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オークと遭遇

何気にシ○ッカーシリーズが大好きです。


「な…ん…だと…悪の秘密結社のくせに、お年寄りに座席を譲っているだと?

 何でこっちを見る、こっちは仕事で疲れているんだ、徹夜明けなんだよ、座ってても良いじゃないか…

 そ、それはマタニティーマーク!? 妊婦さんにも手を貸して座らせてるだと!? 見た目が普通だったから全然気が付かなかった…

 や、やめろ、そんな目で俺を見るな、これでは俺の方が悪役ではないか~!!」


ガバッ!


「座席が~!! あれ? 何だっけ?」


よく覚えてはいないが、みんなの平和と笑顔のために、募金活動で街頭に立っていたような気がする

良いことをした夢は、気分も良くなるよね

おはようございます


今日はマスターの指名依頼も終わったし、特に予定は無い

最近、あまり体を動かしていないので、森へ行ってみようと思う


「マスターはよ~、でもって飯ぷり~ず」


「ん、ああ、坊主か、待ってろ」


なんかマスターの様子が変と言うか、眠そうだな

さては、新しいレシピを色々と試したんだろうな


「ほらよ」


マスターが持ってきた朝飯は、パンに、生姜焼き、肉じゃがに、シチューにサラダに野菜ジュースだ


「ちょ、ちょっとマテ、朝からこんなに食えんぞ?」


「いや、色々試していたら作り過ぎてな、勿体ないから出したんだが、そうか多かったか…

 すまんな、どうやら寝不足で頭が働いてないみたいだ」


「気持ちは分かるからいいけどさ、まぁ、アイテムボックスにしまっておいて、後で食べれば良いか」


俺は、パンと、シチューと、野菜ジュースだけを残し、後はアイテムボックスにしまった

一応初メニューの生姜焼きだけは鑑定しておく


----------------------------------

【生姜焼き】

品質:A

効果:HP回復+5

オーク肉を薄切りにし、塩魚汁、ショウガナイ汁に漬け、丸ネギと一緒に焼いた物

----------------------------------


もう、マスターも品質Aの物が出てくるようになったな、さすがはジェニファーレシピだ

今後はマスターが頑張って改良し、いつかは品質Sでも出来ると良いな、楽しみである


「ごっそーさん」


朝食を食べた俺は森へ出かけることにした


・・・・


森に着いた、7日ぶりだな

ここ7日間はレシピ本を読んだり、調合をしたりで、体をほとんど動かしていない

森に入る前に少し感を取り戻すと言うか、動けるようにしなくてはならない


「ラ〇オ体操第1~

 (前奏)チャンチャカチャカチャカ、チャンチャカチャカチャカ、チャカチャカチャカ…」


うし、準備運動終了~

え? 第2はって? 覚えてないよそんなの、変な動きをするくらいしか記憶にないので、どちらにしても出来ないけどね

隠密を発動し、索敵を行う、今の所は敵の反応は無い、十分に気を付けて森に入ることにした


10分ほど索敵すると反応が見つかった、3匹いるな、でも逃げないってことは、例の謎の生き物では無いみたいだ

とりあえず、相手が分からないとどうしようもないな、ゆっくりと気を付けながら近づくことにする


なんとか視界に入る距離まで近づいたので、様子を伺ってみると、どうやらゴブリンが3匹みたいだ

3匹は未経験だ、どうするか?


1、逃げる

2、大立ち回りをやってみる

3、1匹をスリングショット、2匹目を落とし穴、3匹目を1対1で倒す


一番利口なのは1番だな、君子もそう言っている

2番は自殺行為にしかならないので却下

残りは3番だが、敵はいつも1~2匹だとは限らない、余裕が有るときに経験しておくのも必要かもしれない

幸いなことに、ゴブリンの獲物は棍棒と言うか木の棒だ、当たったとしても即死は無いだろう

なら、試してみるのも良いかもしれない、試してみたい魔法もあるしな


例の如く石を2つ拾い、1つはスリングショットに、そしてもう一つをゴブリンの向こうの茂みに向けて投げる

ガサッ!

3匹のゴブリンが反応し、何かを話し合って、1匹が残り、2匹が様子を見に行くようだ

残った1匹は、注意して茂み全体を見て、何か有ったら知らせる係みたいだ

敵は完全に向こうを向いている、チャンスだ


俺はゆっくりと立ち上がり、スリングショットを回し始める、十分な加速を得られたので投げる!…命中!

石が当たったことで、2匹のゴブリンも罠だと気付いたがもう遅い、もう1匹の足元に穴を空けて落とす、見事に落ちて行った

残った最後の1匹だが、棍棒を構えてこちらに走ってきたので、魔法で対応する

剣で戦わないのかって? そんなことする訳無いじゃん、だって危ないし、自信も無いからな

今回使用する魔法は、清掃の時に開発したウォーターカッターだ、距離が飛ばないのでもう少し近づかないと使えない

5m、4m、3m、今だ!


「ウォーターカッター!」


やべっ、加減を間違った!

ウォーターカッターではなく、高圧洗浄になってしまった…が、なんか顔に当てたらもがもが言って動きが止まったな

そう言えば、海外でのデモ制圧に水を掛けるってのが有ったな、どうやらそれと同じ効果みたいだ

しかも、口だけじゃなく、鼻にも水が入ったらしく、苦しそうだ

そのまま近づき、剣で胸を一刺しで終了


穴に落ちたゴブリンが、穴から顔を出したので、そのまま高圧洗浄でぶっかける

ガボガボ言ってるところを近づき、首を刎ねた

そして、最後に石が当たったゴブリンを確認したら、すでに死亡していた


少し結果が違ってしまったが、問題なく対処出来たので、結果オーライだ(笑)

清掃に制圧にと、高圧洗浄は結構使えるっぽいな、まぁゴブリン程度だからかもしれんが…

でも、生き物なら顔に水を掛けられるのは、息も出来ないし有効な手段かもしれないな

ウォーターカッターの実験は次の機会にしよう


討伐部位を取り、死体はそのままにしておく、どうせ掃除屋が片づけてくれるからだ

次の獲物を探して移動することにした

30分ほどして反応が有った、今度は1匹だったので近づいてみる

50mほどの距離まで近づいた所で、姿が全然見えないにも関わらず、その反応がこちらに向かって走って近づいて来た


「え? バレた?」


どうする? と言うか考えてる時間は無い

現れたのはでっかいイノシシで、二足歩行をしていた、これってオークだよな?

オークはこちらを見て様子を見ている、武器はゴブリンと同じく太くて長かった

いや、期待している所悪いが、武器だよ? 棍棒のことだよ?

どうやらオークはこちらが弱いと見たらしく、真っすぐ突っ込んで来たので、穴を空ける


「2ゲット!」と言ったかどうかは知らんが、見事な滑り込みだ、すかさず首を切る…切れない!?

どうやら俺の力では、薄皮1枚を切るのが精々で、少し血がにじむ程度にしか切れなかった

俺は、すかさず距離を取った、オークも立ち上がってこちらを見た


どうやら、オークは物凄く怒っているみたいだ、当たり前か、俺でも同じことをされたら怒るわ

でも、立ち上がったは良いが、用心しているのか、先ほどみたいに突っ込んでは来ないみたいだ

どうする? ウォーターカッターで切れるか? 剣でも切れなかったのに、水で切れる自信は無いぞ?

それに切れたとしても、スパーンと切れる訳じゃないし、切ってる最中に殺される予感がする…


考える時間も与えてくれず、オークはゆっくりと近づいてきた、俺もそれに合わせて後ずさる

どうする? 考えろ! 対策が思いつかなければ死ぬぞ!

俺は女じゃないので、アー!な展開にはならないと思うが、殺された後に食べられると思われる

命の木の実の効果がどうなのか分からないから何とも言えないが、食べられても生き返るのか?

つーか例え生き返るとしても、死にたくない…


そうだ! 試して無かったが、生活魔法がレベル4になったから全力で穴を掘れば、逃げる時間は稼げるのでは?

土×土×土×土で直径3mで深さは知らん、行け~!!

オークが穴に落ちたが、どうやら2mほどの深さみたいだ、顔が出ている、ダメだ直ぐに出てきてしまう


神からのお告げか、ふと閃いた!

ホットウォーターと高圧洗浄の複合技だ、お湯では駄目だ、熱湯にしなくてはならない、長時間出す必要はないので、水×火×火で高圧洗浄にする、どうだ!

湯気を濛々と出す熱湯が勢いよく出てきたので、オークの顔に掛ける


「ぶもももおおおぉぉぉ~~~~!!」


顔面に熱湯を掛けられ、オークは苦しがっている


「チャンス!」


俺は振り返り、森の外に向けてダッシュで逃げる!

何とか森の外まで逃げることが出来た

一応、索敵で確認してみたが、どうやら追っては来ないみたいだが、安心するのはまだ早い、俺は森から出来るだけ離れることにした

森から大分離れた所まで来て、ようやく一息付くことが出来た


「た、助かったあぁぁ~~~!!

 マジ死ぬかと思った、策が上手く行って良かったよ

 くっころさんに成らなくて、ホント良かった」


一息入れて安心した所で、先ほどの反省会を行う

まず、何でこちらの位置が分かったのかだが、実は相手も索敵を持っていたってのが考えられるな

でも、隠密も発動していたのにも関わらず、見つかったってことは、オークは索敵のレベルが高い!?

オークってエロ要員であって、そんなに凄いってイメージは無かったんだけどなぁ…ん? 待てよ?

オークって豚だよな、豚って嗅覚が凄いからトリュフを探すのに使われているって本で読んだことが有ったな

もしかして、索敵では無く、匂いでバレた? そう言えば風向きって気にしたことが無かったな、見つかった時ってどうだっただろうか?

これからは索敵をする際は、この辺りにも気を付けるようにしよう


次に、オークとの戦闘だが、全く歯が立たなかったな

俺のレベルが低いし、仕方が無いのかもしれないが、出会ってしまったから仕方ないかでは済まないし、対策は必要だろう

今回は1匹だったから何とかなったが、複数だったら死んでたかもしれないな…

何かしらオーク対策が出来ない内は、よっぽどのことが無い限りは戦闘は避けるべきだろうな

ギルドでナタリーさんに相談してみるのも良いかもしれない

今はお昼時だが、今日はもう戦闘する気力も無いので帰ることにした


・・・・


ギルドに到着した、全然早い時間だったのでガラガラ…いや、ナタリーさんの列はそれなりに居た

それじゃ並ぶかと思った所で、リリアさんが、昨日みたいに冒険者を誘導した、おかげでナタリーさんの列は数人に減った

これってナタリーさんの所に並んでも大丈夫なんだろうか? いいんだよね? 並ぶことにする


「次の方どうぞ~」


「ナタリーさん、こんにちは。

 ゴブリンの討伐と、ちょっと相談が有るんですが、良いでしょうか?」


「こんにちは、ハルさん。

 それでは、まずはゴブリンの処理を先にしてしまいますね。

 え~っと、ゴブリンが3匹ですので、銅貨3枚になります」


俺は銅貨3枚を受け取った


「はい、確かに。

 それで、相談ですが、大丈夫でしょうか?」


「はい、今でしたら大丈夫ですよ。

 どういった内容でしょうか?」


「助かります。

 えっと、今日森でオークに遭遇したんですが、倒すことが出来なく、逃げてきたんです。

 他の冒険者は、オークってどう対処しているのか知りたいんです」


「オークですか? ケガとかは大丈夫だったんでしょうか?」


「大丈夫です、上手く逃げれたので無傷です」


「良かったです…

 そうですね、例えば、クリストさんみたいな方でしたら、斧でバッサリ倒しちゃいますね。

 一般の冒険者でしたら、パーティで狩る方が多いと思います。

 私は冒険者では無いので、詳しくは無いのですが、3人ほどで狩る方が多いみたいです。

 防御する人を中心に、攻撃する人、中距離で援護する人って感じで連携して倒しているそうです」


「そうすると、武器を使って倒すってのが一般的なんですね

 実は、剣で切り付けたんですが、ダメージらしいダメージを与えられなかったんですよね」


「ハルさんの武器はショートソードでしたね、力が有るならまだしも、それですと少し難しいかもしれませんね。

 例えば、もう少し重さの有るロングソードやブロードソード、戦斧みたいな武器でしたら、ダメージを与えることが出来るかもしれませんね」


「武器か、少しお金に余裕も出来たし、考えてみるのも良いかもしれないな」


「後は、ハルさんは、魔法使えましたよね?

 そちらで対応するのはどうでしょうか?

 アイリ…さんクラスの方なら、魔法で倒してしまう人も居ます」


「生活魔法しか使えないので、足止めとかならまだしも、倒すのはちょっと難しいかもしれません…」


「え? ハルさんは生活魔法だけなんですか? そうですか…」


「やっぱり生活魔法だけだとキツイですよね」


「あ、いえ、そんなこと無いです、無いです…無理しないで下さいね?」


「はい、無茶と無謀は俺には有りませんから大丈夫ですよ、安全第一です」


「そうですね、それが一番だと思います。

 大したことお答え出来ず申し訳ありません」


「いえいえ、武器を考えるってことが分かっただけでも儲けものです。

 少し色々と考えてみたいと思います。

 ありがとうございました」


「それでは、ナタリーが承りました。

 また来てくださいね」


「はい、頑張ります」


俺はギルドを後にしたのだった


主人公が助かったのは女騎士じゃなかったからです(嘘)

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