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今日のナタリーさん 53


私はナタリー

冒険者ギルドの受付嬢である。


お昼ごろにクリストさんがやってきた。


「ナタリー嬢、この依頼の処理を頼む。」


「オークの討伐依頼ですね、畏まりました。

 特に問題は有りませんが、部位が一部だけでしたので、銀貨8枚になります。

 処理を行いますので、カードをお願いします。」


「あ、ああ。」


私はカードを受け取り、処理を行う。


「はい、カードをお返しします。

 ナタリーが承りました。

 次の方どうぞ~」


「な、なぁ、ナタリー嬢よ。」


「何でしょうか?」


「あ、いや、何だ、どうやら俺が何かしたみたいだ、謝らせてくれ、すまん!」


「クリスト様は何もしてませんよ? 謝る必要はありません。」


「だけど! いや、なんでもない…」


クリストさんはギルドから出て行った。

何か有ったのでしょうか?

そんなことを考えていると、声を掛けられた。


「ナタリー、ちょっと宜しいでしょうか?」


「エミリー、どうしたの?」


「クリスト様を、許してやってくれませんか?

 見ていて痛々しいです。」


「許すって何をでしょうか?

 私は、別に怒ってませんが?」


「受付としての対応は間違っていませんが、他の冒険者と比べると、あからさまに態度が違います。

 あれでは、冒険者としてのやる気も無くなってしまうでしょう。」


「別に変えているつもりは無いのですが…」


「無自覚ですか、これは少し厄介かもしれないですね。」


「?」


「いえ、ちょっと考えることが出来ましたので、また後で。」


そう言ってエミリーは仕事に戻って行った。


・・・・


夕刻に彼がギルドへやってきた、一緒に居るのは昨日登録したビアンカさん?

仲良さげにお話しをしています…何でしょう、もやもやしています。

彼女とはどういった関係なんでしょうか?

あ、彼女と目が合いました、何故か私のことをみてニヤリとしています。

もしかして髪が乱れて…ないみたいですね、何でしょうか?


彼の順番になりましたので対応します。

とりあえず、一緒に居る理由を聞いてみることにした。

どうやら森でオークに倒されそうだった所を、彼に救ってもらったらしいとのこと、やっぱり彼は凄いです。

そしたら、ビアンカさんが彼にぞっこんって、駄目駄目駄目ええぇぇぇぇ~~~!!

そ、そうです、彼に迷惑を掛けては駄目なんです、分かりましたね?


何か雲行きが怪しいので、処理をして誤魔化すことにします。

…ふぅ~何とかなりました、後は挨拶をすれば終了です。

すると、ビアンカさんが内緒話をしてきました。


「お主は、ハルが好きなんじゃな?

 嘘を言ってまで会いに来させるなんて、可愛い所が有るじゃないか。」


「な、な、な、何でそのことを!」


「何、受付は登録した人が行わなければならないなんぞ聞いた事ないしの。

 安心せい、ハルには言わんわ、それにあたいも、ハルのことを気に入っとる。

 同じ男を好いとる人を悪くは言わんよ。」


大変です、いつの間にかライバルが増えています、さすがは彼ですと言って良いんでしょうか?

でも、ビアンカさんは悪い人には見えません、きっと彼を助けてくる仲間になってくれるに違いないと思います。

とりあえず後でナンシーさんと、アイリには相談しておきましょう。


「じゃあの。」


そう言ってビアンカさんは彼の所に向かいます。

なので、私も言っておきます。


「負けませんよ?」


ビアンカさんはニヤリと笑うだけでした。

一緒に彼を支える人になってくれるのならば、心強い人になりそうです。

でも、負けませんからね?


私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日もまた頑張ろう。


何かクリストさんが可哀相になってきた…

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