マスターとジェニファーの関係
朝になり目が覚めた、物凄く疲れたせいか、夢は見なかった
後、寝る時間も遅かったので、どうやら起きた時間も遅かったみたいだ
おはようございます
昨日の件で気が重いが、朝食を食べに行くとにする
「…マスター、おはよう」
「…あぁ、おはよう、坊主よ、昨日はすまんかったな、お前は何も悪くない。
死者に対する、はなむけの言葉が、あんなことになるとは、誰にも思わないさ、あれは事故だった…」
「だけど、俺のせいでマスターは」
「言わんでいい、思うことが無いと言えば嘘になるが、ヤツにはまだ学ぶことも多い、そんなに悪い話でもないさ」
「そっか、それでマスターが良いなら良いけどさ…あ、そうだ忘れてた」
俺はアイテムボックスからレシピ本を取り出し、マスターに渡した
アイテムボックスの使い方は受け継いだ瞬間から感覚で分かった、中身についても、頭の中でリストとして表示されるので、忘れたとしても問題ない
しかも、中に入っている間は時間が停止しているらしい、道理で海の物が新鮮なままで食べられる訳だ
とりあえず、中身は食料と酒、調味料、そして調理道具だけみたいだ、食べたくなったらマスターに調理してもらおう
手荷物は全部アイテムボックスに収納済みだ、お金も全部入れたので、これで落としたり盗まれることが無くなったので安心だ
ただ、ジェニファーも言っていたが珍しいスキルらしいので、人前で使うのは止めておく、使う時は気を付けて使わなければいけない
なので、荷物運びようとしては必要なくなったかもしれんが、ダミーとして皮のリュックは持ち歩こうと思う
「こいつが例のレシピ本か、ありがたい。
ヤツの料理は俺が全部引き継いでやる、そしてヤツを超える!」
マスターは意気込んでいる、頑張れ
「んじゃ、飯よろ~」
「待ってろ」
直ぐに朝食を持ってきてくれた、相変わらず早い
早い男は嫌われるんだぞ?(意味深)
冗談はさておき、今日の朝食は、ホットサンドにサラダとコーシーだ
俺は朝食を取りながら、昨日のことを聞いてみた
「マスターさぁ、昨日の話の内容って知ってるんだろ?」
「そうだな、だが、安心しろ、誰にも言わん」
「助かる、とりあえず確認するが、マスターは俺の来た国とは関係ないんだよな?」
「俺は元々この街の生まれだ、修行で王都の方に行ってはいたがな」
「じゃあ、マスターの料理が俺の国の料理に似ているのは、やっぱりジェニファーから教えてもらったからか?」
「そうだ、ヤツとは俺が料理の修行を終えて、この宿を作った時にやってきてな、体を乗っ取られたのが切っ掛けだ。
幸いなことに、ヤツは俺の意識が有ることを知っていたんだろうな、色んな料理を作って見せてくれた。
当時の俺の料理は、王都で料理を学んだことで自信があったんだが、今思えば、その辺の屋台で売ってるのと大して変わらんかったよ。
だから、ヤツの料理を見た時は驚愕したな、こんな旨い料理が有るんだって。
それを再現したくて頑張ったから、今の俺が居るんだがな」
「何だかんだで面倒見が良いよな、ジェニファーって」
「…そうだな」
「変態だけどな」
「…そうだな」
「最初、マスターの趣味かと思ってたよ」
「…そう…んなわけ有るか~!!」
「冗談、冗談だから、そんなに怒んなよ~
さてと、んじゃ氷作ったら仕事行ってくるわ」
「おう、しっかり稼いで来いよ?」
「ははっ、お互いにな」
俺は地下に降り、氷を作ってから街の外に向かうのだった
マスターはこの世界の人でした