今日の予定
目が覚めた。気持ちの良い朝だ。
隣にはナタリーさんが腕枕で寝ている。もちろん事後である。
前回反省したにも関わらず、ナタリーさんには我慢が出来なかった。
だいたいナタリーさんのあの可愛さは卑怯だと思う。あれを我慢できる人は男として機能していないか、異常だと思う。
ナタリーさんはまだ寝ている。
可愛い寝顔だ、そして毛布の隙間からはナタリーさんの胸の谷間が見えている。
むくっ、むくっと息子が自己主張を開始した。反抗期である。
そして、そのタイミングでナタリーさんも目が覚めたみたいだ。
「ナタリー、おはよう。」
「ハルさん、おはようございます。」
ナタリーさんは反抗期の息子に気が付き、息子をなだめるために、息子と手を繋いできた。
「はうゎ!」
「苦しいですよね? それに…私もハルさんと一緒に…お願いしても良いでしょうか?」
潤んだ目でナタリーさんの上目使いのお願い、断るのは無理っしょ!
(しばらくお待ちください)
軽く湯あみをして、着替えが終わったので朝食を食べに行くことにした。
「それじゃ、行こうか。」
「はい。」
食堂へ行くと、みんな揃っていてすでに食べ始めていた。
「ナタリー遅~い!」
「ごめんね。」
「悪い遅れた。」
「それは構わんのじゃが、ナタリーは朝からええの…」
「なななな、何のことでしょう?」
「見りゃ分かるのじゃ、別に今更隠すことでも無いじゃろうに。」
「そうね、みんな同じ様に扱ってくれるんだったら問題無いよね~」
「ハルさんですから、大丈夫ですよ。」
「その辺は心配しておらんのじゃ、でも、羨ましいと思うのは仕方ないと思うのじゃ。」
「そうだね~」
そこにウェイトレスが朝食を持ってやってきた。
「本日の朝食です。ごゆっくりどうぞ~」
「ありがとう。」
ウェイトレスは朝食を置いて去って行った。
「それじゃ食べようか。」
「ええ。」
今日の朝食は、ご飯にベーコンエッグにスープだ。
「ご飯!? まさか王都に来てご飯が出るとは…」
「もしかして昨日のお弁当が理由じゃ無いですか? ほら、アイリ達もそうですが、向こうの席の人もパンですよ?」
「あ、ホントだ。」
どうやらご飯は俺と、ナタリーさんの分だけらしい。
「ええのぉ~」
「食べてみるか?」
「じゃあ、一口だけ貰うのじゃ。」
「ほれ…」
ぱくり…
「何か微妙じゃの…」
「そうなのか?」
俺も食べてみることにする。
ぱくり…う~ん…ぬか臭い…それにお米に弾力が無いし、水分も足り無いの無いないづくしだ。
「微妙だな。」
「じゃろ?」
「あ、でも、ベーコンエッグはマスターさんと同じですよ!」
「どれどれ…」
ぱくり…トロっとした黄身と塩胡椒の絶妙なバランスと確かに同じだ。
「ベーコンエッグの技術はジェニファーじゃなくて料理長からなんだな。」
「そうみたいですね。この火の通し感覚が難しいんですよね…」
残りの朝食を食べていると、アイリさんが聞いてきた。
「ねーねーハル君、今日出発するで良いのかな?」
「そうだ、その辺の話をしていなかったな。
昨日料理長とちょっと話してさ、今日は料理を一緒にやることになったんだよ。
だから後1泊したいんだけど、良いかな?」
「問題無いよ~」
「こっちも問題無いのじゃ。」
シャルもコクコクと頷いた。
「ありがとな、じゃあ今日は自由行動な。
アイリかビアンカ、シャルをお願いしても良いか?」
「え? ハル君も料理に参加するの?」
「ああ、ジェニファーのレシピを教える関係でな。」
それを聞いたアイリさんとビアンカさんは顔を見合わせた。
「のぉ、アイリよ。」
「そうね、そろそろヤバイと思ってたし、良いんじゃない?」
「と言うことで、あたい達も参加しても良いかの?」
「俺からは何とも…料理長に聞いてからで良いか?」
「お願い~」
「頼むのじゃ。」
「分かった。シャル悪いけど、みんなに付き合ってくれるか?」
シャルは頷いてくれた。
こうして今日はみんなで料理をすることになったのだった。
みんなで料理をやることになりました。




