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アイリさんとお話し


目が覚めた、普通の朝だ

なんか気分がスッキリしている、おそらく長年のコンプレックスと言うかトラウマが解消とまでは行かなくても軽くなった影響だろう

まぁ、違う悩みは増えたが、これは嬉しい悩みだ、甘んじて受けるとしよう

おはようございます


今日は予定は無いが、パーティとしての今後を、アイリさんとの話をしないといけない

だが連絡先を知らないので、ギルドで言付けをしてもらおうと思う

さて、朝飯を食べに行くとするか


「マスターはよ~、飯よろ~」


「おう」


俺は席に着き、朝食を待つ


「ほらよ」


マスターが朝食を持ってきた


「…坊主も苦労してたんだな、頑張れよ」


「今日は雪か!?」


「何でそうなる」


「いや、俺のいた所では、あり得ないこと言うと、あり得ないことが起こると言うジンクスが…」


「ほぅ? どうやら坊主は屋台の飯がご所望らしい」


マスターが朝食を片付けようとする


「待って、マジお願い、それだけは勘弁して! 正直スイマセンでしたあぁぁぁ~~!!」


「ふん、まあいい、さっさと食え」


「へいへい」


さて、今日の朝食は、ジャムパン、スクランブルエッグにサラダとコーシーだ


----------------------------------

【ジャムパン】

品質:B

効果:HP回復+1

砂糖、焼いたパンにベリー系ジャムとバターを塗ったもの

----------------------------------


こ、これは…

バターとマーガリンの違いは有るが、あの高カロリーの代表的な食べ物じゃないか

他にもマーガリンに砂糖をまぶしたパターンも有る、食べる過ぎると太ると言われる恐ろしい料理だ

まぁ、旨いんだけどね(笑)

さっそく、ぱくり…ベリー系の酸味と甘みとバターの風味が旨いが、間違いなく高カロリーだ、食べ過ぎには気を付けようと思う


「ごっそーさん」


俺は定例の氷を作った後は、ギルドへ向かうことにした


・・・・


ギルドに到着すると、ピーク時だったので相変わらずの混雑だった

まずは依頼表の確認をしてみる

なかなか良さそうな依頼は無いなぁ~そんなことを考えていると後ろから声を掛けられた


「ハ~ル君♪」


「この声は、アイリさん?」


「当たり~」


「丁度良かったです。アイリさんとの連絡方法が無くて、ギルドで言伝を頼もうと思ってましたから」


「私もそう思ったから待ってたんだよ?」


「そうでしたか、なら一度打合せでもしましょうか」


「そだね~じゃあお茶飲みながら話そうよ、良い店知ってるから行こっ」


俺はアイリさんに腕を組まれ、ギルドを後にした

やっぱりおっぱい最高です(笑)


・・・・


俺たちはギルド近くにある喫茶店へとやってきた


「こんな所に喫茶店なんか有ったんだ、知らんかった…」


「ここは結構のんびり出来るから好きなんだよね~」


カランカラン


「いらっしゃいませ、二名様ですね、こちらへどうぞ」


俺たちは奥にあるスペースへと案内された


「ラッキー、ここって目立たない場所だから人気あるんだよね、空いてて良かった♪」


「確かに植物が目隠しになってるし、良いかもしれませんね。

 あ、まずは注文しちゃいましょう。

 アイリさんは何飲みます?」


「ん~、じゃあ紅茶をお願いしよっかな」


「了解、すいませ~ん」


「はい、御注文でしょうか?」


「えっと、彼女に紅茶を、俺はコーシーで」


「畏まりました、少々お待ちください」


注文を受けたマスターは用意するために去って行った


「何か宿のマスターと違って紳士だな」


「例の日は別だけど、宿のマスターも普段は紳士じゃない?」


「そうかな?結構からかい易くて、面白いヤツだぞ?」


「それは、ハル君のせいじゃないかなぁ~

 お姉さんが知ってる限りでは、ここのマスターとそれほど変わらないと思うよ?

 まぁ、紳士と言うよりは、寡黙なダンディーって感じだけど」


「寡黙でダンディーねぇ…信じられんが、アイリさんが言うならそうなんだろうな」


「お待たせしました。紅茶とコーシーです。

 熱いのでお気をつけて、ごゆっくりどうぞ」


マスターが紅茶とコーシーを置いて去って行った、うん、やっぱり紳士だ


「ねぇ、ハル君」


「何でしょう?」


「昨日はごめんね、ナタリーとナンシーってライバルが出来て、お姉さん焦っちゃったみたい」


「いえ、素直にアイリさんの好意は嬉しかったです。

 昨日、ナンシーちゃんにも言いましたが、聞いてもらっても良いですか?」


「あ…うん、いいよ」


俺は、ナンシーちゃんと同じ説明をアイリさんに行った


「そっか、ジェニファーさんが言ってた事は、あながち間違ってなかったんだね」


「ん? ジェニファーが何か言っていたのか?」


「ハッキリとした理由は分からないみたいだったけれど、おそらく女性の被害が有ったんじゃないのかって話をしてくれたんだよね」


「そっか、ジェニファーにはお見通しだったみたいだな」


「ハル君」


「何?」


「私は、いえ、私も、ナタリーもナンシーも、ハル君を裏切らないって約束するから、嫌いに成らないでね?」


アイリさんは不安そうな顔でこちらを見ている


「はい、ありがとうございます。凄く嬉しいです。

 俺はみんなのことは信用しています。なので前向きに進もうと思っています。

 まだ、俺はどうしたいのか決断出来ていませんが、少し待っててもらっても良いでしょうか?」


「もちろんだよ、えへへっ、嬉しいな」


アイリさんは少し泣き顔の笑顔で微笑んでくれた

ヤバイ、ナンシーちゃんもアイリさんも俺を好きで居てくれている、こっちも泣きそうになってしまったが、男が泣く訳にはいかないので耐える

あー本当に俺は幸せ者だよ、ちくしょー


「と、とりあえずこの話はまた後で…」


「え~っ」


「それで、アイリさんに相談なんですが、パーティの件なんですが、実はよく分かってなくて、どうすれば良いんでしょうか?」


「特に決まりって無いかな? 同じ目的、依頼を一緒にするって考えれば良いと思うよ?」


「なるほど、でも、俺とアイリさんってランクもレベルも違うんですが、それって大丈夫なんですか?」


「お姉さん、ハル君が直ぐに追いつくって知ってるもん、大丈夫だよ~」


「ち、ちなみにランクとレベルって幾つ何ですか?」


「ランクは銀、レベルは18かな? 凄いでしょ~」


「すげー! それに比べて俺、レベル2…」


「え? 嘘? あれだけの戦闘を行えるのに!?」


「本当ですよ、ほら」


俺はギルドカードをアイリさんに見せた


「こら! こういう冒険者にとってステータスは命綱なんだから、安易に人に見せたらダメなんだよ?

 まぁ、私のこと信用してくれたってことは嬉しいんだけどぉ~」


「他の人には見せませんって、アイリさんが初めてですよ。

 でも、話は分かります、他の人には見せませんよ」


「は、初めて、ハル君の初めて…」


「何を想像しているかは分かりませんが、そうですよ」


「…何個か意味不明なのが有るんだけど、ホントにレベル2だったんだ…」


「ね? 本当だったでしょ?」


「ねぇ? スキルとか称号の内容って聞いても良い?」


「え? えっと、答えられるものなら…」


「じゃあ、気になる物から、暗黒変態紳士って何?」


「…魔力操作を覚えるときに習得しました、意味は分かりません(汗)」


「中二病って何かの病気?」


「…若気の至りで罹る病気です、感染はしません(汗汗)」


「じゃあ、このケモナーLv2って?」


「…ノーコメントです(滝汗)」


「何かこれってすごーく気になるんだけど、どうしてもダメ?」


「どうしてもダメです」


「女のカンなんだけど、凄く知る必要がある気がするんだよね、本当にダメ?」


「本当にダメです」


「けち~」


「けちで結構」


「ぶぅ~」


「…可愛い」


「え? あ、もう、ハル君の馬鹿…」


「あ、つい、本音がでてしまった」


「もう…わかった、もう良いよ。

 じゃあ、お礼って言うのも変だけど、私のも見せてあげるね、もちろんハル君が初めてだよ?」


言われると良く分る、これってヤバイセリフだ、言ってる意味は違うのは分かっているが、めっちゃ興奮するわ

ヒッヒッフー、よし落ち着いた、どれどれ?


----------------------------------

名前:アイリ

年齢:24

状態:普通


LV:18

HP:68/68

MP:113/113


STR:12

VIT:10

AGI:25

INT:52

DEX:25

LUK:10


スキル:魔力操作Lv5、水魔法Lv6、風魔法Lv5、瞑想Lv4、複合魔法Lv2、解体Lv3、棒術Lv3


称号:

----------------------------------


他の人のステータスって初めて見たから何とも言えないが、俺と比べると随分ステータスが高いのは分かる

スキルが思った以上に少ないと思ったんだが、普通はこんなもんなんだろうか?

称号に何もないのは驚いた、少なくとも中二病はあると思ってたのに(失礼)

そしてアイリさんは24歳か、脳内にメモしておく


「ありがとうございます。

 やっぱりレベルが高いだけ有ってステータスもスキルも高いですね。

 称号に何もなかったのは驚きましたが」


「ハル君、称号をこんなに持っている方が変なんだよ?

 普通は持ってない人の方が多いんだけどね、持ってたとしても1つ、多い人で2つくらいだよ?」


「そうなんですか、ナタリーさんには条件が合えば付くとか言ってたから、それなりに持っているんだとばかり思ってました」


「確かに薬剤師とかはそうだよね、でも、ショーボン創造神の加護とかは、教会に居ても得られないと思うんだけど…

 それに命100って、昔文献で読んだことが有ったんだけど、これって命の木の実を食べた人が授かる称号だよね、ハル君食べたの?」


ダラダラダラダラ(汗が止まらない音)


「あ、え、いや、えーっと、その、まーそのー、つまりですね~…はい、食べました。

 と言っても知らずに食べたので、ワザとじゃないんですよ? ホントです!」


「そこまで聞いてないんだけどなぁ、でも、文献では『命1』だったような…ねぇ、ハル君って命の木の実を100個も食べたの?」


「た、たぶん…」


「いつ?」


「2か月くらい前かな?」


「どこで?」


「森の中で」


「そこって案内出来る?」


「転移させられたので、多分無理かと」


「まだ持ってる?」


「持ってません」


「…もしかして、王都でオークションに出たのって…」


「最後の1個です」


アイリさんはガックリしている

そーいやオークションってどうなったんだろう?

近いうちにゴードンさんの所にでも行ってみよう


「ハル君は、多分だけど100年に1回しか歳を取らなくなるよね?

 だったら私、先におばあちゃんになっちゃう…」


アイリさんが本気で落ち込んでいる


「あ、アイリさん、命の木の実って、前にもオークションで出たんですよね?

 だったら手に入れることも可能ってことです。

 前はどうやって入手したとかって知りませんか?」


「ある魔物を倒した際、たまたま助かったらしい精霊が現れて、お礼にって」


「精霊か…何処に居るんだろ?」


「精霊は何処にでも居るよ、だって魔法は精霊のおかげで使えるんだから」


「そうなんだ、なら精霊から貰うってのは難しいかな?」


「ねぇ、ハル君はどうやって手に入れたの?」


「遭難していて、木の実が生っている木を見つけて、食べなきゃ死ぬと思ったので、お腹いっぱい食べました」


「…そこってどんな所だったの?」


「何もない草原で、木はさっき言ったのが1本だけでした。

 そうそう、太陽が同じ場所で動かなかったので、ずっと昼間でしたね。

 今思い出しても変な所だったな、あれって何処に有るんだろう?」


「…おそらくだけど、そこって精霊界じゃないのかな?

 でもって、その木は世界樹…だと思う」


「世界樹? そう言えば実をあげた商人さんも、そんな事言ってた様な…」


「やっぱり、ハル君はどうやってそこに行ったの?」


それを説明するとなると、異世界の話をしなくちゃならなくなる、どうしようか?

突拍子な話だし、頭を疑われるかもしれない、信用していない訳じゃないけど、話すのはちょっと考えてしまう

そんなことを長々と考え込んでしまったらしく、アイリさんが言ってきた


「無理に聞くつもりは無かったんだけど…ごめんね」


「あ、いえ、気が付いたらそこに居たので、どうやって行けるのかは分からないんです」


とりあえず異世界うんぬんの話を抜いて説明しておく


「そっか、残念…」


これ以上この話をするのもアレだし、話題を変えることにする


「と、とりあえず今後の話をしないと…」


「あ、そうだったね、忘れてたよ~」


「アイリさんって普段はどうしているんです?」


「ん~毎日ギルドには顔出してるけど、依頼を見て面白そうなのが有ったら受けてって感じかな?

 後は10日に一度、森に行ってオークを狩るくらいで、それ以外は魔法の練習してるくらいかな」


「俺は受けられそうな依頼が有ったら受けて、それ以外は森や草原でホーンラビットやゴブリンを狩って、薬草集めて薬を作るとかしてるな。

 あ、たまに師匠の所にも行くけど、基本的には適当に行き当たりばったりって感じかな」


「なるほどね~ じゃあ私がハル君の都合に合わせる感じで動けば大丈夫そうだね」


「それだと、アイリさんに悪いんじゃ…」


「私の場合、10日に1回オークを狩れば、それだけで十分に生活できちゃうからね。

 装備を更新したりする時くらいしか、お金使わないし。

 それに、ハル君のランクとレベルが追い付いて、一緒に依頼を受けられるようになる方が嬉しいかな♪」


「…わかりました、頑張ってアイリさんに追いつけるように努力します。

 とりあえず10日に1度の狩りに行くときに、パーティ組む感じで良いでしょうか?」


「うん、わかった、じゃあ狩りに行く日は、ナタリーに伝えておくね」


「了解です」


それから少し色々と雑談をして、店を出た後は、それぞれ分かれることになった


アイリさんは博識です。

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