アイリさんと一緒に
宿に到着したので、まずは氷を作り、食堂へ向かう。
さてと、空いてる席はっと。
「ハル君、こっち、こっち~」
呼ばれた方を見ると、アイリさんだ、ビアンカさんも一緒に居るみたいだ。
「アイリさん、ビアンカさん、こんばんは。」
「ハル君、一緒にご飯食べようよ。」
「ほれ、ハル、ここにはよ座らんかい。」
「じゃあ、折角なのでお邪魔させてもらいます。
ナンシーちゃん、夕食お願い~」
「はいは~い、直ぐにお持ちしま~す!」
俺はアイリさんの隣に座ることにした。
「それにしても、二人とも知り合いだったんですね、知りませんでした。」
「知り合ったのは最近なんだけどね~」
「今日たまたま会ったので、一緒に狩りに行ってきたのじゃ。」
「ビアンカって凄いんだよ~、オークの攻撃が余裕だったのは驚いたよ~
おかげで楽に狩ることが出来たんだ~」
「いやいや、アイリの魔法も凄かったぞ、みんな一撃じゃったからの。」
「でも、やっぱりハル君が居る方が、狩りも楽だし、楽しいよね~」
「そうじゃの、ハルが一緒の方が危険も少なく、安定して狩れるしの。」
「褒めてくれるのは有難いが、それは大げさだし、そんなこと無いって。
だって、ビアンカさんが居ればオークが来ても安心だし、アイリさんが居れば、オークも怖くないし、絶対二人の方が凄いって。」
「それはハルがおったから何じゃが…
それに、あたいらだけじゃと、オークが近くまで来てから初めて気が付くからの、心に余裕が有るか無いかでもかなり違うぞ?」
「そうそう、それにハル君だったら、おそらく何か有ったとしても臨機応変に対応してくれそうだし、やっぱり安心感は凄く違うよ?」
「それはさすがに買いかぶりすぎじゃ…」
「お待たせしました~本日の夕食です♪」
「おっ、来た来た。」
「お、ナンシー丁度良かった、エールを追加で貰えるか?」
「あ、私も~」
「何じゃ、ハルは飲まんのか?」
「んじゃ、俺も1杯お願い。」
「は~い、エール3杯承りました~
直ぐにお持ちしますね~」
ナンシーちゃんがエールを取りに行ったので、とりあえず俺は飯を食べることにする。
今日の夕食は、エビピラフにサラダにスープだ、今日はスープに縁が有るな、折角だからスープから頂くことにする。
ぱくり…旨い! やっぱりマスターのスープの方が旨いな、さすがはプロの味だ。
だけど、あっちはあっちで具材も味付けも違って悪くなかったし、今後に期待だな。
「お待たせしました~エールです。
ごゆっくりどうぞ~」
「ほれハルよ、乾杯の音頭を取らんか。」
「俺か? まあいいけど…
じゃあ、今日の狩りの成功と、新しい屋台のスープとの出会いを祝って、乾杯~!」
「「乾杯~! って、スープって何?」」
「ん? ああ、今日講習が終わって暇だったから、屋台のオヤジと新作スープ作りをやってたんだよ。」
「もしかして、それって中央広場の?」
「何だ、知ってたんだ。」
「知ってたと言うか、狩りの帰りに通りかかったら、やたらと賑やかだったから、何か有ったのかな~程度だけどね。
今の話から、おそらくって思ったけど、当りだったね♪」
「ハルは、相変わらず、色んなことをやっているみたいじゃの。
あたいは、不器用じゃから、羨ましいのじゃ。」
「そうか? 大したことなんかやってないぞ?
それに、ビアンカさんだってやってみれば出来ると思うし、それにビアンカさんって鍛冶のスキル持ってたじゃん、不器用ってことは無いんじゃね?」
「いや、あたいは鍛冶を習ったは良いが、無理じゃった、せいぜい武器の手入れが精いっぱいじゃったな、だから冒険者になったんじゃけどな。
まぁ、鍛冶と料理は違うし、試してみるのも良いかもしれんの。」
「そっか、楽しみにしてる。」
「ああ、気長に待っててくれ。」
「お姉さんも料理習おうかな~
ハル君に食べて貰いたいし、ナタリーに教えてもらうのも良いかもしれない。」
「アイリさんの手作り? それは楽しみだな。」
「あははっ、じゃあ頑張らないとね。」
・・・・
「ねぇ~、ハルくぅ~ん。」
「な、何でしょうか?」
アイリさんは、俺の腕にしがみついて、おっぱいで挟んでいる。
前にもアイリさんにこれをやられたことが有ったな、柔らかいおっぱいが最高です!
しかも、ビアンカさんと同じペースで飲んでいたので、結構酔っぱらっている。
「あの武器は卑怯じゃ…」
ビアンカさんがガックリと項垂れて、何か言っている。
「お姉さん、ハル君の彼女になれたんだよね?
何で何も言ってくれないのぉ~?」
そーいや、そうだったな。
ナンシーちゃんにもいざ言おうと思って言えなかったんだよな…
アイリさんは、泣きそうな顔でこちらを見ている。
「あ、えっと、その…」
チュッ…
突然、アイリさんがほっぺたにキスしてきた。
「えへへっ♪」
そーいや、前にもアイリさんにキスされたっけな、初チューで嬉しかった思い出が蘇った。
そうだよな、俺はアイリさんにチューされて嬉しかったんだ、今は俺の彼女なんだ、しっかり言わないと失礼だし、言葉にしないと伝わらないよな、よし!
「アイリさん…」
「今だけでも良いから、アイリって呼んで?」
いきなりハードルが上がったが、仕方がない。
「あ、アイリ、俺はヘタレで、直ぐには何も変われないかもしれない、でも、アイリが好きです! 俺の彼女になってくれませんか?」
「はい…」
「何かあたいの時と違うんじゃが?」
「おー兄ちゃん、いいねぇ~」
「ひゅーひゅー熱いねぇ~」
「私も告白された~い!」
「くそっ、くそっ、くそっ、死ね!」
外野うるさいぞ!
この場に居るのも恥ずかしいので、退散させてもらおう。
「じゃあ、俺はそろそろ寝るわ、それじゃ…」
席を立とうとした所、袖口をアイリさんに摘まれた。
「ん? どうした?」
「今日は帰りたくないな…それにビアンカとは一緒に寝たんだよね?
アイリにも何もしなくても良いから、今夜は寂しいから、一緒に…寝ても…いいかな?」
ぐはっ…
アイリさんのいつもと違い、しおらしい姿はヤバすぎる…これって断れないと言うより、断ったらマズイよな?
「わ、わかりました…」
「ま、今日は譲ってやるかの、あたいは部屋に戻ることにする。」
そう言ってビアンカさんは行ってしまった。
「じゃ、じゃあ、俺の部屋行きます?」
アイリさんがコクンと頷いたので、移動することにする。
後ろの方で野次が飛んでいたが、あーあー聞こえない。
俺の部屋に到着した。
えっと、どうすればいいんだろう?
「と、とりあえず寝る前に体洗っちゃいますので、向こう向いていてくれると助かります。」
「う、うん、分かった。」
アイリさんが向こうを向いている間に、体を綺麗にする。
女性が居る側で服を脱ぐってのは、かなり緊張したが、なんとか終わらせることが出来た。
「終わりましたので、こちらを向いても大丈夫ですよ。
アイリさんも湯あみするんですよね、俺、部屋を出てるので、終わったら呼んでください。」
俺が部屋を出ようとした所で、アイリさんが引き留めた。
「ううん、ハル君だったら居てもいいよ?」
「そ、そうですか、わ、わかりました。
向こうを向いてますんで、やっちゃって下さい。」
「見ないの?」
「み、見ません!」
「そっか、残念。
ハル君だったら、好きにしても良かったんだけどなぁ~」
「そ、それは、また別の機会で…」
「ぶーぶー」
アイリさんが不満を言って言うが、俺は壁に向いた。
する…ぱさっ…
後ろで布が擦れる音がする。
ちゃぷ…ちゃぷ…
後ろでお湯の跳ねる音がする。
何でこういう時の音って、凄く良く聞こえるのだろうか? おそらく五感が必要以上に鋭敏になっているんだろうな。
ふと、今振り返ると、全裸で体を拭いているアイリさんを見ることが出来るんだろうな。
そんな誘惑に襲われたが、なんとか気合で乗り切る。
「終わったよ~」
物凄く疲れたが、なんとか耐えきった様だ。
振り返るとそこには全裸のアイリさんが…って訳では無く普通に服を着ていたので安心する。
「ビアンカとはどんな感じで一緒に寝たの?」
「えっと、俺の背中に引っ付く感じで一緒に寝たかな。」
「じゃあ、同じ様にしよっか? それとも前からの方が良い?」
「後ろでお願いします!!」
前から抱き着かれたら、いくらヘタレな俺だとしても、何もしない自信はない。
とりあえずベットの端に寄り、向こう側を向く。
「えい!」
そこにアイリさんが飛び込んで背中に引っ付いてきた。
ピッタリつっくいているので、もちろん背中にはアイリさんの柔らかい胸の感触がバッチリだ。
しかもビアンカさんとは違った女の子特融の甘い良い匂いがしている。
「ほら、ほら、ハル君の大好きなおっぱいだよ~」
アイリさんがぐりぐりとおっぱいを押し付けている。
「ちょ、ちょっとアイリさん、やめっ…」
案の定、俺の息子は親の意思に反した反抗期で、見事な成長を遂げてしまった。
そして、アイリさんの伸ばした手に捕まってしまう我が息子。あうっ…
「ねぇ…しないの?」
耳元でアイリさんがささやいてくる。
そして、やさしく我が息子を撫でる手が…やばい…あっ!
「…アイリさん、すいませんが、一度離れて貰えないでしょうか?」
「え、う、うん…」
俺はベットから出て、着替えることにする。
覚えて良かった生活魔法、洗濯機能は万能でした(3回目)
スカウトから賢者にジョブチェンジした俺は、再びベットに潜り込み寝ることにする。
ははっ、賢者とは常に冷静が売りの職業である。
俺は前向きにアイリさんを抱きしめる形で寝ることにする。
おやすみなさい…ぐぅ…
「え? ハル君顔近い、いきなりは心の準備がって、あれ? 寝ちゃうの?」
夢の中でアイリさんの声が聞えたが、そのまま意識が途切れたのだった…
なろうで規制に引っ掛かるのってどの程度までなんだろう?