今日のナタリーさん 3
私はナタリー
冒険者ギルドの受付嬢である
今朝はあの冒険者はギルドには来なかったと思う
私の所に来なかったので、そうに違いない
忙しいため、周りを気にしている暇が無かったとは言え、確認しなかったのは私のミスだ
他の受付嬢が犠牲になったとは思いたくない、犠牲は私だけで充分だ
お昼を過ぎた時間に例の冒険者がギルドにやってきた
今はちょうど暇な時間のため、ほかの冒険者が誰も居ない
どこの窓口も選び放題にも関わらず、真っすぐこっちに来た、ちょっと嬉し…犠牲者は私だった
他の受付嬢が犠牲にならなくて良かった
ちょっと、あいさつは目を見てするものだ、そこは胸だ
だが、私は有能な受付嬢だ、あいさつはしっかり行うし、名前も完璧だ
決して何度も練習した訳ではない
彼から魔法について相談を受けた
魔法を使うには才能が必要である、彼は登録の際、スキルについて申請しなかったため不明だが、魔法関係のスキルを持っている風には見えなかった
そんなことを考えていたら悪寒がした…風邪かな?と思ったが今は説明が先だ後回しにする
とりあえず魔法スキルについて聞いてみることにした
どうやら彼はスキルを持っていなかった、一般的にスキルを持っていない人は魔法は使えないとされている
私は彼に残酷な報告をしなければならない、だが、噂程度の話になってしまうが稀に後天的に使えるようになる人もいる話を聞いたことがある
ぬか喜びになってしまうかもしれないが、それを教えることにした
スキル習得の方法を聞かれたが、私は魔法が使えない、なので教えることはできない、残念である
可能性の一つとして師事することを進めてみたら紹介出来ないか聞かれた
私が紹介出来る人となると…あの女性しか思い浮かばない、あの女は駄目だ、理由は言えないが駄目である
ならば彼には迷惑がかかってしまうが依頼形式にしよう、それがいい
彼女は金銭に余裕もあるため、この様な面倒な依頼は絶対受けない、と言うことで依頼を進めてみた
無事受付が終了し、彼は帰って行った
明日もきっと来るだろう、依頼が決まったのなら教えてあげないといけない
これは私が受けた依頼だ、ほかの人には任せられない
それにしても今日も私の胸を見る回数は多かった
1時間ほどの滞在だったにも拘らず100回近くは見ていたと思う
時間にすると約30秒に1回のペースだ、私がギルドに入って以来の新記録である
最近、それほど気にならなくなったのは慣れてしまったからだろうか?
私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日も頑張ろう
はい、デレ入りました~
それとも見られて○○する○○さん?(笑)