王都3日目の朝
ようやく王都を出発出来る…のか?
目が覚めた。とっても(一部が)気持ちの良い朝だ。
隣には一緒に寝ていたハズのビアンカさんが居ないが、居るのは知っていた。
なので布団をめくって言ってみた。
「何やってるの?」
「ふぉふぁおうふぁふぉばぁ。」
「ごめん、言ってることが分かんない。」
「ぷはぁ…ハルが色々と気を使ってくれたお礼じゃ。
あたいじゃ、みんなみたいに出来ないから申し訳無いのじゃ。」
「何言ってるんだよ、そんなことしなくても俺はビアンカが一緒に居てくれるだけでも幸せだぞ?」
「あたいは…あたいは、本当にハルと一緒になれて良かったのじゃ…」
ビアンカさんがボロボロと涙を流した。
「あ~あ、ほら、涙を拭いて。」
俺はビアンカさんにタオルを手渡した。
「ち~ん!!」
あ…まあいいか。
その後にビアンカさんが続きを始めてしまったので、満足するまで好きにさせることにする。
丁度良い所にビアンカさんの頭が有るので、撫でてあげると、目を細めて嬉しそうな顔をした。
(しばらくお待ちください。)
軽く湯あみを済ませ、着替えることにした。
もちろん恥ずかしがるビアンカさんをじっくりと見学させて頂きました。
「…馬鹿。」
貴重なビアンカさん、ごちそうさまです。
「それじゃ朝飯食べに行くか。」
「うむ。」
食堂へ行くと、みんなすでに揃っていた。
「みんな、おはよう。」
「おはようございます。」
「ハル君おはよ~、ビアンカもおはよ~」
「おはようなのじゃ。」
しおらしいビアンカさんの態度を見て。
「ビアンカ、良かったね。」
「うむ。」
「お体は大丈夫ですか?」
「ハルが気を使ってくれたからの、問題無いのじゃ。」
「良かったです。」
「次は私達の番だからね? シャルちゃん勝負だよ!」
シャルも、もちろん! と息巻いていた。
そこにウェイトレスが朝食を持ってやってきた。
「本日の朝食です。ごゆっくりどうぞ~」
朝食がやってきたので、早速食べることにした。
今日の朝食はと、ご飯にシチュー、サラダとOhレンジジュースだ。
どれどれ、昨日の成果の確認をしてやることにする。
パクリ…ほぉ…ご飯の風味にほんのりと昆布の味を感じる。どうやらさっそく実践してみたらしい。旨い!
シチューの塩塩梅がまたご飯と合う。ご飯に掛けて食べたいが、今日は止めておこう。
ぱくぱく、むちゃむちゃ、ずず~ごっくん。
「ごっそーさん。」
ふぅ~満足した。
「今日の出来具合はどうだったかな?」
「料理長か、昨日のが生かされてたからな、昆布も入れたんだろ? 旨かったよ。」
「今回は良い経験をさせてもらったよ。この歳になってまだまだ学ぶことが有るってことを実感したよ。
近い内にアルデの街に行ってみるつもりだ。」
「そうか、この宿はどうするんだ?」
「なに、弟子にでも任せるさ。」
残された弟子達、なむ…
「今日、王都を出るのか?」
「ああ、冒険者ギルドで街道の情報を聞いたら行くつもりだ。」
「そうか、今度合う時はとびっきりの料理を食わせてやろう。」
「楽しみにしてるよ。」
挨拶を済ませた料理長はキッチンへと戻って行った。
「さて、食事も終わったし、俺達も出発するか。」
「「「はい。」」」
俺達は宿を出て馬車の準備が出来次第、冒険者ギルドへと出発するのだった。




