打ち上げ
宿に着いた俺は、先に氷を作り、それから食堂へ向う
「ナンシーちゃん、夕食ぷり~ず、そしてエールもよろ~」
「は~い、ただいまお持ちしますね~」
ナンシーちゃんの元気な声が癒される…
何か色んな意味で、今日は疲れたし、飲まなきゃやってられない
「ここ空いているなら、ご一緒しても良いかしら?」
「あ、はい、大丈夫…ってアイリさん? それにナタリーさんも」
「やほ~ ハル君、さっきぶり♪」
「ハルさん、こんばんは」
「もう、飲まなきゃやってられないって感じだったので、ナタリー誘って来ちゃいました」
「わかります。俺も飲まなきゃやってられないって、今エールを頼んだとこでした」
丁度良いタイミングで、ナンシーちゃんが夕食とエールを持ってきた
「お待たせしました~、本日のナンシーちゃん特別ディナーと、エールです♪」
「待ってました、あ、アイリさんとナタリーさんは注文どうします?」
「ここの夕食って、私たちも頼める?」
「大丈夫ですよ~」
「じゃあ、私は夕食とエールを、ナタリーは?」
「私も同じものでお願いします」
「はいは~い、夕食と、エールが2人前ですね、少々お待ちください~」
折角だ、二人のエールが届くまでは俺も待つことにする
「あ、ハルさん、先に飲んでても良いですよ?」
「いや、みんなで乾杯した方が美味しいじゃんか、待ってるよ」
「さっすが、ハル君、良いこと言う~」
「お待たせしました~、夕食とエールをお持ちしました~」
「私たちのは、特別ディナーじゃないの?」
「何言っているんですか? 特別なのはハルさんだけに決まってるじゃないですか~」
「なるほど、わかるわかる」
「いや、納得している所悪いんだが、ナンシーちゃんも、別に特別にしなくても大丈夫だよ?」
正直に言えば、自分の好きな量のソースで食べたい…多分言ったらダメなヤツなので言わんけど
「えー! ダメでしたか?」
「あ、いや、ダメって訳じゃないんだけど、えっと、ほら、ナンシーちゃん忙しいから大変かな~と」
「ダメなんですね…」
「次からも、是非とも宜しくお願いします!」
「任されました♪ それではごゆっくり~」
ナンシーちゃんは他の給仕に戻って行った
「じゃあ、ナタリーさんの初冒険の成功(?)を祝って、乾杯~」
「「乾杯~」」
ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ…ぷはぁ~
「ハルさんって、美味しそうに飲みますね」
「不味そうな顔で飲もうか?」
「もぉ~ハルさんったら」
「それにしても今日はお疲れ様でした。
初冒険者はどうでしたか?」
「そうですねぇ、私は冒険をしたのでしょうか? ってのがありますが、1日ハルさんと一緒に居られたので、楽しかったですよ?
まぁ、クリストさんには少し困りましたけどね」
「あれは確かに…でも、楽しんでくれたのなら幸いです。
ただ、冒険者は楽しいだけでは済まないことも有ると思います」
「そうだよ~、ゴブリンもそうだけど、オークなんか凄いから、ビックリすると思うよ?」
「どうビックリするの?」
「説明するのはちょっと嫌かも、会えば分かるよ~」
確かに、俺の場合は食料としての獲物の目だったが、アイリさんと一緒に居た時のアレはヤバかったな
女性の敵だと言われるだけは有るな、うん
「女性の敵ってのは知ってるし、ある程度の想像は出来るけど、そんなになんだ…」
「俺はまだ、オークの対処が出来ないから、アイリさんと一緒ならまだしも、出来れば、オークは少し待ってくれると助かるかも」
「あ、無理に行きたいと思ってる訳じゃないです。
安全第一なんですよね?」
「そうだね、安全第一だよね」
「ねーねー、ハル君、私はオーク狩りに連れて行かれても大丈夫なの? 守ってくれないの?」
「何言ってるんですか? 俺をオーク狩りに連れて行ったのはアイリさんじゃないですか」
「ぶーぶー」
「でも、その時は頑張って守りますよ」
「えへへ~、それでこそハル君だぁ~」
それからは、和気あいあいと会話を楽しみながら飲んで食べたりした
でも、楽しい時間はあっという間だ、お開きとなった
「それじゃ、ハル君、また連絡するから、まったね~」
「ハルさん、お疲れ様でした」
「二人とも気を付けてな、おやすみ」
「「おやすみなさ~い」」
二人を見送った俺は、部屋に戻った
今日は、クリストさんの困ったちゃんの対応で大変だったけど、それでもPTとして活動するのは楽しかったな
もっと安心して冒険出来るようになるためにも、俺が頑張ってレベル上げるべきだろうな
「明日から頑張る」
なんか、ニートの宣言っぽくなってしまったが、真面目に頑張ろうと思う
おやすみなさい…ぐぅ
主人公が、どうやってオークを倒せるか考えないとな…




