配達依頼再び
車を停めて、ドアを開けて外に出る
「亜紀ちゃん、待った?」
「遅そ~い、1分の遅刻だよ?
事故でも起こしたんじゃないかと心配したんだから!」
「ごめん、ごめん、でも遅刻と言っても1分だけじゃん」
「ひっどーい、どれだけ私が楽しみにしてたと思ってるの?
ハル君を待つ1分は、一日千秋の思いで待ってたのにぃ~」
「うん、俺が悪かった、後で美味しいスイーツでも奢るから許して下さい」
「やった~」
「じゃあ、お嬢様、お席にどうぞ」
俺は車のドアを開ける
「すまんのぉ~ 私がこんな体じゃ無かったら…ごほっごほっ」
「それは言わない約束でしょ~って違うわ!」
「あはははっ、ありがとね♪」
俺は運転席に乗り込み
ガバッ!
「出発進行~! ってあれ? 何だっけ?」
よく覚えて無いが、ゲーセンで新しく出た『電〇でGo!』をプレイしようとしていた気がする
男は、何歳になっても少年の心を忘れない物なのさ…ふっ
おはようございます
昨日で清掃依頼も終了したし、お金にも余裕が出来た
なので、今日は、休むほどでは無いが、少しゆっくりしてもバチは当たらないと思う
まずは優雅にブレックファーストでも行きますか
「やぁ、マスター君、素敵なブレックファーストを頼む」
「お、おう」
マスターが気持ち悪そうな目でこちらを見ている、失礼な
「ほれ」
今日の朝食は、パンにベーコンエッグ、ベイクドビーンズ、ポテトに紅茶だ
マスターはいつから米国から英国に鞍替えしたのだろうか?
まあいいや
----------------------------------
【ベイクドビーンズ】
品質:B
効果:HP回復+3
インケンマメをトゥメイトゥと香辛料を使たソースと一緒に煮込んだ物
----------------------------------
なんか陰険な感じにでもなるのだろうか?
----------------------------------
【紅茶】
品質:C
効果:精神安定
茶葉を熟成させたものを煎じたもの
----------------------------------
紅茶が有るってことは、緑茶も有るのかな?
日本人としては緑茶が恋しい…今度探してみよう
まずはベイクドビーンズをパクリ…うん、豆のトマト煮だ、味は普通だった
実際食ったことが無いから何とも言えないが、本場のイギリス料理はマズイって噂があったが、これはそんなことは無かったな
それに、とくに陰険になった感じにも成らなかったのは良かった(笑)
紅茶を飲んでみる…ずずっ
うん、普通、まぁ味が分かる人じゃないから何とも言えんが、可もなく不可もない味だな
ぱくぱく、むしゃむしゃ、ごくごく…
「ごっそーさん」
氷を作り、今日の予定をどうするかなんだが、思いつかないな
何か簡単な依頼でも無いかギルドにでも行ってみよう
・・・・
ゆっくりしてから来たので、ギルド内は空いてた
余裕を持って掲示板を確認する
さすがに良い依頼は残って無いな…お、前に受けた依頼と同じものがあるな
----------------------------------
【荷物の配達】
目的 :荷物10個を目的地まで運搬する
期限 :1日
成功報酬:(銀貨1枚)
依頼失敗:配達失敗、荷物の破損、荷物の紛失
----------------------------------
前は何度も往復したり、重い荷物を持ったりして大変だったが、今ならアイテムボックスが有るし、楽な依頼ではなかろうか?
受けてみることにする、依頼表を持ってナタリーさんの所に並ぶ
「次の方どうぞ~」
「ナタリーさん、こんにちは。
この依頼を受けたいんですが」
「ハルさん、こんにちは。今日はゆっくりだったんですね」
「ええ、昨日依頼が終わったので、すこしのんびりしてました」
「でも、また依頼を受けるんですよね、頑張ってますね♪
えっと、依頼は、ホワイトキャット急便の配達依頼ですね、荷物を街中の指定場所に配達するお仕事になります。大丈夫ですか?」
「はい、前にも同じ依頼受けてますし、大丈夫です」
「あれ? ハルさんはこの依頼受けて…そうでした、エミリーの所で受付したんでしたね」
うぉっ、ツンツンナタリーさん久しぶりです
「あの時は、別の窓口で対応したら駄目って知らなかったから、すいませんでした」
「あっ!」
「えっ?」
「あ、いえ、何でも有りません。
そ、それでは受付しちゃいますね、カードの提示をお願いします」
俺が、カードを出すと、直ぐに処理をしてくれた
「はい、受付完了しました、カードをお返しします。
それでは、ナタリーが受付しました。
ハルさん、頑張ってくださいね」
「はい、行ってきます」
俺はギルドを出て、ホワイトキャット急便に向かうことにした
アイテムボックスばんざーい(笑)




