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今後の予定


宿に到着したので中に入った。


「お帰りなさいませ。」


店主が挨拶してきた。


「只今戻りました。すいません、1名追加をお願いします。」


「そちらの女性ですね。お部屋は4人部屋で宜しいですか?」


「はい。」


「では追加で銅貨5枚になります。」


俺はお金を支払った。


「それじゃ、部屋に戻りますね。」


「何か有りましたらお声掛けて下さい。」


「ありがとう。」


店主にお礼を言って、とりあえず4人部屋の方に移動することにした。

部屋に着き、適当にベットに座わってもらい、まずはティアさんの怪我を何とかすることにした。


「ティアさん、これを飲んでください。」


俺はHPポーション改を手渡した。


「これは?」


「HPポーションです。」


「そんな高い物を貰う訳には行きません。」


そう言って断ってきた。

とは言っても飲んでくれないと困るんだよな、だってティアさんの状態がこうだからだ。


----------------------------------

【シャルティア】

年齢:28

状態:怪我


LV:14

HP:58/78(-20)

MP:64/64


STR:32

VIT:14

AGI:1(-25)

INT:20

DEX:15

LUK:5

----------------------------------


失礼だとは思ったが状態を知るためにも鑑定はさせてもらっていたのだ。

そして、何かステータスにマイナスが付いていたので気になっていたのだ。


----------------------------------

【状態】

状態:怪我

効果:HPの上限がー20となる(永続中)

体や怪我の程度により起こる状態異常のこと

----------------------------------


まずはこの怪我を治してあげたい。


「このポーションは俺が作った物なのでお金は掛かってません。

 飲んでくれないのであれば、命令しなくちゃならなくなりますので、お願いします。」


俺がそう言ったので、ティアさんはHPポーションを飲むことに決めたみたいだ。

そしてHPポーションを飲んだ結果がこうだ。


----------------------------------

【シャルティア】

年齢:28

状態:普通


LV:14

HP:78/78

MP:64/64


STR:32

VIT:14

AGI:1(-25)

INT:20

DEX:15

LUK:5

----------------------------------


見た目のケロイド状の怪我は治らなかったが、化膿していた怪我は全部直ったみたいだ。

AGIのマイナスはおそらく足が無いことによるペナルティだろう。


「ありがとうございます。御蔭で体が少し楽になりました。」


「楽になったのであれば幸いです。

 ナタリー、この火傷って魔法で治せないか?」


「火傷をした直後であれば治ったかもしれませんが、皮膚が定着した後の今は無理かもしれません。

 とりあえず試してみますね。」


『親愛なる治癒の神すぃ様、この者に傷を治す癒しの力を与えたまえ、ヒール』


ナタリーさんがティアさんに回復魔法をかけてみたが、治る感じは見られなかった。


「駄目でした。ごめんなさい。」


「いえ、気にしないで下さい。」


異世界魔法ってことで少しは期待したが無理だったか。もしかしたらレベルが上がれば違うのかもしれないが、そんなに直ぐ上がる物でも無いし、仕方ないか。

ティアさんが何か悩むような顔をした後、何かを決心したらしく、いきなり土下座をして言ってきた。


「ハル様、私は目も見えず、歩けず、見えないので分かりませんが、体も火傷だらけで気持ち悪い見た目だと思います。

 何のお役に立つことも出来ません。なので私のことは捨てて頂いて構いません! だけど、シャルロットだけでも助けて頂けないでしょうか?

 ワガママなお願いだと言うことは分かっています。でも、今の私にはハル様にしか頼むことしか出来ないのです。

 どうか、お願いします!」


ティアさんは必死にお願いをしている。


「ちょ、ちょっと、ティアさん、顔を上げて下さい。

 俺はシャルはもちろんのこと、ティアさんも捨てるなんてことをするつもりはありませんよ。」


「でも、私は…」


「でもではありません。俺がそうしたいだけです。

 それに、ティアさんが出来ることだってきっと有ると思います。一緒に探していきましょう。」


「…ありがとうございます。」


「さて、今日は疲れたでしょうし、久しぶりにシャルとの触れ合いも必要でしょう。

 2人部屋が有るので、2人で使って下さい。」


「シャル、それで良いか?」


シャルがコクンと頷いた。


「それじゃ、ティアさん行きましょう。」


俺はティアさんをおんぶして、2人部屋まで運んであげた。


「ナタリー、悪いけどティアさんの湯あみを手伝ってあげて下さい。」


「はい、任されました。」


「シャル、何か有ったらすぐに呼びにおいで。遠慮するんじゃ無いぞ?」


シャルも頷いた。


「それじゃ、また明日お話ししましょう。

 おやすみなさい。」


「本当にありがとうございました。おやすみなさい。」


俺はナタリーさんに後のことを任せ、先に4人部屋に戻るのだった。


「ハル君、おつかれ~」


「お疲れなのじゃ。」


「みんなもお疲れ。」


「それで明日からどうするの?」


「みんなはダンジョンに潜りたいんだったよね?」


「もちろんなのじゃ。」


折角迷宮都市と呼ばれるところまでやってきたし、シャルのお母さんを探すって件も終わったし、そうだよね。


「とりあえずどうするかはナタリーが帰ってきてからにしよう。」


「「は~い(なのじゃ)。」」


待つこと30分ほどしてナタリーさんが帰ってきた。


「只今戻りました。」


「ナタリーありがとうな。」


「いえ、大丈夫です。」


「2人の様子はどうだった?」


「さすがに疲れていたみたいで、抱き合ったまま直ぐに寝てしまいました。

 シャルちゃんも、すっかり甘えん坊になっちゃってましたね。」


「まぁ、まだ6歳だし、仕方ないと思う。」


「そうですよね、今までがしっかりしすぎた感が有りまし、遠慮していたのでしょうね。」


「多分ね。」


ふと、俺が6歳くらいの時ってどうだったんだろう?

多分ワガママし放題の糞餓鬼だったんじゃなかろうか。

うん、反省…母さんゴメンよ。


「さっきちょっとアイリとビアンカとも話したんだけど、ナタリーもダンジョンに行きたいんだったよね。」


「出来れば行ってみたいですね。」


「そっか、その辺の話も含めた明日少し相談することにしよう。」


「分かりました。」


「まぁ、何はともあれこの旅の当初の目標は達成できたんだ、今日はゆっくり休もうか。」


「「「は~い」」」


今回の並びは激しい(?)相談の結果、ビアンカ、アイリ、俺、ナタリーの順番になったみたいだ。


「それじゃ、おやすみ~」


「「「おやすみなさい(なのじゃ)。」」」


部屋の明かりを消して真っ暗にした。

何となく眠れなくて少し考えごとをしている。

これからどうすれば良いんだろうか。


ティアさんは目が見えないし、歩くことも出来ないため、ダンジョンに連れて行くことは出来ない。

何か別の仕事をお願いした方が気が楽になると思うんだけど、何が有るかな?

まぁ、その辺も踏まえて明日話せば良いか。


それじゃ、おやすみなさい…ぐぅ…


さて、どうしようか…

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