ギルドにて
俺達は、無事にギルドまで戻ってきた
早速解体所に向かうことにする
解体所には誰も居なかったので、とりあえずオークを取り出し、テーブルの上に置く
そして奥に向かって声を掛けてみた
「すいませーん、誰か居ませんか?」
「ちょっと待ってくれ」
「はーい」
奥から声が聞えたので、待つことにする
数分ほどして、奥からヘンリーさんがやってきた
「おう、今日もオーク持ってきたのか、しかも2匹分ったぁずいぶん頑張ってるな」
「いえ、1匹はビアンカさんの分です」
「そうか、それでも1匹は狩ってくるんだ、たいしたもんだ、ほら、証明書だ」
「ありがとうございます、それでは行きますね」
「また来るときも解体してくれると助かるぞ」
「はははっ、期待に応えられるように、頑張ります」
そう言って、俺達は解体所を出た
「何じゃ、ハルは、ここの人と知り合いか」
「知り合いと言うか、解体講習で習ったからな、先生と生徒かな」
「だから、解体が綺麗だったのか、納得した」
「普通は戦闘の方ばかりにしか気を掛けない人が多いが、ハルは少し違うみたいじゃな」
「俺の場合は、解体すると、要らない部分が減っただけ軽くなるじゃん、そしたらいっぱい持ち帰れて、お金も一杯手に入れられるから解体することにしただけだぞ?」
「持ち帰るも何も、例のを使えば問題ないんじゃ?」
「あー、最初から持っていた訳じゃなかったからな、手に入れたのは最近だ、それに解体すると2割増しでの買取してくれるぞ?」
「何? そうなのか? 知らんかった」
「まー講習受けて無いと説明も無いのかもな、ちなみに、そのまま納品した場合は、解体代を引かれた金額だぞ?」
「ほぉ~勉強になるの、なら、あたいも余裕が有る場合は、解体することにしよう」
そんな話をしながら俺達は、ギルドの窓口に向かった
相変わらず混んでいるが、ナタリーさんの所に並ぶことにする
「ハルよ、こっちの列の方が早いぞ?」
「でも、理由も無く登録した受付嬢以外で対応すると、ギルドに迷惑が掛かるらしいぞ?
だったら、迷惑を掛けないように気を付けるのが、人として当たり前じゃね?」
「そうなのか? そんなことを説明されたことも、聞いたことも…ん? は~ん、なるほどな」
最初何か言っていたが、何とか納得してくれたみたいだ
最初説明が下手だったから、理解し難いのかと思ってしまって焦った
俺達の順番になったので報告することにする
「次の方どうぞ~」
「ナタリーさん、こんばんは。
討伐証明です、対応をお願いします」
「ハルさん、えっとビアンカさんでしたよね、こんばんは。
お二人は一緒に狩りに行っていたのですか?」
「いえ、たまたま森の中で出会いました」
「あたいがな、オークに襲われていてな、もうだめじゃと思っていた所に。ハルが颯爽と来て助けてくれたんだ」
「そうだったんですね、さすがはハルさんです」
「そうじゃろ? もうあたいの心は、ハルにぞっこんじゃ!」
「ダ、ダメです!! コホン…いえ、ハルさんに迷惑が掛かるじゃないですか、無理なこと言ったらダメですよ?」
「ビアンカさん、冗談でもそんなこと言わないでくれよ、どう対応して良いのか困ってしまう」
「別に冗談を言ったつもりは無いんじゃが…それに、ハルを気に入っているのも本当じゃぞ?」
「あーはいはい」
「信じてないの…」
「あ、えーっと、ハルさん、討伐依頼の方を進めたいと思うのですが、宜しいでしょうか?」
「あ、オーク1匹は、ビアンカさんの分になりますので、お願いします」
「畏まりました。ではビアンカさんは金貨2枚と銀貨1枚、銅貨6枚になります。
ハルさんは金貨2枚と銀貨2枚、銅貨8枚になります。
お確かめください」
俺達はお金を受け取り、問題が無いことを確認した
「はい、ありがとうございます」
「それでは、ナタリーが承りました。
又のご利用をお待ちしております」
「なぁ、ちょっと良いか?」
「はい、何でしょうか?」
「ちょっと耳を貸してくれ」
ビアンカさんが、ナタリーさんと内緒話をしている
ナタリーさんが少し慌てているみたいだが、何を話しているんだろうか?
そして、納得と言うか、良い笑顔をしたビアンカさんが戻ってきた
「待たせたの」
「いえ、何の話してたんですか?」
「いや、ちょっとギルドの規則の確認をしただけじゃ」
「ふ~ん?」
俺達はギルドを後にし、宿に帰ることにした
バレバレじゃよ(笑)