表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/554

今日のナタリーさん 33

ブックマークが100件を越えました。

ありがとうございます。


私はナタリー

冒険者ギルドの受付嬢である


今日もギルドは大忙しだ、何か昨日より増えてない?

でも、頑張ったので、何とか朝のピークを乗り切る


「ナタリーさん、大変みたいなので、少し私の方へ誘導しても良いですよ?

 こちらは全然余裕がありましたから」


声を掛けてきたのはエミリーだ


「ありがとうございます。

 実は少し大変だなと感じていました」


「まぁ、最近のナタリーさんは変わりましたからね、当然の結果です」


「そうでしょうか」


「前のあなたは、多少ですが、人を寄せ付けない雰囲気を持っていましたからね。

 今のあなたは素敵ですよ」


「あ、ありがとうございます」


なんだか褒められると照れてしまいます

でも、彼も同じこと言ってくれたら…えへへっ


夕刻も忙しかったが、エミリーが手伝ってくれたので何とか終わった

結局今日も彼の姿を見ることは無かった


「お疲れ様~」


そして私は帰ることにする

今日は仕事が終わった後も、リリアとエミリーと話し込んでしまったため、すっかり遅くなってしまった

早く帰って明日のために体を休めなくっちゃ

帰る途中、顔見知りの女性とすれ違った、確か『薔薇の宿屋』で働いている給仕の女性だ


「あれ? あなたは確かギルドの窓口の…えーっと」


「ナタリーと申します」


「ナタリーさんね、私はナンシー、知ってると思うけれど、『薔薇の宿屋』で給仕してる」


「はい、存じ上げてます」


私はナンシーさんに何かしたのでしょうか? ジロジロと見られています


「ナタリーさんって、たまにハルさんと一緒に居ますよね、どんな関係何ですか?」


「え?は、ハルさんですか?

 一応、受付嬢と冒険者の関係ですけれど、それが何か?」


「それだけ?」


「え、ええ…」


「ふ~ん、それなら良いんですけどね~

 なら、私がハルさんと良い関係になっても問題無いですよね?」


何か胸の奥でチクりと痛みが走った


「そ、それは…わかりません」


「何で? 別に恋人とかそんなんじゃないんでしょ? だったら問題ないでしょ?」


「こ、恋人とかでは無いですが、そ、そう、ハルさんの都合もあるじゃないですか」


「でもハルさんが良いって言ったら問題無くなるよね?」


「…どうして、どうしてあなたは私をイジメるんですか?

 何でこんなに胸が痛いんでしょうか?」


「あーそこからかぁ~何も知らない天然さんだったとは、意外過ぎる…

 私は別にイジメてない、ただ、あなたに宣戦布告をしているだけ」


「宣戦布告…ですか?」


「そう、私から見て、あなたはハルさんが好きに見える、私はもちろん好き、抜け駆けは嫌だったから宣戦布告したって訳」


「私が、ハルさんを…好き…?」


「自覚無かった? はたから見るとバレバレだよ? 言われたこと無い?」


「そう言えば、リリアにも似たようなことを言われたような…」


「だよね、他の人もそう思うってことは、当たりなんでしょ?」


私は少し彼のことを考えてみる、彼が冒険者ギルドに来たばかりの頃は、私の胸ばかりを見ていて、変わった行動をする人だった、いや、今もですね

私は胸にコンプレックスを持っていたので最初は、他の人みたいに見てるな、少し嫌だなと思っていたが、気が付いた時には気にならなくなっていた

彼が休みや仕事の都合で会えない時は、イライラばかりしていたし、会えた時はイライラが収まった覚えも有る

7番街に行った時には、何とも言えない嫌な思いが溢れたんだっけ

彼は一生懸命で、優しくて、落ち込んでいるときは慰めてくれて、胸を見ているときはちょっとエッチな顔をしているけれど、それも可愛いなと思えて、そして話しているときの笑顔を…笑顔が…はにかむような笑顔が…


「あーうん、分かった、その顔見れば言わなくても分かったわ」


どうやら私は真っ赤になっているらしい、彼の笑顔を浮かべた後から顔が熱いし、頭がぼ~っとしている


「まぁ、私は、あなたがどうであれ、彼を本気にさせるつもり、あなたはどうする?」


ふと、ナンシーさんと彼が一緒に手を繋ぎながら歩いているのを想像した

何故か悲しくなり、何故、私がそこに居ないんだろうと思った


「あーごめん、泣かすつもりは無かったんだけどなぁ~

 ほら、これで涙を拭きなさいよ」


どうやら私は泣いているみたいだ、ナンシーさんよりハンカチを受け取り、涙を拭った


「ありがとうございます。

 ハッキリわかりました、私も彼の事が好きなんだと思います。でも、あなたにも渡すつもりはありません」


「そうこなくちゃ! じゃあお互い頑張りましょ」


ナンシーさんが手を差し出してきたので、私も手を出して握手をした


「ふふふっ、私が勝っても恨まないでくださいね?」


「これはこちらの言葉ですよ~だ!」


お互い笑顔で(若干引きつっていたかもしれません)ライバル宣言を行ってから分かれました

ナンシーさんですが、負けませんよ?


私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日もまた頑張ろう


とうとうナタリーさんが自分の気持ちに気づいてしまった…

やべ~こんな話の展開にするつもりはなかったのに、みんな勝手に話が進んでいく…

今後の話の展開ををどうすりゃ良いんだろう(悩)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ