荷物の受け取り
祝200話~
よくもまぁ、こんなに続いたもんだ…
とりあえず頑張って200話書いて分かったこと、うん、ランキングに乗れるほどの才能無かったわ(涙)
ギルドに到着した俺達は、ナタリーさんの所に向かう。
さすがにピークには早い時間なのでガラガラだ。
「ナタリーさん、こんにちは。
依頼の荷物ってどうなりましたか?」
「ハルさん、こんにちは。
はい、準備できてますので、今持ってきますね。」
ナタリーさんが、奥の部屋から荷物を持ってきた。
「こちらが依頼の品になります。無くさないで下さいね。
荷物を渡す際に、依頼表とカードも提出して下さい。
それで依頼は完了になりますので。」
「はい、わかりました。」
俺は荷物を受け取った。
大きさは5kgのミカン箱の大きさだ、思ってた以上に大きかった。
ただ、重さはそうでもないので良かった、多分2kgくらいかな?
「それじゃ行ってきます。」
「それでは、ナタリーが承りました。
気を付けて行ってきてくださいね♪
アイリは、ハルさんに迷惑を掛けないようにね。」
「ナタリー酷い、私そんな事しないもん。」
「あたいが居るから大丈夫じゃ。」
「宜しくお願いしますね。」
「ぶーぶー」
「ほら、行くぞ。」
「は~い、ナタリーじゃあね~」
「またの。」
俺達はギルドを出て、時間は早いが、さっさと宿に帰ることにする。
宿に到着したのでマスターの所に行く。
「マスター、ただ~
アイリさんが今日からこの宿に泊まるってさ、手続き頼むわ。」
「そうか、食事はどうするんだ?」
「食事付きでお願い、だけど、明日から依頼で2,3日開けるので、とりあえず食事は今日の分だけで、後は帰ってきてからお願いします。
荷物は置きっぱなしにするので、とりあえず10日分お願いするね。」
「わかった、部屋は2階の右側手前の部屋で、鍵はコイツだ。
食事は帰ってきてからなら、とりあえず1泊だけ食事付きで、残りは宿泊のみにしておく、帰ってきてから清算すれば良いしな。
だから食事付き1日と宿泊のみ9日で、銀貨5枚と銅貨3枚だな。」
アイリさんがお金を払って手続きは終わったので、部屋に荷物を運ぶことにする。
「荷物は運ぶだけだし、あたいは部屋に戻って着替えることにするのじゃ。
食事は一緒に食べたいが良いかの?」
「そうだな、なら、6の時間に食堂でどうだ?」
「分かったのじゃ、それじゃの。」
ビアンカさんは自分の部屋に戻って行った。
「じゃあ、俺達も行くか。」
「うん。」
アイリさんの部屋に到着した。
「ここに出せば良いかな?」
「よろしく~」
俺はアイテムボックスより、アイリさんの荷物を取り出した。
「それじゃ、私は少し荷物の整理をするから、後は大丈夫だよ。
夕食時になったら行くね。」
「わかった、じゃあ、また後でな。」
俺は自分の部屋に戻ることにした。
戻ったは良いが、することが無いな…
そうだな、飯が終わったらすぐ寝れるように、明日の準備と湯あみを済ませておくか。
・・・・
6の時間には少し早いが、氷を作るのと、マスターに相談が有るので、まずは氷を作ってから食堂へ向かうことにする。
「マスター、相談が有るんだが。」
「何だ?」
「明日からカルデの街まで配達依頼で行ってくるんだが、観光とかするだろうし、帰りは歩きになるかもしれない。
そうすると、多分3日、もしくはそれ以上居なくなるけど、氷とかどうしたらいい?」
「居ない物は仕方ないだろ? もともとそういう契約だから気にすんな。
なに、ギリギリまで売って、それ以降は前の料金で売るだけさ。
坊主は自分の依頼のことだけ気にしてれば良い。」
「了解、とりあえず明日の朝に多めに水を用意しておいてくれ、少しでも長く冷えるようにな。」
「わかった。」
「飯食うのか?」
「6の時間に、アイリさんとビアンカさんが来るから、その時でいいぞ。」
「わかった。」
俺は適当な席に座り、時間までぼーっとすることにする。
すると、ナンシーちゃんがやってきた。
「ハルさん、ぼーっとしてどうしたんですか?」
「ん? ああ、アイリさんと、ビアンカさんと一緒に飯食べよ~って話でさ、まだ時間が有ったから少しのんびりしながら待ってたんだよ。」
「そうだったんですね、そう言えばアイリさんが、こっちの宿に移ったってマスターが言ってましたね。」
「ジェニファーの件も問題無いみたいだし、安いし、飯は旨いしで、こっちにしたんだってさ。」
「いや、それもそうかもしれませんが、どちらかと言うと、ハルさんが居るからに決まってるじゃないですか~」
「そうなのかな?」
「それ以外に有りますか?」
「そっか…だったら嬉しいな。」
「待たせたのじゃ。」
「おまたせ~」
ナンシーちゃんとそんな感じの話をしているうちに6の時間になったらしく、二人ともやってきた。
「ナンシーよ、エールと夕食を頼む。」
「あ、私は夕食だけで良いかな。」
「ナンシーちゃん、俺も飯だけ頼むわ。」
「なんじゃ、二人とも飲まないのか?」
「いや、明日馬車に揺られるし、二日酔いとかで気分が悪くなるのもアレだしね。」
「軟弱じゃの。」
「ドワーフと一緒にしないでくれ。」
「お待たせしました~
エールと夕食です。
ゆっくり話したいけれど、混み始めて仕事やらなくちゃいけないので、また今度~」
「おう、頑張れよ~」
そう言ってナンシーちゃんは仕事に向かって行った。
相変わらず夕刻からの食堂は忙しそうだ。
「じゃあ、夕食を食べるとしようか。」
今日の夕食は、ご飯に、モツ煮込みに、スープだ。
いや、このメニューは俺だけか、ビアンカさんと、アイリさんは、パンにサラダとから揚げ、そしてスープだ。
つーか朝、マスターがこのことを言ってたのを忘れてたよ、モツ煮込みにはビールだ、でも明日は移動だし、どうすっかな…
いや、モツ煮込み様にはお酒が必要だ、エール、いや日本酒の方が合うか。
「ナンシーちゃん、大吟醸貰える?」
「大吟醸…ですか?」
「あ、分かんなかったらマスターに聞いて?」
「は~い、わかりました~」
「ねーねー、何かハル君のメニューが違うんだけど、何で?」
「多分だけど、ご飯はここの人にとっては雑草であるから食べないからってのと、モツ煮込みは試験的に作ったからだと思う。」
「ちょっと食べても良いかの?」
そういって、ビアンカさんがご飯をフォークですくって食べた。
「ふむ、味が無いのじゃ…いや、ほんのりとした甘みが有るかの?」
次に、モツ煮込みを食べる。
「美味しいのじゃが、なかなか面白い食感なのと、少し味が濃いのじゃが、これは酒には合いそうじゃな。」
「それって、味が無いのと濃いのを合わせると良いじゃないのかな~
ハル君、私も貰っても良い?」
アイリさんは、ご飯ともつ煮込みを一緒に食べた。
「あ、やっぱりこっちが正解じゃないかな?
すっごく美味しいよ~」
「どれどれ、ほぅ…なるほどの、合わさることで良い感じに美味しくなるのじゃな。」
アイリさんとビアンカさんが、パクパクとご飯と、モツ煮込みを食べている…それ、俺のご飯…
すっかり空になった器だが、美味しく食べて貰ったんだし、まあいいか。
「ハルさん、お待たせしました~、大吟醸です。
マスターが銅貨5枚って言ってましたけれど、大丈夫ですか?」
「う…思った以上に高いな、物がものだし、仕方ないから良いよ。」
俺は財布から銅貨5枚を取り出して支払う。
「あと、モツ煮込みのお替り貰えるか? 後ご飯も。
もし、追加料金が必要なら払うぞってマスターに言ってくれ。」
「は~い、聞いてきますね~」
「す、すまんのじゃ。」
「ハル君ごめんね~」
「いや、美味しく食べてたのを見てると、こっちも嬉しくなっちゃうし、気にしなくても良いよ。」
「でも、本当に美味しかったね~
変わった食感だったけれど、アレって何だったんだろうね?」
「あれは、オークの胃とか腸とかの内臓だぞ?」
「「えっ…」」
あ、二人とも動きが止まった。
まぁ、モツは調理する前の見た目がアレだし、中には洗ったとは言え(ピー)が詰まってたしな、仕方ないと言えば仕方ないけどね。
「モツ煮込みは、俺の故郷の料理で、新鮮なモツを使うから大丈夫だし、酒のつまみには最高の料理だ。」
「た、確かに、酒には合いそうじゃったな。」
「ハル君の故郷の料理…だから大丈夫、大丈夫、美味しかったから大丈夫、うん。」
ビアンカさんは酒のつまみってことで復活、アイリさんも自分に言い聞かせて復活したみたいだ。
「はい、ハルさんどうぞ~
料金は要らないってマスターが言ってました。」
「そっか、ナンシーちゃんサンキューな。」
「では、ごゆっくりどうぞ~」
では、さっそく、まずはモツ煮込みをパクリ…旨っ、やっぱりモツ煮込みは味噌だよな、醤油も悪くないが、個人的にはこっちの方が好きだ。
そして、ごのぐにゅぐにゅ感がたまらん。
次に大吟醸をゴクリ…カー!! 旨い!!
ビールが有ったら問答無用でビールだったんだが、大吟醸も最高である。
「な、なぁ、ハルよ、気になっていたんじゃが、その酒は何じゃ?」
「こいつか? こいつは大吟醸って言う日本酒で、種類は違うけれど、さっき食べたご飯から作られている酒だ。」
「ほぅ? モツ煮込みと一緒にご飯を食べると、美味しかったのじゃから、その酒も合いそうじゃの?」
「飲んでみるか?」
「頂くのじゃ!」
ビアンカさんが俺の真似をして、モツを一口食べてから、大吟醸を飲む。
「な、何じゃこの酒は…水みたいに透明じゃから、水っぽいかと思ったのじゃが、スッキリとしてフルーティかつ、深い味わい、そしてこの香りがたまらんのじゃ!
何より、このモツ煮込みに物凄く合うのじゃ!」
「そーだろ、そーだろ。」
「ハル君、私にも頂戴~」
「はい、どうぞ。」
アイリさんも同様に、少し躊躇したもののモツを一口食べてから、大吟醸を飲む。
「美味しい~!!
エールやハッチミツ酒とはまた違って、美味しいね~
ナンシーさぁ、私にもこれ貰える?」
「あ、あたいも欲しいのじゃ!」
「は~い、マスターに聞いてきますので、少々お待ちください~」
俺達の様子を見て、周りがざわついている。
「なぁ、アレ、旨そうじゃね?」
「だけど、銅貨5枚か、高いな…」
「ねー私、アレ、飲んでみたいなぁ~」
「よーし、パパ、頑張っちゃうぞ!」
さすがにエールとは違って高いので諦める人、頼んでみる人とかで別れたみたいだ。
「はい、ビアンカ、アイリ、マスターが良いって。
ただ、残り少ないみたいだから、これで終わりだって言ってたけどね。」
「「「えー!!」」」
周りで騒いでブーイングしている客が居るが、ご愁傷様である。
そんな周りの目を気にしつつ、俺達は夕食を楽しむのだった。
「じゃあ、明日は7の時間に宿の前で良いか?」
「そうじゃの、同じ宿に居るんだし、それで良いじゃろう。」
「そうだね~、うん、分かった~」
「うし、じゃあ明日のためにも早めに寝るとするか。
じゃあ、おやすみ~」
「「おやすみなさい(なのじゃ)。」」
部屋見戻った俺は、明日のためにも体を休めることにした。
おやすみなさい…ぐぅ…
モツ煮込みは、何度も湯がいて、油をキッチリ取るなどの下処理をしっかりと行い、日本酒で煮ると柔らかくて美味しく出来ますのでおススメです。
まぁ、作るのが面倒くさいのが難点ですけどね…




