今日のナタリーさん 52
私はナタリー
冒険者ギルドの受付嬢である。
昨日は冒険楽しかったな。
仕事が終わってからのリリアの追求には参ったけれど、何が有ったかは、私の心の中に仕舞っておきます。
今日もお仕事頑張ろう。
お昼ごろに一人の女の子がギルドにやってきた、迷子だろうか…
私の所に来たので話を聞いてみることにする。
「こんにちは、どうしましたか?」
「あたいは、ボルタ村から来たビアンカって言うんじゃが、冒険者の登録しに来た。」
ボルタ村と言えば、鍛冶が盛んで、ドワーフが沢山居る村でしたね、と言うことは、この子はドワーフでしょうか?
ドワーフの女性は、確かに若く見られがちですが、この子は若すぎる気も…
「それではこちらに記入して受付まで持ってきてください。
文字が書けなければ、代筆も行いますが、必要でしょうか?」
「すまんが、代筆を頼む。」
「分かりました、名前はビアンカさんですね、出身はボルタ村、申し訳ありませんが、年齢を教えて下さい」
「19じゃ」
19歳!? てっきり11歳か12くらいかと…もしかすると、色々と苦労をしたのかもしれません。
「ありがとうございます。
後、特技は有りますでしょうか?」
「そうじゃな、斧、盾、後は鍛冶が少々出来るくらいじゃな。」
「斧術、盾術、鍛冶ですね。
それではギルドカードを発行してきます。
少々お待ちください。」
私はカードを発行する機械へ向かい、必要な情報を入力して起動させる、無事にカードが発行されたので、それを持って窓口に戻ります。
「こちらがビアンカさんのギルドカードになります。
こちらのカードにビアンカさんの情報を登録するため、血液を1滴カードへ垂らしてください。」
ふと、彼がカードを発行する時を思い出しました。
あの時から彼は変わった人だったな、ふふっ…
そんなことを思い出している内に、カードへの登録が終わったみたいです。
「これでカードの登録が終わりました。
次にカードの使い方と冒険者ギルドの説明を行いたいのですが、宜しいでしょうか?」
「宜しく頼む。」
私は規則の通り、一通りの説明を行いました。
「以上になりますが、何か質問は有りますでしょうか?」
「そうじゃなぁ、旨い酒と飯が食える宿が有れば教えて欲しい。」
美味しいご飯と、お酒と言えばあそこしか思いつきません。
ジェニファーさんの日さえクリアー出来ればお勧め出来ます。
それに彼も居ますしね♪
「それでしたら、『薔薇の宿屋』がお勧めですね。」
「そうか! ならそこを教えてくれ!」
「では、ここを出て大通りを右に行くと…」
私は道を教えてあげました。
「助かったぞ、これから色々と世話になる、宜しくな。」
「はい、こちこそ宜しくお願いします。
本日は、冒険者ギルドへの登録ありがとうございます。
私、ナタリーが対応させて頂きました。」
ビアンカさんは、ギルドから出て行きました。
何か可愛らしい人でした、そして、これから予感と言うか、何か縁がある様な気がしました…
・・・・
夕刻のピークが過ぎた辺りで彼がやってきました。
こちらに来てくれたので対応することにします。
どうやら今日は、マスターさんが大変なことになったらしく、宿の手伝いをしていたそうです。
大変なことになったけれど、元気とのことでしたが、意味はよく分かりませんでしたが、元気なら良かったです。
明日は狩りに行くとのことでした、私も一緒に行きたいなと思いましたが、昨日休んだばかりですので無理です。
あーあ、本格的に冒険者にでもなろうかな…そしたらずっと一緒に冒険に行けるのにな…
私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日もまた頑張ろう。
さすがは受付嬢だ