王都へ
ハイモスの街を出た俺達は、一度馬のご飯のために休憩を取り、その後は旅路を急ぐことにした。
馬には悪いが、馬車は少し速く進ませている。
馬車には荷物が無いので軽のと、体力有る馬でホント助かった。
「急いでるから乗り心地は悪いけど、ごめんな。」
「気にすること無いのじゃ。
ハルは御者に専念すれば良いのじゃ。」
「ハル君、夜はどうするの?」
「出来るだけ進みたいから暗くなるまで進んだら野営かな。
申し訳ないけど、食事は出来合いので済ませようと思う。」
「うん、それで良いと思うよ~」
日も暮れ少し薄暗くなったので、野営するために止まることにした。
開けた場所が有ったので馬車を停め、馬を解放して干し草と水を用意する。
ふと、何と無しに馬を鑑定してみた。
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【ホース】
年齢:5
状態:普通
LV:7
HP:32/42
MP:1/1
STR:55
VIT:31
AGI:27
INT:1
DEX:10
LUK:5
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さすがは馬だ、力が強いな。
1対1で戦ったら負けそうだ(汗)
あれ? HPが少し減っているな、これってもしかして無理させてしまったか?
寝れば治るのかもしれないが、明日も頑張って貰わなくちゃいけないし、サービスしておくのも悪くないかもしれない。
HPポーション改を馬に与えてみることにした。
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【ホース】
年齢:5
状態:普通
LV:7
HP:42/42
MP:1/1
STR:55
VIT:31
AGI:27
INT:1
DEX:10
LUK:5
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ふむ、問題無く回復したみたいだ。
しかも、HPが回復しただけでなく、元気にもなったみたいだ。
もしかして、このまま夜通し走れるのでは!? ってくらい元気だ。やらないけどね。
「また明日も頼むな、今日はゆっくりお休み。」
馬を撫でながら言うと、ブルルッと鳴いた。
言葉を理解しているのかな?
馬の世話が終わった後は、テントとトイレを出しておく。
お風呂はみんなに聞いてからにしよう。
「おまたせ~」
「ハルさん、お疲れ様です。」
焚火の準備をしてくれていたので、火を点けてあげた。
「ハル、お腹が減ったのじゃ。」
「はいはい、待ってろ。」
アイテムボックスより、ジェニファー弁当を取り出し、みんなに配った。
「ありがとうなのじゃ。」
「ありがとうございます。」
「これってジェニファーのお弁当? 楽しみ~」
俺も弁当を手に取り蓋を開けてみた。
中身は色取り取りの見た目も綺麗なお弁当だった。
「すげ~!! ジェニファー女子力高けぇ~な~」
「美味しそうです。私もこんなの作ってみたいです。」
「美味しそうなのじゃ。」
「何これ、美味しい~!!」
シャルはすでにガツガツと食べている。
どれ、俺も食べるとするか。
ぱくり…
「…ん、…くん、ハル君!」
「ん? あれ?」
「ボーっとしてどうしたのよ。」
「どうやら、あまりの旨さに意識が飛んだみたいだ。」
「え? 確かに凄く美味しかったけど、そこまででは無いような…」
「いや、本気で旨かったぞ?」
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【ジェニファーの愛情たっぷりのお弁当改】
品質:S
効果:疲労回復、精神回復
オンデカ米をベースに、ケッコー鳥のから揚げ、オークとミノタウロスの合い挽き肉にハーブを加えたの合い挽きウィンナー、ケッコウ鳥の卵の燻製、ぷちトゥメイトゥにドコーンとレトゥースのサラダに愛情がたっぷり入ったお弁当
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「あ、やっぱり品質Sだった、しかも俺限定の美味しさ付き。」
「ふ~ん、ちょっと羨ましいな。」
「私も味わってみたいです。」
「羨ましいのじゃ。」
「旨いけど、これはある意味危険な食べ物かもしれないな…」
「そうなの?」
「下手すると普通の飯が食えなくなるかもね。」
「あ~それわかるかも。」
そんなこんなで意識を失いつつも何とか夕食を食べ終え、夜の見張りの順番を決めることにした。
「じゃあ、見張りの順番を決めようか。」
「それなんじゃが、さっきみんなと話したんじゃが、ハルは今日はやらなくて良いのじゃ。」
「え? 何で?」
「今回は急ぎじゃし、ハルはずっと御者じゃろ? 少しでも体を休めると良いのじゃ。」
「いや、みんなだって移動で疲れてるし…」
「ハルに比べると全然楽なのじゃ。最悪後ろで仮眠取れば良いしの。
だから、ハルはゆっくり休むと良いのじゃ。」
「…そうだな、今回は人の生死が掛かってるかもしれないし、甘えさせてもらおうかな。」
俺がそう言うと、みんながホッとした顔で頷いてくれた。
「じゃあ、俺は寝させてもらうけど、お風呂はどうした方がいい?
俺は目を覚ますついでに明日の朝に入ろうと思ってるけど。」
「もし、ハルさんの負担にならなので有れば、入りたいです。」
ナタリーさんの言葉にみんなウンウンと頷いている。
「じゃあ、お湯を入れておくよ。
あ、そうすると小屋どうしようかな。」
「あの大きさなら、3人で問題無く動かせるから気にする必要は無いのじゃ。
こっちでやっておくのじゃ。」
「そうか、なら任せるよ。」
俺は魔物避けをビアンカさんに渡してから風呂用の樽を取り出し、お湯を入れて就寝することにした。
何だかんだで体は疲れていたみたいで、横になるとあっという間に眠気がやってきた。
おやすみなさい…ぐぅ…
美味しさのあまりに意識がぶっ飛ぶお弁当って食べてみたい。




