表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
306/554

料理教室 1


朝食を終えた俺達は、キッチンに向かう。

勝手に入るのも失礼なので入り口で声を掛けることにした。


「すいませ~ん。」


「来たか、今日は頼む。」


「はい。それでうちのメンバーも参加したいと言ってるのですが、大丈夫でしょうか?」


「構わないが、どのくらいの腕前なんだ?」


俺が2人を見ると、


「料理? やったこと無いよ?」


「あたいは食べて飲む専門じゃ。」


「…だそうです。」


「全くの初心者か…おい、ケント、お前が向こうで料理の基礎を教えてやれ。

 こっちでやったことは、後で教えてやる。」


「は、はい!」


「みんな、それで良い?」


「仕方ないよね。」


「そうじゃな。」


そういって向こうの方へ移動して行った。


「じゃあ、俺達はこっちですね。」


「その前に、お前さんの料理の腕はどうなんだ?」


「俺? 大したこと無いかな? 趣味程度の料理レベルだ。」


「…ハルさんは、私より上手です。」


ナタリーさんがジト目で言ってきた。何で!?


「だったら問題無いな。」


「始める前に一つ良いか?」


「何だ?」


「今朝のご飯、アレ誰が炊いたんだ?」


「はい! 自分です!」


弟子の1人が手を上げた。こいつか…こいつがご飯様を…


「ごるあああああぁぁぁ~~~!! 客にあんな物を出して、貴様舐めてんのか!?

 まずはお米の神様に謝れ! お米の1粒1粒には神様が宿っているんだ! 3150柱の神様に対し土下座しろ! 話はそれからだ!」


「ひ、ひぃ!?」


俺の突然の豹変に料理長が驚いている。


「お、おい! 今朝のご飯を出してみろ!」


「は、はい!」


持ってきたご飯を料理長が食べてみる。


「…昨日のお弁当の味とは全く違うな。」


「あんたは味を確認しないのか?」


「すまん、副食や汁物の方の対応をしていたので主食に関しては弟子に任せていた。

 だけど、オンデカ米を取扱ったのは初めてだったんだ、すまんが許してくれないか?」


「ハルさん、その辺で…」


俺に対してはそれで良いだろう、だが、ご飯の神様のためにも俺は鬼になる!


「我は料理教室教官のハル先任軍曹である!

 話しかけられた時以外は口を開くな!

 口で糞垂れる前と後にサーと言え!

 分かったか、残飯ども!」


「「「サ、サー! イエッサー!」」」


「は、ハルさん!?」


「ふざけるな! 大声を出せ!

 包丁でも落としたか!」


「「「サー! イエッサー!」」」


「貴様ら残飯どもが俺の訓練に生き残れたら…各人が料理人となる。

 食堂に祈りを捧げる食の司祭だ!

 その日までは残飯だ! 食堂における最下等の存在だ!

 貴様らは人間ではない!

 腐ったミカンをグチャグチャに踏みつぶしてかき集めた値打ちしかない!

 貴様らは厳しい俺を嫌う! だが憎めば、それだけ学ぶ!

 俺は厳しいが公平だ、人種差別は許さん!

 オーク、ハイオーク、オークロードを…俺は見下さん!

 すべて…平等に価値が無い!!

 俺の使命は役立たずを刈り取ることだ!

 愛するご飯様とおビール様の害虫を!

 分かったか、残飯!」


「「「サー! イエッサー!」」」


「・・・・」


「ちんこ頭、名前は?」


「サー! ジャックであります! サー!」


「本日よりポーク〇ッツと呼ぶ。良い名前だろう?」


「サー! イエッサー!」


「聞いて驚くな、ポーク〇ッツ。

 家の食堂には精米機は無い!」


「サー! イエッサー!」


「貴様には棒で精米をする権利を与えよう。」


「サー! イエッサー!」


ポーク〇ッツの精米作業が終了した。


「もう一度聞くが、今朝、ご飯様を炊いたのは誰だ!」


「サ-! 自分で有ります! サー!」


「そっちの残飯だったな、勇気あるお笑い芸人 売れない底辺二等兵、正直なのは感心だ。

 気に入った。家に来てオ〇ホをファ〇クしていい!

 だが、何故料理人になった?」


「サー! 食による幸せを与えるためです! サー!」


「だったらこの精米した米を洗え! 力を入れて洗うのだ! それを3回終わるまでは止めることをを許さない!」


「サー! イエッサー!」


「洗い終わったら手のひら分の水を入れてかまどに掛けるんだ!」


「サー! イエッサー!」


(前奏)


「初~めチョロチョロ、中パッパ~」


「「「初~めチョロチョロ、中パッパ~」」」


「赤~子泣いても蓋取るな~」


「「「赤~子泣いても蓋取るな~」」」


「美味しいご飯を作るなら~」


「「「美味しいご飯を作るなら~」」」


「火加減蒸らしを守りましょ~」


「「「火加減蒸らしを守りましょ~」」」


・・・・


「本日をもって貴様らは残飯を卒業する。

 本日からは貴様らは料理人である。

 兄弟の絆に結ばれる、貴様らのくたばるその日まで、どこにいようと料理人は貴様らの兄弟だ! 

 多くは他の街へ向かう。ある者は二度と戻らない…

 だが肝に銘じておけ! 料理人は食事を作る! 食事を作るために我々は存在する!

 だが、料理人は永遠である。

 つまり…貴様らも永遠である!!」


「「「うおおおおおぉぉぉ~~~!!!」」」


「ハルさん、何をやっているのですか?」


ナタリーさんがジト目で見ている。


「まぁ~その~、ノリ?」


「軍曹は何も悪くないで有ります!」


「・・・・」


「と、とりあえず、ご飯が出来たので試食してみましょう。」


鍋の蓋を開けると、ご飯の匂いが広がった。


「「「おお~!!」」」


小皿にご飯をよそい、試食してみることにした。


ぱくり…うん、良い感じだ。


「旨い…そうか、ご飯はこうやって炊くんだな。」


「ええ、炊くときに昆布を入れたりするのも美味しいですよ。」


「野菜と調味料を入れたりすると違う料理になったりもしますし、色々試してみてください。」


「ありがとう。勉強になったよ。」


こうして突然始まったご飯の炊き方の講習が終わったのだった。


ファ○コンウ○ーズを知ってるかい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ