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マスターの秘密


チュン、チュン、チュン

鳥の声と窓から入ってきた朝日の光で目が覚めた

天井をみてふと


「…3回目はさすがに良いよね」


ん~っと背伸びをして起きようと思ったら右隣の布団が盛り上がっているのに気が付いた


「ま、まさか…!?」


そ~っと布団をめくるとそこには頬を染めネグリジェを着た悪魔が居た


「おはよ、ダーリン♪昨日は凄く激しかったわ」


「うわあああああぁぁぁぁぁ~~~~~~~!!!」


・・・・


「…はっ!!」


目が覚めた、夢か…

右を見る…左を見る…居ない

た、助かったあぁ~~~!!

さすがに寝室に入り込むほどの変態でも非常識でも無かったようだ


それにしても酷い夢を見たものだ、おかげで寝汗がヒドイ状態だ

体を拭いて着替え、行きたくは無いが食堂に向かわなければならならい

なにせ激おこぷんぷんが待っているからだ

嫌がる体を無理やり動かし食堂へ向かうのだった


食堂の扉を開き、覚悟を決めて中に入ると

そこにはダンディなマスターが居た


「おう、起きたか。

 朝飯用意するから、適当に座って待っててくれ」


誰?いやマジ誰ですか?

見た感じバーのマスターが着るような黒い服でキリっっとした顔にスキンヘッド…


「え?ジェニファーさん…ですか?」


するとマスターは嫌そうな顔をして


「よしてくれ、俺はキースって言うんだ、よろしくな。

 昨日のはちょっとな…」


え?え?何?別人?でも、同じ顔だよな?意味わかんねー

性格が変わってって言うとアレか?


「もしかして二重人格とかですか?」


「いや、二重人格とかとはちょっと違うんだが、似たようなもんだ。

 あいつが出てくるのは女の子の日って言ってたんだが、俺にもよく分からん。

 ただ、10の倍数の日がその日って決まってて、他の客もそれを知っているせいか、その日は誰も来なくなる」


ふぅ~とキースさんはため息をついた


「ちなみに昨日の記憶とかはあるんですか?」


「・・・・」


「あるんですね…」


「聞かないでくれ、あれは俺であって俺ではない。

 後、ついでに忘れてくれると助かる」


「ど、努力します」


「すまん…」


そう言ってマスターは哀愁漂せた背中を見せながらキッチンへ入っていった

俺は空いている席に座り待つことにした

しばらくするとマスターは朝食を持ってきた


「ホットサンドとスクランブルエッグにコーヒーだ」


俺はホットサンドからかぶりついた

中身はチーズにトマト、チキンが入っていてシンプルながら旨かった

スクランブルエッグは塩のみの味付けだが、絶妙な塩加減のため卵の旨みが引き立ち、これもまた旨い

すべて食べ終えた俺は食後のコーヒーを頂きながらマスターに質問してみた


「なぁ、マスター」


「なんだ」


「俺はあまりこの街のこと知らないから良くわからないんだけど、マスターの作る料理って他の料理屋と全然違うんだけど何でだ?」


「ああ、そのことか。

 企業秘密だが、坊主には迷惑かけたからヒントだけな。

 独自の安く入手出来るルートや方法があるってだけさ。

 商売のネタだ、これ以上は勘弁してくれ」


「わかった、ダメ元で聞くけど香辛料を譲ってもらうとかは?」


「すまんな」


無理強いしているのは分かっていたのすっぱり諦めた


「さてと、朝食も食べたことだし、そろそろ出かけるとするわ」


「そうか、今日の夜とかはどうする?泊まるんだったら部屋を押さえておくが?」


「そうだな、とりあえず5日分、飯付きでお願いするわ」


そういって銀貨4枚をマスターに渡した


「丁度だな、了解した部屋は押さえておく」


「じゃあな」


そして俺は宿屋を出発し、冒険者ギルドへ向かうことにした


自分がマスターだったら死ねる自信があるw

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