

DEX:20

LUK:3


スキル:投擲Lv2(new)、言語理解、剣術Lv1、激おこぷんぷんLv2、魔力操作Lv2、生活魔法Lv2、鑑定Lv2、隠密Lv1(new)


称号:命100、ケモナーLv2、暗黒変態紳士

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レベルは上がらなかったが投擲スキルのレベルが上がってるな、それに隠密スキルも増えてる

おそらく練習して命中率が上がったのと、ターゲットに隠れながら近づいたのが良かったのかもしれない

頑張れば頑張っただけ結果が出るのはやっぱり嬉しい、日本に居るときなんか実感することが無かったからなぁ

さてと、明日は解体の講習だし、今日はもう寝るとしよう、おやすみなさい


ピッチさんピッチさん~

お腰に付けたキュピダンプリング

一つ私に下さいな~

あ~げましょう あげましょう 一緒にオーガの征伐に~

付いてくるなら あげましょう♪

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