今日のナタリーさん 76
何だかんだで1年も書き続けることが出来ました。
読んでくれた人達に感謝の言葉を。
ありがとうございます。
私はナタリー、冒険者である。
誰かに揺すられている様な気がする…
ふにょん♪
そして胸を両手で掴まれナデナデされている。
また、アイリが寝ている所をイタズラしてますね…仕方ないなぁ~
目を開けるとそこにはアイリでは無く、彼が居ました…えっ?
彼は小動物を可愛がるような優しい目をしています…が、その両手は私の胸をしっかりと撫でていました。
えっと…、これはいったいどういった状況なのでしょうか?
とりあえず声を掛けることにしました。
彼は焦った表情で頭を地面に着けて謝ってきました。
別に彼でしたら私の胸で良いのでしたら全然構わないですし、それに彼とだったら…ぽっ♪
…こほん。
どうやら交代の時間だったみたいです。
だけど、彼は一緒に見張りと、朝食作りを手伝ってくれると言ってくれました。
彼には悪いと思いましたが、凄く嬉しかったので良かったです。
私は彼から渡された材料を刻んでいる最中、彼は他の作業をしています。
材料の準備が出来たので彼の所へ持って行くと、それを鍋に投入して煮込んでいきます。
何か凄く手際が良くないですか? もしかして私って要らない子!?
結局私は材料を切っただけで、朝食は完成してしまいました。
みんなも匂いに連れられて起き出してきたので朝食を取ることにしました。
美味しいです…それにとっても優しい味です。
アイリやビアンカさんも美味しいと褒めています。
でも、それって私が作った物じゃないですよ? 私はまだまだ修行不足ですね…
みんなも料理を頑張ると言ってますし、一緒に頑張ろうね。
朝食が済んだ後は門が開き王都へ入ることが出来ました。
正門から続く道の先には王宮が見えます。噂に違わずすばらしい街並みです。
これが見られただけでも、王都に来て良かったと思えました。
観光したいのはやまやまですが、今は薬を届けるためにも急がなくては行けません。
冒険者ギルドへ向かうことにしました。
さすがは王都の冒険者ギルドです。
広さはもちろんのこと、人も設備もアルデの街の冒険者ギルドとは比較にもなりません。
でも、正直大変だろうな、仕事としてやるのであれば、やっぱりアルデの街の方が良いかもしれないですね。
窓口に並び、私達の順番になったのですが、受付嬢が猫の獣人さんだったので、彼が見とれていました。
モヤモヤがあふれ出し、彼の足を踏んでやろうかと考えていた所、シャルちゃんが先に蹴っ飛ばしてしまいました。ナイスです!
御蔭で彼には悪いですが、スッキリしました♪
でも、やっぱり獣人さんのことが好きなんだろうな…
ちょっとしたトラブルが有りましたが、無事に依頼を完了することが出来、窓口から離れた所で、みんなが彼に詰め寄りました。
私も香辛料を買ってもらうことで了承することにしました。このくらい良いですよね?
冒険者ギルドを出た後は宿を決めることにしました。
王都の宿屋の情報は持って居なかったので、香辛料を購入するついでに宿を聞くことになりました。
確かに香辛料を扱っているお店のお勧めですから、料理は美味しいですよね。流石です。
やってきたのは『薔薇の絆』。
なんとここはマスターさんが修行した場所だったのでした。驚きです。
何か不思議な縁を感じましたね。
ここの宿は大部屋は無く、2人部屋とのことでしたので、みんなで勝負することになりました! 絶対負けられません!
そして、私は見事この勝負に勝ち残ることが出来たのでした! 嬉しいです!!
部屋割りが決まったことで、ここに来た当初の目的奴隷商へと向かうことになりました。
結論から言うと、シャルちゃんを奴隷から解放することは出来ませんでした。
ただ、条件さえ解決さえすれば解放出来るとのことなので、何時かは解放してあげたいです。
王都の奴隷商にはキツネの獣人は居ませんでしたが、迷宮都市の方は居るかもしれません。
シャルちゃんのためにも行ってみるのも良いかもしれません。
奴隷商を出た後は王都を散策しました。
道具屋では、シャルちゃんが何か買い物をしたみたいです。
それは手持ちの黒板です。
そして、シャルちゃんが感謝の言葉を黒板へと書きました。
それを見た彼は感動に打ち震えて泣いていました。
シャルちゃんの気持ちが届いたみたいです…良かったですね。
散策も終わり、私達は宿に戻ってきました。
さっそく楽しみにしていた夕食の時間です。
思っていた通り、とても美味しいです。
そこにマスターさんの師匠が現れました。
色々とマスターさんのことを聞かれ、味のことも聞かれました。
彼は正直にマスターさんの方が美味しいと答えてました。私もそう感じました。
でも料理長は、怒るでもなく、逆に喜んでました。
何となくその気持ちはわかりますね…
そして、ここで新事実が!
ジェニファーさんって有名な方だったんですね…知りませんでした。
確かに料理は美味しかったですが、女装が好きな変た…コホン…変わった方のイメージしかありませんでした。
私がマスターさんから手ほどきを受けたことを知った料理長が、ここで少し料理を学ばないかのお誘いを受けました。
マスターさんの基礎は此処で学んだとのことでしたので、是非とも学んでみたいです。お願いしてみました。
・・・・
「え~今日だけだが、一緒に指導することになったナタリー嬢だ、宜しく頼む。」
「ナタリーです、ご迷惑をお掛けするかと思いますが、宜しくお願いします。」
「こ、こちらこそ…」
料理人たちは目を合わせず照れていました。
確かに男性ばかりの職場に女性が来たら困っちゃいますよね。
でも、短い間ですが、仲間になるのですから、もう少し目線を上げて頂けると嬉しいかな?
流石はマスターさんのお師匠さんですね。基礎の部分をしっかりと教えてくれています。
マスターさんの場合は時間も無かったし、基礎が当たり前と思っていたみたいで、特に説明されていませんでしたが、こうして説明されたことで色々と料理に関する理解を深めることが出来ました。
私の方からはマスターさんから教えて頂いたことを説明していきます。
結構斬新的な物だったらしく、感動なされていました。
特に出汁については結構な追及をされました。確か旨味でしたっけ? これはジェニファーさんからの知識みたいでした。
時間はあっという間に過ぎてしまいました。
まだまだ学ぶことは有りそうでしたが、仕方が無いですよね。
「今日は色々と教えて頂いて助かった。」
「いえ、こちらこそ親切丁寧に教えて頂きありがとうございました。」
「…もし宜しければだが、明日も出来ないだろうか?」
「そうですねぇ…私達は目的のために旅をしている途中でして、王都は通り道でして、ここでの用事は既に済んでます。
私の一存ではちょっと答えられないですね。」
「聞いてみることは出来ないだろうか?」
「そうですね、ハルさんに聞いてみますね。」
「助かる。」
部屋に戻るついでに彼に聞くため、料理長と一緒に向かうことにしました。
そして彼にもう1泊出来ないかお願いしてみました。
特に迷うことも無く了解してくれました。私のためにありがとうございます。
ジェニファーさんのお弁当の話から、彼が1冊の本を取り出しました。
あれは確かマスターさんから渡されていた本ですよね?
えっ? この本ってマスターさんのでは無く、ジェニファーさんのレシピ本だったんですか!?
料理長が恐る恐る確認していますが、どうやら暗号化されていて読めなかったみたいです。
違いました。特殊な言語…それって彼が住んでいた所の言語…ですよね?
翻訳されたものはマスターさんが持って居るとのことでした。
それってマスターに見せて貰ったレシピ集のことでしょうか?
余裕が無かったのでほとんど見ることは出来ませんでしたが、こんなことなら見ておくんでした…
そしたら彼から提案が、レシピ1つを教えてくれるとのことです。
彼はマスターさんへの感謝の印としての提案でした。
そして、料理長が選んだのは茶碗蒸しでした。どんな料理何でしょう?
レシピは紙に書きだすのではなく、明日一緒に作ってみることになりました。凄く楽しみです。
料理長が帰った後は私達の時間です。
久しぶりに彼との二人っきりです。
何か有ったのかはご想像にお任せします♪
私はナタリー冒険者だ。明日は王都で料理のお勉強です。頑張ろう。
弟子A「おい、あの胸やべーぞ!」
弟子B「ああ、たまらんな。」




