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配達依頼を受けてみた


ギルドに到着した。

丁度朝のピーク時間なので、物凄く混んでいる。

まずは掲示板の方へ向かうことにした。


「相変わらず凄いよね~」


「朝は仕方ないさ、うし、いざ突撃~!!」


すっかりこの混雑にも慣れてしまったな、結構余裕で掲示板を確認出来る様になった。

お、またこの依頼出てるな、一度受けてみたいとは思っているんだが、問題はカルデの街が何処に有るのか知らないのと、おそらく1日で終わらないことなんだよなぁ~


----------------------------------

【配達依頼】

目的  :荷物をカルデの街の冒険者ギルドまで運搬

期限  :2日

成功報酬:(銀貨2枚)

依頼失敗:荷物の紛失、期限の超過

----------------------------------


「ハル君、何か良い依頼有った?」


「そうですね、この依頼を受けてみたいんですけど、迷ってるんですよね。」


「どれどれ? 配達依頼? 私はやったことないな~

 ハル君は何でこの依頼受けてみたいの?」


「俺ってこの街しか知らないし、他の街ってどんな感じなのかな~って思ってさ、まっ、単なる興味本位かな。」


「ふ~ん、なら私も一緒に行こうかな。」


「え? この依頼ってPTで受けられるものなの?」


「受けられるけど、受けると依頼料が半分になっちゃうよ?

 だから、私はただ付いて行くだけになるかな。」


「それは、さすがにアイリさんに悪いよ。

 俺もお金に困ってる訳じゃないし、行くならPTで受けるぞ! 嫌ならこの依頼は受けない。」


俺がそんなことを言うと、アイリさんが嬉しそうな笑顔になった。


「やっぱり、ハル君のそういう所って好きだなぁ~」


「なっ…と、突然そんなこと言われると、何と言うか、その、照れるな…」


「あははっ、じゃあ依頼料半分貰うから、一緒に行こ~」


「そうだな、じゃあこの依頼で決まりだ。」


俺は依頼表を取り、ナタリーさんの所に並ぶことにした。

列に並んでいると、ビアンカさんがギルドにやってきた。


「何じゃ、何か依頼でも受けるのか?」


「ああ、この依頼を受けようと思ってな。」


俺は依頼表をビアンカさんに見せた。


「アイリも一緒に受けるのか?」


「うん、そうだよ~」


「そ、そうか…」


ビアンカさんが仲間になりたそうにこちらを見ている。仲間にしますか?


→はい(ピッ)

 いいえ


「ビアンカさんも一緒に行きますか?」


「良いのかの?」


「はい、ただ、依頼料は3分の1になってしまいますが、良いですか?」


「いや、お金は要らんのじゃ。

 ハルと一緒に行けるだけで、あたいは満足なのじゃ!」


「なら、この依頼は受けません。

 アイリさんにも言いましたが、行くならPTで受ける、嫌ならこの依頼は受けない、どうする?」


「わ、分かったのじゃ、あたいも一緒に行きたいのじゃ、だから、PTでお願いするのじゃ。」


「うし、決まりだな。」


なんとビアンカさんが仲間になった!(笑)

そんなことを話している内に、俺達の順番になった。


「次の方どうぞ~」


「ナタリーさん、おはようございます。」


「はぁ~い、ナタリー」


「おはようなのじゃ。」


「ハルさん、アイリ、ビアンカさん、今日は揃ってどうしたのですか?」


「実は、PTでこの依頼を受けようと思っているんですけれど。」


俺は依頼表をナタリーさんに提出した。


「えっと、配達依頼ですね…って、これをPTで受けるんですか?

 そうなると、依頼料が一人銅貨6枚鉄貨6枚で、余りが鉄貨2枚になりますので、馬車とか使ったら赤字になりますよ?」


「まぁ、主な目的が観光と言うか、他の街を見てみたいって理由なので、依頼料はおまけです。

 なので、問題ありません。」


「ハルさんと観光…アイリもビアンカさんもずるい~!」


「ふふ~ん、だったらナタリーも一緒に行ったら良いじゃない。」


「私、最近休んでばっかりだから無理…ずるい…」


「受付嬢ってのも難儀な仕事じゃの。」


「ま、まぁ、ナタリーさん、今度また機会作りますから、その時は一緒に行きましょう!」


「…分かりました、今回は諦めることにします。

 えっと、依頼の説明を行いますね。

 配達してもらう荷物を夕刻までに用意しますので、それを明日から2日以内にカルデの街の冒険者ギルドまで運んでください。

 この内容で問題無ければ、手続きを行いますので、ギルドカードの提示をお願いします。」


「宜しくお願いします。」


俺達はカードを提出して、手続きを完了させる。


「それではナタリーが承りました。

 ハルさん、また後でね♪」


「そうそう、ナタリー、私達向こうで少し観光してくるから~

 大丈夫、4日後のアレまでには帰ってくるから~

 あ、ハル君には私から説明しておくので、安心して♪」


ナタリーさんがショックを受けた顔をしてぼーぜんとしている。


「アイリの馬鹿~!!」


「うふふっ、ナタリーじゃあねぇ~♪」


「そ、それじゃ、ナタリーさん、夕刻にまた来ます。」


「じゃあの。」


俺達は逃げるようにギルドを後にするのだった。


ようやく違う街に行けるぞ!

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