表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/554

今日のナタリーさん 35


私はナタリー

冒険者ギルドの受付嬢である


今朝、一番最初に来た冒険者の対応した時に言われた


「な、ナタリーさんって、これから名前をを『さん』付けで呼んでくれるんですよね?」


物凄くキラキラした期待に満ちた笑顔で言ってきた

どうしよう、きっと昨日彼に言ったことが広まってしまったんだろうと思う

ここで否定することは簡単だが、そうすると彼も『様』付けで呼ばなくてはならなくなる

ナンシーさんにライバル宣言された今、それはマズい


「そ、そうですね、モブさん、これからも宜しくお願いします」


「うひょ~ ナタリーさんが俺の事をさん付けで呼んでくれたぜ! 最高~!!」


とたんにギルド内の空気が張り詰めたような感じがしました

そして、私の所に冒険者の波が…こ、怖い…

えぇ、頑張って対応しましたとも


・・・・


「おう、ナタリー嬢、仕事終わったぜ」


「こんにちは、クリストさん。

 今日はこれで3回目ですね、お疲れ様です」


「いや、今日はたまたま仕事を一杯したい日だったもんでな。がはははっ」


「そうですが、クリストさんが率先して、街中の仕事を処理してくれているので、助かります。ありがとうございます」


「何、良いってことさ、で、こいつが次の依頼だ、処理を頼む」


「はい、わかりました。

 えーっと、『大通りの清掃』の依頼ですね、初心者がやるような依頼ですが、大丈夫でしょうか?」


「俺もこの街を愛する一人だ、綺麗に越したことないし、問題ねぇ」


「さすがはクリストさんです。直ぐに処理をしますので頑張ってくださいね」


「おうよ、任せろ!」


そうしてクリストさんは次の依頼に向かっていった、私も頑張ろう

次は、アーサーさんだ、アーサーさんも2回目だ、今日はみんな頑張り屋さんばかりです


今日は朝からずっとピーク並みの忙しさが続いているので大変です

あ、彼が来た! もうすぐ私の所に来てくれる、やる気が出たので頑張ろう!

クリストさんと何か話している、今日のクリストさんはお仕事熱心で凄いと思った

きっと彼にも仕事の大切さを説いているのだろう、でも、彼は仕事の大切さを知ってるから無駄かもしれませんけどね。ふふっ


クリストさんとの話も済んだみたいで、彼が列に並んでくれた

やった! 急いで仕事を終わらせよう!


エミリーが冒険者に対し、声を掛けている

どうやら、あまりの私の仕事の忙しさを見かねて冒険者を誘導してくれたみたいだ

有難いですが、何で今? いや、昼間も誘導してくれていましたが、何で彼が来たこのタイミングで誘導するのぉ~!


少し悩んだ顔をしていたが、ギルドからの指示なので仕方ないって顔で移動してしまった

エミリーのバカ…

エミリーが淡々と業務を行っているのが見える、本当だったら、今エミリーがしているのは、私がやるハズだったのに…

エミリーのアホ…

唯一の救いは、聞えてくる話から中間報告ではなく、依頼完了の報告だったことだ

仕事に忠実なエミリーだったら、中間報告するくらいなら依頼を終わらせて下さいと言うに違いないですから、ある意味助かりました

エミリーの堅物…


依頼完了の手続きが終わり、彼が帰ろうとした所で、ナイチ様と話をしていた

ナイチ様と彼が話しているのは、たまに見かけるけれど、意外な組み合わせなので不思議な感じです

私はナイチ様と接点が全く無いので、ナイチ様のことは、名前くらいしか分かりません

エミリーの所で、よく対応しているので、きっとエミリーがお気に入りなんだと思う

もしかして、実は彼もエミリーのことがお気に入りで、その関係で話をしている!?

エミリーはエルフなので美人さんだ、もしかすると彼はああいった子が好みなのかも、ショック…


ナイチ様と話が終わったみたいで、彼は帰って行ってしまった

今日はもう来ないだろうな…


私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日もまた頑張ろう


ナタリーさんよ、別に全員に同じ対応する必要って無いんですよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ