今日のナタリーさん 42
私はナタリー
冒険者ギルドの受付嬢である
昨日は楽しかったな
また機会を作って集まって飲むのも良いかもしれない
さて、今日もお仕事頑張ろう
朝のピーク時も過ぎ、余裕が出た辺りで、彼がギルドにやってきた
こんな時間に来るなんて珍しいなと思ったが、余裕が有る時間なので、ゆっくり対応できるので嬉しかったりもする
彼の番だ、どうやら今日は相談が有るそうです
とりあえず聞いてみることにする
ホブゴブリンですか? 全く出無いとは言いませんが、ここの街近くの森に出るのは確かに珍しいです
上位固体が出るってことは、ゴブリンが大量発生している可能性も捨てられません
なので、一度ギルドマスターに相談してみることにします
彼とは、ゆっくりとお話ししたかったのですが、優先順位を忘れてはいけません
泣く泣く話を切り上げることにし、彼と別れた私は、ギルドマスターの部屋に向かいます
コンコン
「どうぞ」
「失礼します」
「ナタリーか、珍しいな、何か有ったか?」
「本日、冒険者より、森にホブゴブリンが現れたとの情報を頂きました。
如何いたしましょうか?」
「今の所、目撃情報は1件だけか?」
「はい」
「そうか…ナタリー、モブに指名依頼だ、件名は森の調査だ」
「わかりました、直ぐに手配致します」
私はすぐに手続きを行い、モブさんの呼出しを依頼した
・・・・
お昼ごろ、モブさんがギルドにやってきた
「ナタリーさん、俺に指名依頼が有るって聞いたんだけど?」
「モブさん、こんにちは。
実は、森にホブゴブリンが出たとの情報が入りました。
モブさんには、森の調査をギルドマスターより指名依頼が出ています」
「それって、もしかして大繁殖の前触れですかい?」
「まだ分かりません、それを踏まえた調査をお願いします」
「分かった、ベテランスカウトでも有る俺様にまかせときな」
「気を付けて行ってきてください」
「おうよ」
そう言ってモブさんは調査に出かけて行った
・・・・
夕刻になり、モブさんが戻ってきた
え? もう調査が終わったの? それとも何か他の問題でも起こったのだろうか?
「おう、終わったぜ」
「モブさん、お帰りなさい、随分早かったんですね。
森はどうでしたか?」
「まー俺に掛かればこんなもんよ、で、報告は、ギルドマスターにしたいんだが良いか?」
「わかりました、こちらへどうぞ」
私は、モブさんをギルドマスターの部屋に案内した
「それで、森の状況はどうだ?」
「へい、説明するのは良いんですが…」
モブさんは、ちらりと私を見た
もしかして私に聞かれるとマズイのでしょうか?
でも、ギルド職員として知っておかなければ、他の冒険者に説明することも出来ません
「いえ、冒険者に説明しなければいけませんし、聞かせて下さい」
「いいんすか?」
「そうだな、ナタリーも聞く権利は有るな、話してくれ」
「じゃあ話します」
モブさんの説明では、ホブゴブリンは確かに森に居たとのこと
ただ、雄のゴブリン同士で、ち、ちち、乳繰り合っていたと
見苦しさと、余りにも隙だらけだったので、つい退治してしまったとのこと
そしたら、静かだった森が元に戻ったらしいです
おそらく、ゴブリンが現れなかった原因は、その(ピー)ホブゴブリンから逃げていたのでは? ってのがモブさんの見解でした
聞かなきゃ良かった…
「そ、そうか、一応は解決したみたいだな」
「どうします? もう少し様子を見に森へ行くのは、やぶさかでも無いですが…」
「すまんが、あと1日だけ調査を頼む」
「へい、わかりやした」
「ナタリーは話を大きくする必要は無いと思うが、一応ホブゴブリンが現れたが討伐された。
それ以降に問題は発生していないが、各自注意することを周知させろ」
「わかりました」
こうしてホブゴブリン騒動は解決したのだった
彼に会ったら何て説明すれば良いんだろう…
私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日もまた頑張ろう
ショーボン神様のお告げは正しかった…