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ナタリーさんとお食事


ギルドへ到着した、それなりに混んでいるみたいだが、先日ほどじゃ無いな、何か有ったのだろうか?

とりあえず報告するために、列に並ぶことにする


「次の方どうぞ~」


「ナタリーさん、こんばんは。

 まずはゴブリン討伐の処理をお願いします」


「ハルさん、こんばんは。

 それでは、ひ~ふ~み~の…全部でゴブリンが18匹ですね。

 全部で銀貨1枚と銅貨8枚になります」


「ありがとうございます。」


「そうそう、アイリ…さんから、伝言があります」


「どんな内容でしょうか?」


「4日後に狩りに行きませんか、とのことです。

 いかがいたしましょうか?」


「分かりました、それで予定を組んでおきますので、そうお伝えしてもらって良いですか?

 その日は、朝こちらに来ればいいんですよね?」


「そうですね、いつも来られる時間に来れば良いと思います。

 ハルさんはだいたい8から9の鐘の間に来ますので、アイリ…さんには、そうお伝えしておきます」


「…あ、あの~ な、ナタリーさん?」


「はい、何でしょう?」


「ナンシーちゃんと、アイリさんには説明したんですが、ナタリーさんにも説明する必要が有ると思っています。

 なので、もし宜しければ、仕事が終わってからで良いんで、ご飯を食べながらお話ししませんか?」


「は、はい! 喜んで!」


ザワッ!! 何故かギルド内に緊張が走った! 何だ?


「そ、それでは、いつもの宿で待ってますので、仕事が終わったら来て下さい」


「はい、急いで行きますね、待ってて下さい」


俺は用事が済んだので宿に戻ることにした

ギルドを出た所で、クリストさんに捕まった


「坊主、どうやら血の掟を破ったみたいだな、覚悟は良いか?」


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って、血の掟って何っすか?」


「ファンクラブ、掟第1条、ナタリー嬢に手を出してはいけない

 ファンクラブ、掟第2条、ナタリー嬢を口説いてはいけない

 ファンクラブ、掟第3条、ナタリー嬢はみんなで暖かく見守らなくてはいけない

 ファンクラブ、掟第4条、ナタリー嬢に手を出した者を見つけた際は、抹殺すべし

 第45条まで有るが、今は省略しておく」


「そんな掟なんて知らなかったっす、つーか手も口も出してません」


「そんな言い訳が通用すると思っているのか?」


「それに俺は説明って言いましたよね? 聞いてませんでしたか?」


ピタっ…


「…そう言えば、そんなこと言っていたな、坊主、何の説明をするつもりなんだ?」


「すいませんが、言えません」


「あぁ?」


「お、脅してもダメです」


「ちっ…まあいい、口説く訳じゃないんだな?」


口説く訳じゃないよね? 単なる心の説明だから違うよね?


「他から見ると、どう見えるか分かりませんが、今日はそのつもりです」


「わかった、もし口説いたら…分かるな?」


ギラリとオノをチラつかせた

俺はコクコクコクと頷くしかできなかった…でも


「例えばですが、ナタリーさんが誰かを好きになった場合ってどうなるんですか?

 付き合ったとしたら、その相手を殺すんですか?

 そのことで、ナタリーさんが悲しんだとしても、クリストさんは自分さえ良ければ、それで良いんですか?」


「くっ…そ、それは…だな、な、ナタリー嬢が選んだ相手なら…お、俺たちは…祝福するに決まってるだろうがああああぁぁぁ~~~~!!」


血涙を流しながら叫んでいる、例え自分が悲しみ苦しんだとしても、相手の幸せを祝うことが出来るとは、漢だ!


「なら、俺は何も言うことは有りません。

 何故なら俺もナタリーさんの幸せを望む漢の一人ですから…

 それではまた…」


ガックリと地面に手を付き項垂れているクリストさんを背にして、俺は宿に帰るのだった


・・・・


宿屋に着いた俺は、氷を作ってからマスターに相談した


「マスターよ、解読した時に使った部屋で食事するって出来るか?」


「何でだ?」


「これからナタリーさんと話するんだけど、あまり人に聞かれたくなくてさ、ダメか?」


「まぁ、何か物が置いてある訳でもないし、坊主だしな、良いぞ」


「そうか、じゃあ使わせてもらうわ、ナタリーさんが来たら通して貰って良いか?」


「おう、ナンシーに言っておく」


「サンキュー」


俺は奥の部屋に入り、待つことにした

しばらくしてナンシーちゃんが、ナタリーさんを連れて部屋に入ってきた


「ハルさん、ナタリーさんが来たので案内しました~」


「ありがとう、後、夕食を2人分お願いしても良いかな?」


「はい、お待ちくださいね~」


ナンシーちゃんは部屋から出て行った


「遅れてしまって、すいません。 待ちましたか?」


「いえ、大丈夫です。

 それより、まずは座りましょう」


「あ、そうですね」


「それで、お話しなんですが…」


「お待たせしました~ 本日の夕食です♪」


イキナリ出鼻を挫かれたな

夕食をテーブルに置き、帰り際に


「例の話するんですよね? 頑張ってください」


そう言って仕事に戻って行った


「折角暖かい食べ物が来たんだし、先に食べちゃいましょうか」


「そうですね、冷めちゃったらマスターさんに悪いですし」


さて、今日の夕食は、ミートソースにサラダとスープだ


----------------------------------

【ミートソース】

品質:A

効果:HP回復+4

パスタに丸ネギ、ピマーンをトゥメイトゥソース、オークのひき肉を一緒に炒めて塩コショウで味を調え、煮詰めた物を掛けたもの

----------------------------------


どれどれ、ぱくり…うん、旨い

昔、子供の頃に、何でミートソースなんか有るんだろう?と思っていた、ナポリタンで充分じゃんって

どうせ混ぜたら同じものだから手間が掛かるだけ無駄じゃんって

だが、それは家の親がミートソースの具でナポリタンを作ってたからだって知ったのは外食に連れて行ってもらってからだ

食って分かった、ミートソースとナポリタンは麺もそうだが、味も全然違う、全く違う料理だって

俺自体はミートソース系ナポリタンが母親の味なので、好みとしてはナポリタンよりはミートソースになる

そのミートソースを食べて、ふと母親のことを思い出した、そーいや3年ほど実家には帰ってなかったっけ、今は異世界に来てしまったし、もう会えないんだろうな

ふと、そんなことを考えて寂しくなってしまった


「ハルさん? 何か辛いことでも有ったんですか?」


あ、つい感傷に浸ってしまった、心配をかけてしまったようだ


「あ、いえ、懐かしい味だったので、母親のことを思い出しちゃっただけですから、大丈夫です」


「そうだったんですね。

 …ハルさんの、お母様は…」


ナタリーさんが落ち込んでいる、あれ? もしかして死んでると思われたか?


「もしかしたら勘違いさせてしまったかもしれませんが、俺の母親は生きてますよ?

 ただ、凄く遠くに居るので、会えませんが…」


そう、もう物理的にも会いに行くことは出来なくなったんだよな


「そうでしたか、良かったです。

 私は母親が居ないので、そういった所がよく分からないので羨ましいなと思っちゃいました」


「!!…ナタリーさんの気持ちも考えずに、すいません」


「あ、いえ、もしかしたら生きているかもしれませんが、知らないんですよ、だって私達は孤児院で育てられましたから」


「孤児院? それに私達って…」


「そう言えば言ってませんでしたね、教会の裏に孤児院が有るんですが、私とアイリは、あそこで育ったんですよ?」


「アイリさんもだったんですね、ナタリーさんとアイリさんが仲が良いのは、そういった理由が有ったからなんですね」


「お互い女の子で年も近かったから、自然に仲良くなりました」


「へぇ~ ナタリーさんとアイリさんって、どんな子供だったんですか?」


「内緒です…」


ぐはっ、顔を赤らめて上目使いでそのセリフは卑怯だと思う


「なら、今度アイリさんに聞いてみようっと」


「だ、ダメです、絶対ダメです!」


ナタリーさんがあわあわしている、可愛いな


「残念、じゃあ話せるようになったら教えてね」


「…その時になったらですからね?

 アイリに聞いたらダメですからね? 約束ですよ?」


ここまで秘密にされると逆に知りたくなるな、何が有ったんだろうか?

まぁ、嫌われたくないので無理には聞き出さないけどね

さてと、そろそろ本題に入るとするか


「ナタリーさんにお伝えしておきたいことが有ります」


「は、はい!」


俺はナンシーちゃんとアイリさんに説明したのと同じことをナタリーさんにも説明した


「そうだったんですね、分かりました。

 私も、もちろん、ハルさんを裏切ることなんかしませんから、みんなとも約束しましたしね」


「ありがとうございます。

 前向きに考え、きっと納得いく答えを出したいと思っています。

 だから、待っててもらっても良いでしょうか?」


「はい、待ってますね」


ナタリーさんは、ニッコリと微笑んでくれた

これて全員に説明することが出来たが、実際、俺はどうすれば良いんだろう?

納得いく答えと言ってはみたが、実際は自分の都合による結果しか出ないような気もするが、必死で考えてみよう

あまり遅くて待たせてしまうのも悪いから、出来るだけ早く結論を出そう


「そう言えば、ハルさんの住んでいた国って、どんな所だったんですか?」


「そうですね、此処とはずいぶん違いますね。

 例えば、魔法が無くて、魔物なんかは居ませんでした。そして科学が発展している国です」


「魔物が居ない? それは凄いです。

 それに、かがく…ですか? それってどう言った物なんでしょうか?」


「んー何て説明すれば良いんだろうか悩むんだけど、例えば、馬が必要無い馬車が走ったり、鉄の鳥が空を飛んだりとかかな?」


「それって魔道具が発達した国って感じなんですね、想像が付かないくらい凄い国なんですね」


「確かに、想像付かないかもしれないな、ただ、多分行くことは出来ないと思う」


「それは遠いからでしょうか?」


「そうだね、帰り道が分からないくらいだからね」


「そうですか、残念です。

 あ、でも、そうすると、お母様には、もう会えないのでは?」


「そうだね、そうなるかな?」


「寂しくないですか?」


「そうだね、でも、今はナタリーさん達もいるし、大丈夫だよ」


「あ、えと、あ、ありがとうございます…」


その後も色々とナタリーさんと話をして解散となった


「それでは、私はこの辺で、おやすみなさい」


「本当に送って行かなくても良いのか?」


「直ぐ近くですから、お気遣いありがとうございます」


「そっか、じゃあおやすみ、また明日な」


「はい、では…」


ナタリーさんは帰って行った

俺も部屋に戻り、明日のためにも寝ることにする

おやすみなさい…ぐぅ


とりあえず3人への説明が終った、さてどうするかな…

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