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マスターとレシピ本


「ただ~ナンシーちゃん、飯よろ~、エールプラスで」


「は~い、ただいま~」


ナンシーちゃんは直ぐに夕食ごエールを持ってきた


「お待たせしました、本日の夕食と、エールです」


「待ってました!」


俺はお金を払った


「それではごゆっくりどうぞ~」


今日の夕食は、冷奴、焼き鳥、枝豆、漬物、そして頼んだエールだ…ちょ、これが夕食なのか!?

飯って主食、主菜、副菜、汁物じゃないのか?


「ちょ、ちょい、ナンシーちゃん、質問!」


「ハルさん何ですか? 忙しいんですけれど」


「いや、夕食ってコレ? おつまみじゃなくて?」


「そーですよ? 何か変な物でも入ってましたか?」


「変な物は入ってないけど、せめて主食は?」


「主食ですか? それって何ですか?」


「パンとか、パスタとか、お米とか、そんなの無いの?」


「え? 有るじゃないですか」


ナンシーちゃんが指したのは枝豆だ


「え? これ?」


「そーですよ、じゃあ私仕事が有るので行きますね~」


そう言って行ってしまった…

ひょっとして、もしかして、まさかとは思うが、過大に評価したとして、こんな感じか?

枝豆(主食)、焼き鳥(主菜)、冷奴(副菜)、漬物(副菜)、そして頼んだエール(汁物)

もういいや、何か疲れた…

今日は酒を飲みに来たと考えることにしよう…

食べ終えた俺は、日課の氷を作るためにキッチンへ向かい、ついでにマスターに声も掛けた


「なぁ、マスターよ、今日の夕食って酷くね?

 飲みに来たんだったら文句は無いメニューだけどさ」


「・・・・」


「マスター?」


マスターは聞えてないのか、料理をしている


「マスター、聞こえてるよね?」


「・・・・」


マスターは必死に料理を作っている


「氷を全部お湯にしてこようかな~」


「ま、待ってくれ! それだけは辞めてくれ!」


「聞こえてんじゃん…」


「い、いや、な、何も聞こえなかったぞ?」


「何バレバレの嘘ついてんのさ、で、今日の夕食アレ何?」


「…えー、あー、それはだな、えー、つまりー…スマン!!」


どうやらマスターは例のレシピ本の解読に熱中したせいで、夕食を作り忘れていたのが原因だったらしい

しかも、今日は俺だけしか客が居なかったからってのも有ったらしい…って酷くね?


「つまみ程度ならすぐ作れるので、それで誤魔化したって訳か」


「スマン…」


「まあいいよ、で、何か発見とか有ったのか?」


「いや、それがな…全く読めなかったんだ」


「はぁ? そんな読めない物何か渡すか? ちょっと見せてくれ」


俺はレシピ本を受け取り、中を確認してみる


----------------------------------

チキンカレー


【材料】

鶏肉:300g

タマネギ:2個

クミン・シード:小さじ1/2

トマト:1個

植物油:大さじ3

ターメリック:大さじ1

コリアンダー・シード:大さじ2

唐辛子粉:大さじ1

ガラム・マサラ:小さじ1/2

塩:小さじ2

水:3カップ(600cc)


【下ごしらえ】

・タマネギはみじん切りにしておく

・トマトは皮をむいて種をつぶさないように荒いみじん切り

・ターメリックとコリアンダー・シードは粒状のものなら、軽く炒ってからすり鉢ですっておく


【調理】

1.鍋に油を熱して、クミン・シード、タマネギを炒める。

2.始めの10分は強火でときどきかき混ぜる。茶色く色づいてきたら弱火にし、さらにこげ茶色になるまで炒める

3.その中にトマトを加え、水分がなくなり油に色が移ってにじみ出るようになるまで炒め続ける(約10分間)

4.炒めている鍋に、鶏肉、ターメリック、コリアンダー・シード、唐辛子粉を入れ、鶏肉の表面の色が変わったら水と塩を加える。火を強くして煮立ったら弱火にする

5.1~2時間煮たところで、ガラム・マサラをふり入れて、後30分ほど煮て出来上がり

----------------------------------


普通に読めるな、作り方に関しても特に問題も無さそうだ


「マスターよ、別に変な所は無いぞ? 普通に読める」


「そうか! そう言えば坊主は、ヤツと同じ世界の人間だったな!」


「え? あーこれ日本語で書いてあるのか、気が付かんかった。

 ジェニファー何やってんの? この世界の人に読めるわけないじゃん」


「そうは言うが、レシピ本って、その商売の宝みたいなものだから、結構暗号化して秘密にしている人も多い。

 だから、てっきりこの本も暗号化されているものとばかり思っていた。

 坊主が居なかったら、おそらく一生解読できなかったかもな」


「解決して良かったじゃん、じゃあ俺は氷作ったら部屋に戻るわ」


地下室の扉を開けようとした所で、ガシッっと肩を掴まれた


「なぁ、坊主よ、俺と付き合わないか?」


ウホッ! マスターがそっちの道に目覚めた!? 俺の貞操の危機!?

ケモミミ美少女ならまだしも、マスターは…うん、無いな


「お断りします、そっちの趣味は持ち合わせていないので」


「い、いや違う、そっちの意味じゃない、本、そう、本の解読を手伝ってくれ!」


「最初からそう言えば良いのに、で、どうすれば良い?」


マスターは少し考えてから、こう言った


「冒険者ギルドへの指名依頼で出そうと思うんだが、どうだ?」


「指名依頼? 別に構わんが、個人的に手伝うのは問題ないぞ? それに、報酬とかってどうするんだ?」


「名目上は金貨1枚、さらに、今後の宿代と飯代は無しにする…どうだ?」


「まぁ、本を読むだけだから問題無いけど、店的にそれで良いのか?」


「本来の宿代自体、例のエールで儲けているから損はしていない、あのエールを売り出してからの店の売り上げが増えたしな。

 それに、ヤツのレシピが分かれば、これ以上のお宝は無いしな」


「こっち的には、お金がかからず生活できるようになるのは助かるし、損している訳でも無い、まあいいか、それで良いぞ」


「よし、明日依頼の方を、冒険者ギルドへ出しておこう。

 おそらくこの量だし10日も掛からんだろう、一応、期間は終わるまでにしておくぞ?」


「はいよ、じゃあ俺は行くぞ」


「ああ、宜しく頼む」


俺は地下に降り、氷を作ってから部屋に戻った

そう言えば、俺も師匠からレシピ本を貰っていたんだっけ、まだ開いても居なかったな

レシピ本を取り出し、読んでみた…読めませんでした…orz

この本を譲り受けてからずいぶん時間が経ったな、師匠の家にも行ったのに何も言ってない…怒られるだろうか?

でも、行かないと読めないし、仕方ないよな、近いうちに行ってみよう


最近サボっていたが、せめて手持ちの分のHPポーション改の量産だけはしておいて、頑張ってるアピールだけはしておこうと思う

今有る材料だと、ポーション材料が24本分作れるな、聖魔力水が22本と、聖水が20本か

残り魔力から計算すると、とりあえず全部作れるな、後は残った魔力で聖魔力水にしておけばいいか

せっせとHPポーション改作りを頑張った、全部完成したので終了~

明日のことを考えつつ寝ることにする

おやすみなさい…ぐぅ


実際、私が作ったレシピそのものです。

美味しかったです。お試しあれ♪

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