清掃依頼終了
「あれ? ナンシーちゃん冒険者になったの?」
「そうですよ~ これでハルさんと一緒に冒険出来るようになりましたね~」
「それで、ナタリーさんが給仕を?」
「ハルさん、この服似合いますか?」
胸の部分が強調された制服がGOODです
「アイリさん、受付嬢、大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫、お姉さんに任せなさいって♪」
アイリさんの性格的に、受付嬢は合わない気がするんだが、大丈夫なんだろうか…
ガバッ!
「心配だ~ってあれ? 何だっけ?」
よく覚えていないと言うか、本当に覚えてない、何が有ったんだろう?
ただ、何か物凄い違和感を感じているんだが…はて?
おはようございます
今日で下水道の清掃作業が終わる予定だ
何? 話が飛んでないかって? 聞きたいのか? 聞きたいのなら話すが…
毎日、起きてから朝食食べて、下水道掃除して、帰って夕食食べて、寝るだけの詳細が知りたいなら話すが、つまらんと思うぞ?
まぁ、昨日はジェニファーの日だったが、相変わらずだったし、たまには飛ばしても良いだろう
と言う訳で最終日だ、頑張るとしよう
「マスターはよ~、飯ぷり~ず」
「何だ、機嫌が良さそうじゃないか、何か有ったか?」
「そりゃあ、今日で下水道の清掃が終わるからな、気分も良くなるさ」
「なるほどな、じゃあ座って待ってろ」
席に着き、朝食を待つことにする
「ほらよ」
マスターが持ってきたのは、カレーに、サラダとミルクだ、またカレーもどきか?
しかも、う〇こがある下水道清掃する人にカレーってイジメじゃなかろうか…まあ、食うけどね
ぱくり…!? こいつはカレーだ!! 旨い!!
「マスターどうしたんだ? ちゃんとカレーになったぞ?」
「ああ、坊主に渡して確認してもらおうと思ってた、食材リストを、机の上に置き忘れたのを、ヤツが見て書いてくれたんだ」
「そーいや、そんなことを言ってたな、忘れてたけど、まぁ、良かったじゃん、これでレシピを作るのに困らないんだろ?」
「そうだな、楽しみにしててくれ」
「期待してるぞ」
さてと、飯も食ったし、氷を作って、最後のお務めと行きますか
・・・・
いつもの事務所に向かい、おそらく今日で終わることを報告してから、着替えて、下水道に降りた
「それじゃ、高圧洗浄!」
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
「うははははっ」
何回やっても、この作業は楽しいし、綺麗になるのを見るのは気分も良い、最高だ
臭いや汚いのさえ我慢すれば、依頼料も高いし、実際、良い仕事だと思う
今回の依頼が終わっても、まだ8kmも有るし、まだまだ稼ぐことも出来るだろう
しばらく清掃をしていて、ふと思いついたことがある
俺は魔法を使う時、何となく右手の人差し指に対して魔力を意識して、魔法を使っている、気分はフ〇ーザ様だ
今回の高圧洗浄とかは、一度発動した後は、特に魔力に関して意識をしていない
40代を過ぎた後くらいから、たまにだがトイレで用を済ませ。終わったと思ったにも関わらず、まだ勝手にちょろちょろ出てくる、あの感じに似ている(汗)
なら、一度発動させた後に、例えば左手で同じことをするとどうなるんだろうか?
折角なので、試してみることにする
左手の人差し指に対して魔力を意識させてと
「高圧洗浄!」
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
「おぉ! 同時に出た! 正確には時間差だが」
今回は試しだったので、水だけだったので直ぐに終わったが、右手はまだ水が出っぱなしだ
今度は左手の人差し指と、中指に対して魔力を意識する
「高圧洗浄!」
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
「成功だ、同時発動も可能と」
水は直ぐに止まったので次の実験だ
左手の人差し指はウォーターカッターを意識し、中指は風を1mmの穴を通す様に意識する
予想通りに行けば、面白いことになるかもしれない、行け!
少し意識するのが難しかったが、見事発動することが出来た
指をくっつけると、エアブラシみたいな霧が噴射され、指を離すと、ウオーターカッターと強風と別々の魔法になった
とりあえず、この魔法を『霧吹き』と命名しておく
試しに高圧洗浄と、1mmの風で行った場合は、細くなった水と霧が出た、水の量が強かったみたいだ
ただ、最初から水×風にしてしまうと、『水やり』にしかならなかった、どうやら飛ばす際の太さは水の量の調節だけみたいだ
他にも水、風、火を別々に発動させようと思ったが、さすがに3箇所を別々の種類だと頭が混乱してしまうらしく、発動しなかったのは残念だ
でも、練習次第では行ける様になるのかもしれない、暇を見て練習はしておくことにする
ただ、同じ魔法なら、それほど難しくは無く、5本の指全部を高圧洗浄なら、問題なく発動した…気分はジ〇ングの手だ
色々試して分かったのは、魔法発動には、手の指先ならどの指でも発動が可能、腕は、手がグーでもパーでも可、でも、足の指は無理だったが、足先は出来た
頭とか膝、肘、体とかからの発動は出来なかった
今の所、有効に使う方法は思い付かないが、役に立つ技術だろうと思う
魔法の実験に集中していたおかげで、清掃が疎かになってしまった、このままでは今日中に終わらなくなってしまう
丁度右手の高圧洗浄が終わったので、両手の同時発動でちゃっちゃとやるかと思ったら魔力がもう無い…
仕方が無いので聖魔力水を1本だけ飲むことにする
「ダブル高圧洗浄!」
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
「ふははははっ、楽しい~」
倍の速度で気持ちよく清掃したおかげで、何とか無事に1kmを終わらせることが出来た
事務所に戻り、終了の報告をすることにする
「すいません~、作業が終わりましたので確認をお願いします」
「ハルさん、お疲れ様でした、流石ですね。
それでは、確認しましょうか」
俺は男性と共に、一緒に下水道へ向かう
「あれ? この辺は少しだけ汚れていたハズだったような…」
「ここは大した汚れじゃなかったのと、手間も掛からなかったため、サービスで落としておきました」
「ありがとうございます。本当に助かります。
追加で依頼料を出せないのが申し訳ないのですが…」
「いえ、ここは好意でやっただけですし、良いですよ。
それより、本来の依頼の確認に向かいましょう」
「そうですね、行きましょうか」
・・・・
「はい、依頼の確認が出来ました。
本当に感謝の言葉しか有りません、ありがとうございました」
「お役に立てて幸いです」
「それでは、事務所に戻って手続きをしましょう」
俺たちは事務所に移動し、依頼完了の手続きを済ませた
「これで依頼は終了です、ハル様、お疲れ様でした。
また、機会が有れば手伝って頂けると助かります」
「はい、時間が有ればですが、またやらせて頂きます」
俺は事務所を後にした
体を洗い、匂いも消えたと思われるので、ギルドに報告しに行くことにした
何かに応用出来ないかな?