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今日のナタリーさん 79


私はナタリー、冒険者である。


ようやくシャルちゃんの村までやってきたのですが、何ですか…この有様は…

家は焼かれ、残った家も壊されたり、見るに見れない状態です。

もちろん家の中も荒らされ、何も残っていませんでした。


しばらく村を探していると、1件の家が見えてきたと持ったら、シャルちゃんが走り出してしまいました。

もしかしたら、あれはシャルちゃんの家でしょうか?

私達も後を追いかけます。


家の中に入ったシャルちゃんは壊れた家を見て、あまりのショックで泣き出してしまいました。

しばらく泣き続けましたが、ようやく落ち着き、そのまま寝てしまいました。

そのため、今日は此処で1泊することになりました。

シャルちゃんのことは彼に任せ、私達は野営の準備をすることにします。


「心配じゃ、シャルは大丈夫じゃろうか…」


「うん、心配だよね。」


「そうですね。私達に何か出来ることは無いのでしょうか?」


「う~ん、お母さんの代りに…はなれないよね。」


「そりゃそうじゃ。。

 それにあたいらはシャルの仲間で有り、同じ男を好いとる同士じゃろうに。

 あたいはシャルとそんな関係になるのはご免じゃの。」


「…うん、これは私が悪かったわ。」


「アイリはシャルちゃんを思っての発言だし、そんなに気にしなくても良いんじゃない?」


「でも、もしかしたら無意識にそんなことを考えていたのかもしれないし、反省かな。」


「まぁ、この話は終わりにして、野営の準備をするのじゃ。」


「そうですね。」


「は~い。」


さて、私は夕食の準備をすることにしますか。


・・・・


夕食を済ませた後は、見張りの順番を決めます。

今回は彼はシャルちゃんのために外してくれるようにお願いしてきました。

何言ってるんですか、そんなの当たり前です。任せて下さい。

快く引き受けた私達は、交代で見張りをすることに決まりました。


・・・・


私の順番になり、ビアンカさんに起こされました。


「ナタリー、交代じゃ。」


「分かりました。起こしてくれてありがとうございます。」


「じゃあ、後は任せたのじゃ。」


そう言ってビアンカさんは毛布に入って寝てしまいました。

さて、見張りをしますか。

その前にシャルちゃんの様子を確認して…え?


「は、ハルさん、起きてたんですか?」


「ああ、シャルが気になってな。」


「寝ないと体が辛くなりますよ?」


「1日くらいなら大丈夫だよ。前も仕事で徹夜した何てことも良く有ったしね。」


私はため息をついた。


「仕方ないですね、今夜だけですからね? 明日はちゃんと寝て下さい。」


「ははっ、分かったよ。」


彼は、母親に怒られる子供みたいな、何とも言えない顔をしました。

…先ほどの会話を引きづっているのでしょうか…

私は首を振ってその考えを追い出します。私がなりたいのは彼のお母さんでは無く、お嫁さんです!


「どうしたんだ?」


「い、いえ! 何でも無いです!

 では、見張りに行ってきますね。」


「ごめん、頼んだよ。」


「はい。行ってきます。」


さて、何もないとは思いますが、しっかりと見張りをします。


・・・・


しばらく何事も無かったのですが、みんなが寝ている場所から突然バタバタと音がしました。

何が有ったのかと思い、その現場へと駆け付けます。

すると、シャルちゃんが手足を振るって暴れていました。いったい何が…

聞くところによると、どうやら前にも同じことが有ったみたいでした。


彼はシャルちゃんを優しく抱きしめて、頭を撫でながら落ち着かせようと声を掛けています。

次第にシャルちゃんは落ち着きを取り戻し、そのまま安心した様に寝てしまいました。

私達は、そんなシャルちゃんを見て絶対に救うことを誓うことを決心するのでした。


その後は明日の為にも、体を休めることになりました。

私は引き続き見張りをするために、外に出ることにしました。

見張りをしながら考えます。私がシャルちゃんにしてあげられることって、何があるんだろう…


私はナタリー冒険者だ。明日はまた旅が続きます。頑張ろう。


でも、実際ナタリーさんはいい母親になりそうな気はする。

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