PT再び
朝目が覚めた、すがすがしい朝だ
こんな素晴らしい朝を迎えることが出来た今日は、きっと良い日になるに違いない
おはようございます
今日は、アイリさんと、ナタリーさんと狩りに行く予定だ
確か宿まで来てくれるんだったよな、ならさっさと朝食を食べて待つとしよう
「マスターはよ~、朝飯ぷり~ず」
「ほれ」
流石は早い、安い、旨いのマスターだ
どれ、今日の朝食は、真っ黒のトーストに、原型をとどめていないスクランブルエッグ? ぐっちゃぐっちゃのサラダだ
「え? 何だこれ?」
マスターに文句を言おうとそっちを見ると、ぐったりしているマスターが居た
「ちょ、マスター、どうした?」
「すまん、どうやら風邪を引いたみたいだ、悪いが今日は外で食ってくれないか?」
「それは構わないが、夜の酒とか、宿の管理とかはどうするんだ?」
「今日は夜は休みにする、幸いなことに、泊ってる客は坊主だけだ、悪いとは思うが、今夜はそのまま寝てくれ」
「大丈夫かよ、何か手伝うか?」
「さすがに、客に手伝ってもらう訳にはいかん、俺は寝るから、食器はそのままで良いぞ」
「そっか、お大事にな」
マスターがフラフラと食堂から出て行った、大丈夫かいな
マスターが女の子だったのなら、ここで看病フラグが立ったのだろうが、俺はノンケだ、その気が無いので諦めてくれ
まぁ、お見舞いに何か買っていくくらいはしても良いかもしれないがな
さて、朝飯が無いから外に食べに行く…いや、前に沢山作ってもらったんだっけ、こいつで済ませるか
えっと、アイテムボックスの中身…そーいや今何が入っているんだ?
下着:2、服:2、ズボン:2
鉄鉱石:7、謎の石:5、石:37、硝石:50kg
ヤモギ草:5、リンゴーン:10
HPポーション改:204、中級HPポーション改:20、精力剤:2、魔物避け:9
調合器材:1、薬剤レシピ本:1、薬剤レシピ読解眼鏡:1、
ポーション瓶(聖魔力水入り):67、ポーション瓶(空):1
生姜焼き:1、肉じゃが:1、サラダ:1、サンドウィッチ:100、おにぎり:100、から揚げ:200
オーク頭:1、オーク肝臓:1、オークモツ:5kg
松明:100、ランタン:10、その他ジェニファー食材色々
全部把握するには多すぎるな、特に食材、ジェニファーどんだけ集めたんだよ…
それにしても、俺が集めた物だけでも結構あるな、アイテムボックスが無ければ運べない量になってる
ほんと、アイテムボックスをくれたジェニファーには感謝だな
とりあえず、朝飯として、おにぎりとから揚げを1つづつ食べることにする
パクリ…うん、旨い!
前に食ったジェニファー弁当には劣るが、十分に旨かった
「ごっそーさん」
今晩は客には出さないみたいだが、氷は溶けるので、いつもの通りに作っておく
さて、準備も終わったことだし、後はゆっくりと、アイリさんとナタリーさんを待つとするか
・・・・
「ハル君、お待たせ~」
「ハルさん、おはようございます」
予定時間より少し前に、アイリさんとナタリーさんがやってきた
俺は周りを確認、とりあえず怪しい人、特に某人物が居ないことを確認する
どうやら居ないみたいだ、ふぅ…
「ハルさん、どうしましたか?」
「いえ、何でも無いです。
揃ったみたいですし、出発しましょうか」
「「はい」」
俺達は街を出て、草原までやってきた
「前回と同じになっちゃいますけれど、ここで良いですか?」
「いーよー」
「はい、ご迷惑をお掛けします」
「気にしない、気にしない、じゃあ早速探しますか」
俺は索敵を行うと、さっそく反応を見つけた
意外と近かったな、危ない所だった
「見つけました」
「え? もう?」
「えぇ、あちらの方向に反応が…あっ!」
俺が指をさした方向には、隠れ切れていないクリストさんが居た
本人、上手く隠れていると思っているんだろうな、草の高さに比べて、クリストさんの体は大きすぎた
「あれ、どうします?」
アイリさんと、ナタリーさんは揃ってブルブルブルと首を振っている
だけど、おそらく移動しても、付いてくるのではないだろうか?
「とりあえず移動してみますね」
俺達が移動すると、付かず離れずの距離で、クリストさんも付いてきた
「やっぱり付いてきてますね、どうしましょうか?」
「撒きましょう」
見えないところまで離れることが出来れば、索敵が無いクリストさんは追ってこられないだろうが、そこまで離れてくれるだろうか?
おそらくレベルもステータスも俺達より高いであろう、クリストさんを撒くのは難しいと思われる
どうすっかな、要は見え無くなれば良いんだけど…ん? 見えなく? 行けるか!?
「アイリさん、前に見せてもらった霧の魔法って出せます?」
「なるほどね~、その隙に逃げるんだね、良いよ~」
『我求めるは乳白色の霧、全てを覆いつくして隠せ、ミスト』
アイリさんが魔法を唱えると、辺り一面霧で見えなくなった
「アイリさん、ナタリーさん、こっち」
移動すると、クリストさんも移動した、しかもこっち向かって来ている、なんて勘のいい人だ
「こっちに来てますね、このままだと見つかる可能性が有ります…そうだ!」
俺は土×土×土×土で、直径4mのボーリングを行うと、1.6mほどの穴が空いた
「アイリさん、ナタリーさん、こっちに来て」
俺は穴に飛び込み、二人を呼ぶ
「え? こんな穴いつの間に?」
「説明は後で、早く」
3人で穴の中に入り、しゃがむと
「アイリさん、霧を解除って出来ますか?」
「解除は出来ないけど、吹き飛ばすなら出来るよ」
「それでお願いします」
「了解~」
『我求めるは暴風の嵐、すべてを吹き飛ばせ、トルネード』
すると竜巻が発生し、霧を吹き飛ばしたのだった
辺り一面が見渡せるようになり、クリストさんは、俺たちが見えなくなったことに気が付いた
しばらく探していたが、見つからなかったらしく、森の方へ向かっていった
「撒けたみたいですね、行ってしまいました」
「「やったー」」
二人とも大喜びです、ちょっと喜びすぎじゃないかな? クリストさんガンバレ(涙)
穴から出た俺たちは、穴を埋めた
「なるほど、生活魔法の穴掘りだったのね、でも大きすぎない?」
「土の複合魔法ですよ」
「へぇ~複合魔法って同系統でも合わせることが出来るんだ、それで威力が上がると、なるほどね~」
アイリさんは何か考え込んでいる
「さすがはハルさんです、凄いです!」
ナタリーさんはベタ褒めです、いやぁ~照れるな
「さて、遅くなりましたが、狩りをしましょうか」
「はい、お願いします」
「しかし、何処で今日の狩りがバレたんでしょうね?」
「「クリストさんだしなぁ(ねぇ)」」
アイリさんとハモった、きっと独自のルートが有ったんだろうと思う
気を取り直して、俺は索敵を行い、ホーンラビットを探すことにした
しまった、見失った!
まだ遠くに行ってないハズ、とりあえず森に行ってみるとするか…




