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前に進もうと決心した


思わず飛び出してきてしまったが、どうすっかな

あ、しまった、アイリさんと今後の話もしなくちゃいけなかったんだっけ

まぁ、こっちは後でギルド経由で伝えてもらえば良いか


何かイライラしてるから狩りに行くのも良いかもしれないが、八つ当たりするのもなぁ…

師匠の所で、無心になって薬を作り続けるのも良いかもしれない

よし、師匠の所にでも行ってみるか


・・・・


「うぃ~す!」


「おや、ハルじゃないか、どうしたんだい?」


「スキル上げで薬作らせてもらおうかと思ったんだけど、良いか?」


「ふむ、まあいいじゃろ」


師匠は俺の顔を見て何か感づいた所が有ったみたいだが、何も言わないでくれるみたいだ


「それじゃ、中級HPポーション改を10個、HPポーション改を100個、精力剤を100個、解毒ポーションを100個、解熱剤を100個作ってもらおうか」


「…多くね?」


「作るのは私じゃないからのぉ、イーヒッヒッヒッ!」


「まあいいか、じゃあ作業に取り掛かるとするか」


俺は考えることを辞め、薬を作ることに集中することにする


・・・・


「お、終わったあぁぁぁ~~~~!!」


「ご苦労さん、飴ちゃんいるかい?」


「食べる~ あー美味しい」


「…ハルよ、また何か悩み事か?」


「ん~? 悩みと言うか、昔のこと思い出して嫌な気分になってただけかな」


「そうか」


「なぁ師匠?」


「なんじゃ」


「師匠から見て、俺ってどんな感じ?」


「そうじゃなぁ、おバカで、お調子者で、でも憎めなくて、それでもって手のかかる弟子じゃな」


「…女性からの視点で見るとどうなんだ?」


「なんじゃ、ハルは私のことが好きだったのか、仕方ないのぉ、奥行くかい?(ぽっ)」


「全身全霊を持って、謹んでお断り致します」


「地味に傷つくのぉ、こう見えても、若いころは結構モテたんじゃぞ?」


「若返ってから言って下さい、そしたら考えますので…」


「なら若返りの薬でも開発するかの? イーヒッヒッヒッ」


師匠なら本当に作りそうだ、冗談に聞えないのが怖い…


「ハルよ、お前さんは自信を持つが良い、おぬしはいい男じゃぞ?

 私も50年ほど若かったらのぉ…真面目に若返りの薬でも開発するべきか?」


「ありがとうございます。少し自信が持てたかもしれないです。

 でも、俺にとって師匠は尊敬に値する人だ、若返ったとして恋愛感情が芽生えるかは知らんぞ?」


「若返りの薬なんか作れるもんか、馬鹿たれが、冗談に決まってるじゃろうが。

 まぁ、悩みが解決したみたいじゃし、今はそれでええ」


「…それじゃ、俺はそろそろ行くわ」


「また来い、こき使ってやるから」


「あははっ、じゃーなー」


俺は師匠の家を出た、心はすっかり落ち着いている

結局俺は、師匠に慰めてもらって安心したかったからここに来たのかもしれない

恥ずかしいから言わないけどな


「さて、帰るとするか」


宿屋に着くと、相変わらずの混雑だ、もうジェニファーの日だろうと関係なくなったみたいだ

まぁ、給仕をナンシーちゃんが行う様になって、ジェニファーが表に出てこないからかもしれないが…

混雑で思い出したが、昨日の夜から氷作ってなかったっけ、先に作りに行くことにした


氷を作り、階段を登ると、ナンシーちゃんが居た


「あ、ハルさんお帰りなさい~

 今朝はごめんなさい、悪ふざけしすぎました」


ナンシーちゃんはペコリと頭を下げた


「まぁ、事実だし、ナンシーちゃんは悪くは無いから、謝る必要はないよ。

 ちょっと不機嫌になったのは、俺が悪いんだから、気にしないでくれ」


すると、ナンシーちゃんは真面目な顔をして言ってきた


「…ハルさんの昔に何かが有ったのかは知りません。

 でも、私がハルさんが本気になったらって言葉は決して冗談ではありません。

 私はハルさんを裏切るようなことはしません、本気ですから、待ってますね…」


そう言ってナンシーちゃんは、仕事に戻って行った

俺は戻って行ったナンシーちゃんを見つめたまま動けなかった

本気? 俺に対して? そんなことある訳…

ふと、師匠に言われたことを思い出す


(ハルよ、お前さんは自信を持つが良い、おぬしはいい男じゃぞ?)


そうかな? そうだったら良いな

ここは日本じゃない、異世界だ、きっとああいった女性は居ないと信じたい

もう少し自信を持って、そして女性と言うかナンシーちゃん達を信じてみても良いのかもしれない…


「ナンシーちゃん、夕飯良いかな?」


「はいは~い、今お持ちしますね~」


夕食を持ってきたら、今の俺の気持ちをぶつけてみようと思う

大丈夫、きっと大丈夫


「お待たせしました~本日の夕食です~」


「ありがとう、それで、ナンシーちゃん、ちょっと良いかな?」


「はい、何でしょう?」


「俺さ、昔、女性の集団に酷い目に遭わされたことが有ってさ、トラウマと言うか、恋愛とかって臆病な所があるんだよね。

 でも、これからは少し前向きになって、真剣に考えてみようかと思う。

 今はこれでも良いかな?」


「はい、待ってます。

 それと、ハルさん、私だけでなく、ナタリーさんとアイリさんのことも考えてあげて下さいね」


「え? ナタリーさん? 何で?」


ナンシーちゃんはため息を吐いている


「ナタリーさんもです! い・い・で・す・ね!」


「サー! 了解であります! サー!」


どうやらナタリーさんも、俺に好意を持っていてくれているみたいだ、知らんかった…


「ナンシーちゃん、一つ確認」


「何ですか?」


「ナンシーちゃんは、俺のこと好きなんだよね?」


「…馬鹿」


ナンシーちゃんは、顔を真っ赤にしてトレイで顔を隠して行ってしまった


「あ、あれ? えーと、うん」


あそこまで反応してくれたのを見て分からないほど馬鹿では無いと思いたい、そう言うことなんだろう

あ、やばい、結構、いや凄く嬉しい…

鏡とか見なくても、顔がにやけているのが分かる、ヤバイだろコレ…

俺ってもしかするとチョロインか? いやチョロイヒロインの略だから違うな、チョロイヒーローでチョロローか?

何かトイレで用を足しているような音みたいだが、まあ読み方なんかどうでも良いか、何が言いたいかと言うと単純すぎるだろ、俺


とりあえず恋愛に対し真剣に考えるのは良いとして、今度はナンシーちゃん、アイリさん、そしてナタリーさんについても考えなくてはならない

選ぶなんて言う、上から目線のことは出来ればしたくないし、する資格もない、かと言ってみんな好きだみたいな軽薄なこともしたくない

時間は掛るかもしれないが、自分なりに真剣に考えて結論を出そうと思う

折角持ってきてくれた夕食が冷めてしまったな、とりあえず食べよっと…


夕食を食べ終えた俺は、部屋にもどり、先ほどの事を考えている

ナンシーちゃんは元気一杯で一緒に居て楽しいし、気が楽だ、思いやりも有って一生懸命な所も良いよね、後、ジト目も最高だ(笑)

アイリさんはお姉さんぶっているけれど、子供っぽい所もある甘えん坊で、そのギャップがまた可愛いくて、それに魔法については一生懸命なところが有ってカッコいい

ナタリーさんは俺に興味が有るなんて考えたことも無かったから、気にしていなかったけれど、振り帰ってみると、思い当たることが何個も見つかるな

最初はトゲトゲしかったのが、いつの間にかそれが無くなって、一生懸命で、怒って脹れて、泣いて、心配してくれて、応援してくれて…あははっ、俺は節穴だったみたいだ


考えれば考えるほど、3人の魅力があふれ出してくる

ははっ、何だ、俺って幸せ者だったんじゃないか

尊敬する師匠に、冗談を言い合えるマスターに、ムカつくことも有るが、何故か安心できるジェニファーに、色々と世話をしてくれたゴードンさん、クリストさんやナイチ様は…まあいいや(笑)、そして俺のことを気にしてくれている女性達

俺、この世界に来てホント良かったわ…


とりあえず急いで結論を出す問題じゃないし、また後で考えよう

今日は、もう寝よう、おやすみなさい…ぐぅ


主人公、ハーレムルートに入ったのか!?

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