今日のナタリーさん 41
私はナタリー
冒険者ギルドの受付嬢である
朝、ナンシーさんがギルドにやってきた
「ナタリーさん、今日の夜とかって空いてる?」
「え、ええ、大丈夫です」
「そ、良かった。
後、アイリさんとかにも連絡が取れるなら、3人で集まりたいと思うんだけど、どうかな?」
「アイリなら、多分、朝に会うと思うから、伝えることは可能だと思うけれど、来られるかは分からないですよ?」
「その時は、ナンシーさんだけでも良いかな。
今日私は仕事休みだから、時間はお任せするね」
リリアとエミリーに確認する
「今は落ち着いてるし、夕刻のピークを過ぎたら良いんじゃない?」
「そうですね、特に問題無いと思います」
「うん、ありがとう、そうするね」
「ナンシーさん、7の時間で宜しいでしょうか?
アイリにも時間が合えば、その時間を伝えておきます」
「おっけー、じゃあその時間に、居酒屋『悪の秘密結社』に集合で良い?」
「分かりました」
用件の済んだナンシーさんは、帰って行きました
さてと、朝の仕事を頑張りますか
・・・・
朝は見かけなかったが、お昼頃にアイリがやってきた
「は~い、元気してる?」
「もう、見れば分かるじゃない、元気よ。
そうだ、アイリ、今日の夜時間空いてる?」
「ナタリーから誘ってくれるなんて珍しいじゃない、空いてるけど?」
「ナンシーさんが、集まって話がしたいみたい」
「なるほどね、ん、了解~ で、どうすれば良いの?」
「7の時間に、居酒屋『悪の秘密結社』に集合だって、私も仕事を早めに切り上げて向かう予定」
「じゃあ、私もその時間に行くね」
ひらひらと手を振って、アイリはギルドを後にした
無事にアイリと連絡が取れてホッとした
後は私が仕事で遅れないように頑張らなくっちゃ
・・・・
夕刻のピーク少し前に彼がやってきた
彼は今日もゴブリンの討伐だった、問題なく対応を行う
ふと、昨日冒険者になったことを彼に伝えようかと思った
まだ言う決心がつかなかったってことも有ったが、いたずら心と言うか、驚かせようと思ったので内緒にしようと思い、誤魔化すことにした
彼はお預けを食らったような顔をしていたが、まだ内緒なので心の中で謝っておく
用事も済んだので、彼はギルドから帰って行った
もう少し話をしたかったな…
・・・・
仕事が終わり、約束した店に向かうことにする
時間ピッタリに到着すると、店前にアイリとナンシーさんが待っていた
「さすが、ナタリーだね、時間ピッタリ」
「待たせるのも悪いですからね、入りましょう」
ギイィィ~~
ここのお店の扉は古い洋館を模していて開けると音がします
「イー!(いらっしゃいませ)
イイー!(お席に案内致します)」
店員に案内され、個室へと向かう
ここは内緒話とかするにはぴったりのお店なので、そういった客が多いので有名である
3人とも席に着いたので、とりあえず注文しておく
「何を飲みますか~?」
「ん~ここはエールは普通のだったよね? じゃあハッチミツ酒で」
「あ、私もそれでお願いします」
「構成員よ、ハッチミツ酒を3個と、軽く摘めるものを持ってくるのだ! 行け!」
「イー!イー!(ご注文受け溜まりました、少々お待ちください)」
ナンシーさんノリノリです
まぁ、このお店はこういうノリのお店だから、合ってるんですけどね
私は恥ずかしいのでちょっと…
「イー!(お待たせしました、ご注文の品です)」
「じゃあ、まずは乾杯しましょ~」
私達はグラスを受け取り、乾杯をする
「さて、今日集まって頂いたのは、ハルさんの件についてです。
全員、一通りハルさんから話って聞いたんですよね?」
ナンシーさんが話を切り出した、まぁ、このメンバーが集まるのはハルさんの件以外ではありえませんから当然ですね
私とアイリはコクリと頷いた
「ハルさんの話を聞いて、どう思いました?」
「同じ女性として在り得ないし、許せない」
私も同意見なので頷いておく
「私もそう思いました。
だから、ハルさんを裏切らずに支えれば、きっと心を開いてくれると思うんです。
どうでしょうか?」
「私のハル君に対して行った経験からすると、グイグイ行き過ぎると遠慮するよね。
最初は凄く嬉しそうなのに、ある一定の所を過ぎると遠慮すると言うか、逃げる感じかな?
多分、例の被害が原因だと思うんだけど」
「あーハルさんってそういう所りますね~」
え? アイリってそんなことしてたの? ナンシーさんも? 二人ともずるい…
とりあえず、ハルさんが落ち着くまでは、ほどほどのアタックでと言うことが決まった
それからはハルさんの話で盛り上がりました
そうそう、忘れるところでした、アイリに相談が有ったんだった
「アイリ、ちょっと相談」
「どうしたの?」
「これ見て」
私は冒険者カードを提示した
「え? ナタリー冒険者になるの? この前言ったの本気にしたの!?」
「だって、アイリばっかりズルイんだもん、私だって一緒に行きたいと思ったし、それにこれ」
私はステータスを表示させて、アイリに見せた
「こら、ギルド職員がステータスの重要性を知らない訳じゃないでしょーが、何見せてるのよ…って聖魔法!?」
「これなら、ハルさんがケガしても癒してあげられるかもしれないし、アイリ、私も行っちゃダメ?」
「何々、ナタリーさんって受付嬢辞めて、冒険者になるの?」
「いえ、今の所、辞めるつもりはありませんが、一緒に冒険はしてみたいかな」
「そうすると私も冒険者に…いや、でもお仕事有るし、お父さんが心配するし…」
「ハル君を独り占めしたいって気持ちは無くは無いけど、ナタリーもあぶなっかしくて放っておくのもねぇ~
ま、ハル君が驚く顔も見てみたいのもあるし、うん、分かった、ナタリーも行こっか」
「ありがとう、よろしくね」
「いーなー、私も行きたいけど、無理だろうな、残念」
「まーまー、後で話してあげるから」
そうして女子会は楽しく時間が過ぎて行くのでした
・・・・
「じゃあ、ナタリー3日後ね」
「それじゃ、おつかれ~」
「お疲れ様でした」
私達は解散し、各自の家に帰って行った
何はともあれ、私も彼と一緒に冒険に行ける
少しでも彼の役に立つためにも、聖魔法を練習しておくことにする
私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日もまた頑張ろう
この居酒屋にすごく行きたいです