初パーティ
目が覚めた、もしかしたらと思い、外を見ると朝だった
また目が覚めなかったらしいが、寝過ごさなかったみたいなので良しとする
今日は、アイリさんと初パーティだ、何かパーティと言うとお祝いでもするような気がするので、今後はPTと呼ぶことにする
さて、朝飯を食べに行くとしよう
扉を開けると、マスターが居た
「うぉう、ビックリしたな、なんだ、起きてたのか」
そーいや寝過ごした場合を考えて、マスターにお願いしてたんだっけ
「いや、手間掛けて悪かった、おかげで助かったよ」
「そうか、朝飯は出来てる、さっさと食えよ」
「へ~い」
俺は先に氷を作ってから、朝食を食べることにした
今日の朝飯は、野菜ハムサンドに、目玉焼き、リンゴーンのジュースだ
久々にこれ食うな、確かマスターがドMだったんだっけな(笑)
ぱくぱく、もぐもぐ、ごくごく…
「ごっそーさん」
よし、今日は頑張って、アイリさんに良い所を見せないとな
俺はギルドに向けて出発した
・・・・
ギルドに到着した所でクリストさんに声を掛けられた
「よぉ、坊主、今日は良い天気だな」
「クリストさん、ちーっす」
「おう、今日は頑張ろうな」
「はい、お互い頑張りましょう」
「いや~坊主が了解してくれて良かったぜ」
「はい? 了解? 何をですか?」
「何って、狩りだよ、狩り」
「え? 狩りを了解? 俺がクリストさんに? え? 意味が良く分らないんですが」
「今、頑張りましょうって言ってくれたじゃないか、がはははっ」
「えっと、ハルさん、私から説明します…」
俺が混乱していると、後ろから声を掛けられたので振り向くと、アイリさんと、ナタリーさんが居た
アイリさんは何故か遠い目をしていて、ナタリーさんは申し訳なさそうな顔をしている
それに、いつもの制服とは違って動きやすい恰好と言うよりは冒険者みたいな恰好だ、物凄く似合っている
「クリストさんが狩りに行くことになったのは、私が原因なんです」
「ナタリーさんが? 何でまた」
「実は、私、アイリに、今日の狩に一緒に行くことをお願いしてたんです」
「え? 何で? あれ? あ、でも、ナタリーさんは受付は?」
「今日はお休みを貰いました、それにコレ…」
ナタリーさんが何かを出した、どこかで見たことが有るような…って冒険者カード?
「あれ? ナタリーさんって冒険者だったの?」
「ええ、最近取得しました」
そうだったんだ、知らんかったな
「それで、私がこんな格好してるのを、クリストさんが見て声を掛けてきて、初心者なんだから俺が付いて行ってやるって」
あ、なんとなく読めてきたな、ナタリーファンクラブ団長のクリストさんだ、色々理由を付けてでも、付いて来たいんだろうな
「ベテランが必要なら、アイリさんも居るんじゃ?」
「前衛が居た方が安心だからだってさ、私じゃダメなんだってさ、呆れちゃうわね」
アイリさんが少し怒っているみたいだ、当然か
「これって、一緒に行く以外無いんですよね?」
クリストさんに聞こえない様に、こっそりとアイリさんに相談してみる
「無理でしょうね、あの人、ナタリーのファンクラブに入ってるし」
「あ、ファンクラブの存在知ってたんですね」
「冒険者間では有名な話よ? 何でナタリーが知らないのかが不思議なんだけど…
でも、知ってるハル君は、ナタリーのファンクラブに入っているのかな? かな?」
背筋に悪寒が走った俺は、ブンブンブンと首を振って否定した
「クリストさんに入団を迫られましたが、入ってません」
「ふ~ん」
「と、とりあえず、そろそろ行きませんか?」
「そうね、それでハル君何処に行くの?」
「アイリさんとなら森でも大丈夫でしょうが、ナタリーさんが居るのなら、草原が無難じゃないでしょうか?」
「そうだね、初心者だし、そうしよっか」
「と、言う訳で、本日は草原でホーンラビットの討伐と、薬草集めになりましたが、いかがでしょうか?」
「おう、俺は何処でも良いぞ」
「私は、良く分らないので、お任せします」
俺たちPTは草原に向かって出発することになった
保護者付きになりました