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ゴードンさん


ゴードン商会に到着したが、何か改装中っぽい、営業しているのだろうか?

とりあえず中に入ってみることにする。


「こんにちは~」


「ハル様、いらっしゃいませ。」


「改装中っぽいのですが、もしかして休みでしょうか?」


「はい、実は休み中なんです。

 ですが、ハル様でしたら、必要な物がありましたら、お売り致します。」


「助かります。実は野営に必要な道具が欲しいのですが、詳しくないので選んでいただけないでしょうか?」


「分かりました、一応使う使わないかは別として、一式用意いたします。

 その中から必要に応じて選んでいただく形を取らせて頂きますが、宜しいでしょうか?」


「はい、それで構いません。」


「それでは準備してきますので少々お待ちください。

 それと、主人が王都より戻ってますので、呼んできますね。」


「はい、宜しくお願いします。」


そうか、ゴードンさん戻ってきてたんだ、あ、だから改修工事してるんだな。


「なんじゃ、ここはハルの知り合いがやってる店なのか。」


「知り合いって言うか、お世話になった人かな。

 もしかすると、ゴードンさんが居なかったら、俺は今ここに居なかったかもしれない。」


「そうなんだ、なら、ゴードンさんには感謝しないとね。」


「そうじゃな、感謝じゃな。」


「おお、ハルさん、お久しぶりです。お元気でしたか?」


「ゴードンさん、お久しぶりです。

 王都での噂は聞きましたよ、おめでとうございます。」


「いやぁ、ハルさんには頭が上がらないですよ。

 ささ、こちらでお茶でもいかがですか?

 折角ですから、そちらのお嬢様方もご紹介させてもらいたいですな。」


「二人とも、どうする?」


「私は構わないよ~」


「あたいも、構わないのじゃ。」


「それでは、マリーさんの準備が出来るまで、お世話になります。」


「それでは、こちらへどうぞ。」


俺達は奥の客間に案内された。

席に着いた俺達に、ゴードンさんは慣れた手つきでお茶を入れて出してくれた。


「まずは、挨拶を。

 このゴードン商会で会長をしているゴードンと申します。

 お見知りおきを。」


「こちらは俺のPTメンバーのアイリさんと、ビアンカさんです。」


「宜しくお願いします。」


「宜しくなのじゃ。」


「こちらこそ宜しくお願いします。

 ちなみに、ハルさんの良い人でしょうか?」


「はい。」


「それは羨ましい、ハルさんは幸せ者だ。」


「実はあと2人ほど居ます。」


「いや~若いって羨ましいですな、あっはっはっ。

 それで、今日は野営の道具を求めてと聞いておりますが、もしかして何処かに行くのですか?」


「今度依頼で、カルデの街まで行ってくるんですよ。

 万が一野営になった場合に準備だけしておこうかと思っただけです。

 それに、今後必要になるかもしれないってのも有りますから。」


「そうでしたか、準備は必要ですよね。

 なにしろ、ハルさんは出会ったときは、あの恰好でしたから…」


「いや、お恥ずかしいです。」


「ねーねー、その時のハル君ってどんな格好だったの?」


「そうですね、武器も持たず、荷物も持たずに服だけ着ていた感じでしょうか。」


「なんかそれだけ聞くと、逃亡者か難民みたいだね~」


「まーある意味難民だったのかもしれないな。」


「何、ハルは難民じゃったのか、苦労したんじゃな。」


「正確には難民とはちょっと違うんだが、その辺の話はいつかするよ。」


「楽しみなのじゃ。」


「話は変わりますが、お店が改装中ですが、拡大でもするんですか?」


「そうそう、そのことで忘れてました。

 ハルさん、お約束通り、ゴードン商会は大商会になることが出来ました。」


「おお、おめでとうございます!」


「実は、今回の件で、ゴードン商会は王都に商会を開くことになりまして、この店は、息子のハリーに任せることにしました。」


「と言うことは、ゴードンさんは王都に行ってしまうんですか?」


「そうなることになりますね。

 ハルさんに会えなくなってしまうのは残念ですが、王都に来られた時は、是非、ゴードン大商会を頼って頂ければと思います。」


「そっか、残念ですが、喜ばしいことですからね、おめでとうございます。」


「ありがとうございます。」


扉がノックされ、マリーさんが入ってきた。


「ハル様、一通りの準備が出来ましたので、御確認をお願いします。」


「あ、はい。」


俺達は店舗の方に戻ってきた。

用意されていたのは、各種サイズのテント、毛布、ロープ、ランタン、鍋、フライパン、食器、水を入れる革袋、炭、火付け道具、包丁、穴掘り用道具、魔物避けだ。


「えっと、このテントは何人入れる物ですか?」


「はい、広げないと正確には分かりずらいかもしれませんが、1人用、2人用、4人用、8人用となります。」


ふむ…個人的に使うだけなら1人用で充分か、だけどPTで活動した場合を考えると4人用か?

いや、ナンシーちゃんも参加するかもしれないから、8人用が良いかもしれないな。

大は小を兼ねるって言うし、ギリギリより余裕を持って入れる大きさの方が良いだろう。


「テントは8人用を下さい。後は、全部…いや、火付け道具と穴掘り道具は無くても…いや、自分以外が使う場合も有るかもしれないな。

 よし、毛布は5枚、食器は5個セット、後は全部下さい。」


「えっと、全部で金貨1枚と銀貨5枚、銅貨7枚と鉄貨7枚です。

 ハル様なので、割引させてもらいまして、金貨1枚と銀貨5枚でどうでしょうか?」


「マリー、ハルさんだ、タダで構いませんよ。」


「いえ、ゴードンさんには装備一式貰っています。

 今は、それなりに稼いでいるし、これからのゴードンさんとの付き合いも有りますし、払わせてください。」


「…そうですね、失礼しました。

 では、金貨1枚と銀貨5枚になります。」


俺は財布からお金を取り出し、支払った。


「毎度ありがとうございます。

 それで荷物はどこに運べば宜しいでしょうか?」


「あ、大丈夫です。このまま持って帰りますから。」


とりあえず3人なら運べる量だし、問題無いだろう。


「そうですか、ではまたのご利用をお待ちしております。

 次からはハリーが対応することになると思います。

 私はもうすぐ王都へ行ってしまいますので。」


「そうですか、ゴードンさん、お世話になりました、お元気で。」


「ハルさんもお元気で。

 私は、ハルさんに会えたのが人生で最高の宝物です。

 是非、王都に来られた時は、遊びに来てください。」


「はい、その時は是非。」


俺とゴードンさんは、しっかりと握手をして別れることにした。

この世界に来て、初めてお世話になった人だ、感謝しかない、是非王都で成功して欲しい。

俺達はゴードン商会を後にしたのだった。

とりあえず裏道に入り、人が居ないのを確認してからアイテムボックスに収納した。


「何で、お店で収納しなかったの?

 ゴードンさんって信用できるんだよね?」


「ゴードンさんは信用も信頼もしているけれど、誰でも教えるのもアレかなと思ったのと、商人にとって大荷物を運べる手段を知られるのはマズイと思ったんだよね。

 ゴードンさんにその気が無くても、周りからバレる可能性も有るからな、他にも使える人が居れば別だけど、居ないからな、用心に越したことは無いと思った。」


「そっか、じゃあ、私達は特別ってことだね♪」


「もちろん、特別だよ。」


「えへへ~」


「なんか、照れるの。」


「さて、一応明日の準備はこれで終わりかな?

 まだお昼くらいだし、時間は有るし、どうする?」


「あたいは特に無いかな。」


「私は、朝に言ってたけれど、宿を変更したいから荷物を移動させたいんだけど、ハル君手伝ってくれる?」


「もちろん! あ、でも、アイリさんの宿って女性専用じゃなかったっけ?」


「荷物を運ぶのに手伝ってもらうのは大丈夫だと思うんだけど、どうだろう?」


「最悪、外まで運んでもらうしか無いだろうな。

 幸いなことにビアンカさんも居るしね。」


「そうだね、とりあえずダメ元で聞いてみるね。」


・・・・


「ここが私が利用している宿で~す♪」


可愛らしい外観の宿で『木漏れ日亭』って名前か。


「ちょっと聞いてくるね~」


アイリさんが宿に入って行った。

俺はさすがに入るのはアレなので、入り口で待つことにする。

少し待つと、扉が開き、アイリさんが出てきた。


「ハル君、荷物の移動だけなら入っても良いって~」


お、どうやら許可が貰えたみたいだ。

それじゃ入るとしますか、しかし、女性専用の宿って何かドキドキするな。

女子寮、女子更衣室、女子トイレとか、女性専用の場所って、男性には禁断の場所で、名前を聞くだけでも何かいけないことをしている気持になる。

だが、女性専用車両、アレは駄目だ、アレを作るなら、男性専用車両も作るべきだ。

何度通勤時にヒヤヒヤしたか数えきれなかったからな、電車では女性には近寄るべからず、もし隣に来た場合は、背中を向けて両手つり革が基本だ。

もし、前後左右で囲まれて、どうしようも無い場合は、電車を降りるべし。

その苦労の甲斐が有って、今まで冤罪被害に遭うことが無かったのは幸いである。

まぁ、知り合いは捕まったがな…(遠い目)


「ここが私の部屋だよ~」


アイリさんが案内してくれた部屋に到着した俺達は、部屋の中に入ることにする。

扉を開けると、アイリさん特有の甘い匂いが…思わず深呼吸をしてしまう。

そして、ベットの上には、脱ぎ散らかしたアイリさんの下着が…


「あー!! ダメ! 見ないで~!!」


後ろから目隠しをされたが、もう遅い、しっかりと記録し、脳内フォルダに保管済みだ。

俺は目隠しをされたまま、部屋の外に押し出され、扉が閉められた。


「ハル君は、良いって言うまでそこで待ってて!」


どうやら追い出されてしまったみたいだ。

仕方が無いので、その場で待つことにする。

中からはアイリさんとビアンカさんの会話が聞こえてくる。


「なんじゃ、これは、ぶかぶかでは無いか。」


「ちょっと、私のブラ付けないで~」


「くっ、ここまでの差が有るとは…」


「いーから返しなさい。」


「アイリはこんなのを穿くのか? これでは尻が丸見えでは無いか。」


「ダメ~!!」


なにやってるんだか…

しかし尻が見えるパンツをアイリさんが穿いているって…あ、やばっ、鼻血が…


・・・・


1時間ほど放置され、ようやく終わったみたいだ。

話を聞いているだけだったが、何か疲れた…


「ハル君、入っても良いよ~」


「し、失礼しま~す。」


扉を開けて中に入ると、相変わらず部屋の中は、アイリさんの匂いで一杯だ、そこにビアンカさんの匂いも少し混ざっていて…って、何か変態っぽいな、反省。

荷物は全部まとめられており、見た目は何か分からないようになっている。

俺は荷物をアイテムボックスに収納した。


「これで終わり?」


「うん、ハル君、ありがと~♪」


「じゃあ、後はギルドに寄って、荷物を受け取ったら宿に帰ろうか。」


アイリさんの宿を引き払った俺達は、再び冒険者ギルドへ向かうことにした。


主人公がどんどん変態じみてきている…

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