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今日のナタリーさん 44


私はナタリー

冒険者ギルドの受付嬢だ、でも、今日は冒険者だ


用意しておいた、冒険者用の動きやすい皮の服を装着し、メイスを装備

まさか私が、こんな格好をすることになるとは思わなかったな

ぱっとみ冒険者に見えるかな? 似合うと言ってくれるかな?

準備も済んだので、少し時間が早いが出発することにする


冒険者ギルドに到着した、今日は私は冒険者だ

気分が違うからか、見慣れた景色のハズなのに、新鮮に感じます

ここは冒険者らしく、依頼表を確認してみましょう


・・・・


無理、私には無理です、あの人混みに入るのは無理でした

みなさん凄いんだな~と思った

他の冒険者さんをぼ~っと見ていたら


「ナタリー、随分早かったね、待った?」


アイリが声を掛けてきた、すると冒険者達が、ちらりとこちらを見て、そしてそのまま止まった…

あ、そうか、いつもの受付嬢の恰好では無く、冒険者の恰好だったから珍しかったんでしょう

すると後ろから近づき、声を掛けてきた人がいた


「ナタリー嬢、その恰好は?」


「あ、クリストさん、おはようございます。

 実は、今日はちょっと冒険者に挑戦なんですよ」


「冒険者ってのは危険な仕事だ、辞めといた方が良い」


「私が居るから大丈夫よ」


「大丈夫って、アイリ嬢は後衛だろ? 万が一近づかれたら危ないだろうが」


「ハル君が居るから大丈夫」


「ハルって、あの坊主だろ?

 あいつも初心者だろうが、危ないって。

 そうだ、なら、俺が付いて行ってやろう」


「いえ、クリストさんの迷惑になりますから…」


「偶然にも、今日はヒマだったんだ、問題ない」


「ちょっと、冒険者ってのは自己責任でしょ?

 私達には必要ないって言ってるの!」


「なぁ、ナタリー嬢、俺は心配なんだ、良いだろ?」


「ちょっと、こっちを無視するなー!」


「あ、えっと、アイリ、どうすれば良いの?」


「断って!」


「クリストさん、今日はアイリとハルさんと行動する予定なので、申し訳ありませんが…」


「なぁ、ダメか?」


「あ、いえ、今申し訳ありませんと」


「ダメか?」


「だ、だから」


「ダメか?」


「アイリ~」


「ダメか?」


色々と押し問答を繰り返したが、クリストさんは諦めてくれなかったため、今日は一緒に行くことになってしまった

行くことが決まり、ご機嫌なクリストさんに対し、アイリは目が死んでいた…


時間になり彼がやってくると、すかさずクリストさんが声を掛けます

何も知らない彼からすると、単なる挨拶にしか聞こえませんから、お互い頑張ろうの言葉を言ってしまった

あーあ、これはもう断れないパターンですね…実際その通りになってしまいました(がっくり)

仕方が無いので、彼に説明しました


彼は、私が冒険者になったことにビックリしていました

そのことを言ったら、何故か納得したみたいです…何で?

ゴタゴタが有りましたが、とりあえず出発することになりました

私が初心者だったため、場所は草原になりました、お世話をかけます


草原に着き、私がホーンラビットを狩ることになりました

彼も手伝ってくれるとのこと、やる気もアップ、頑張ります!


少しすると、彼が見つけたみたいです

指をさす方を見ても何も居ません、何処に居るんでしょうか?

彼が順を追って戦い方を教えてくれました

それなら私でも、何とか倒せそうです


彼が石を投げて、誘い出します

私は気合を入れて、待ち構えます

すると、クリストさんが目にもとまらぬ速さで、ホーンラビットを倒してしまいました…あれ?

心配してくれているクリストさんですが、私は何もしても居ないし、されても居ません

それに、そのホーンラビットは、私の獲物じゃ…


解体をすることになりましたが、彼が聞いてきましたが、私はやったことが無いので出来ないことを伝えると、彼がやってくれるとのことです

確か彼は、解体講習を受けていましたね、あっという間に解体しちゃいました、凄いです

つい、窓口に持ってきてくれた時のことを自慢しちゃいました


彼は索敵を行いつつも、薬草を摘んでいます

私も、足元のを言われて気が付きました、全然分かりませんでした

こうもあっさりと見つけてしまうのは凄いです

そう言えば、初めの頃は、沢山の薬草を摘んできてましたね、ふふっ


その後も何度かホーンラビットを見つけてましたが、全部クリストさんが倒してしまいました

何回も注意しましたが、何処吹く風といった感じです

彼も、アイリも、もちろん私も諦めました


日も暮れ、帰ることになりました

今日は私のせいで、こんなことになってしまったので、謝りましたが、彼は気にしてないそうです

そして、私の耳元で、今度は待ち合わせ場所を変えることを言ってくれました、また一緒に行ってくれるんですね、嬉しいです


街に到着し、配分について相談されましたが、何もしていないことに対し、報酬を貰うのは気が引けますので断りました

アイリも断り、一番頑張っていたハズの彼も断っちゃいました、もしかして私が断ったからだろうか?

それに比べて、クリストさんは文句を言いながらも全部持って行ってしまいました

呆れて物が言えなくなりました

別に報酬が無いことに対しては文句ないのですが、勝手についてきて、かき回して、報酬を全部持って行ってしまうクリストさんを見て、私の中の評価は最低になりました。

でも、もしかすると、冒険者ってこんな感じなのかもしれません…


パーティを解散した私達は、各々家に帰ることになりました

私も帰ろうかと思ったら、アイリが声を掛けてきた


「ナタリー、ちょっと飲みに行かない? このままじゃイラついて寝れないし」


「そうだね、私もちょっと思う所が有るし、いいよ」


「決まりね! じゃあ行こっか」


着いた場所は『薔薇の宿屋』だ、アイリを見ると、当然みたいな顔をしている


「ここしかないでしょ」


「あははっ、そうですね」


彼が居るここが、私達の行きたい場所だ、当然ですね

中に入ると、彼が居たのでアイリが声を掛けた

彼の了解も得られたので、一緒に飲むことになりました

ナンシーさんが参加出来ないのは、お仕事中ですから仕方ありませんが、残念です


色々な話で盛り上がり、楽しい時間を過ごすことが出来ました

御蔭で、イライラした気分も無くなり、すっかりと気持ちいい気分になりました

彼と別れ、家に帰り、明日のためにも寝ることにします


私は受付嬢、冒険者また今度ギルドの顔だ、明日もまた頑張ろう


クリスト「わたくしも つれていってくださいますね?」

>いいえ

クリスト「そんな、ひどい…」

クリスト「わたくしも つれていってくださいますね?」

>いいえ

クリスト「そんな、ひどい…」

(以下ループ)

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