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鏡の中の秘密

作者: 神名代洸

鏡には不思議な秘密がある。

それを知ったのはつい最近の事。

ふとしたきっかけから見付けた私だけの秘密だ。

その秘密とは…ついに合わせ、ある時間になると自分の未来が観れるというもの。本当か嘘かはわかんないけどやってみたんだ。

初めは時間なんか気にしてなかったから全くもって変わらなかったんだけど、ある時間になると変わることに気づいたんだ。その時間は丑三つ時。そう、夜中の2時だ。霊が出るともいわれている時間でもある。でも、私はそんなの信じてないし…。

でも、占いなんかは…ねぇ、信じちゃうんだよ。矛盾してるよね。でもいいの。

で、再チャレンジ。

すると初めは普通に写っていた顔がぐにゃりとまわり新しい顔が現れる。

その姿が自分の未来の顔だって分かったのは服装から。

間違えないように写真も撮っておく事にした。そうすれば嘘なんかついてないってわかるし…。

で、今の格好は高校の服。憧れてたんだ。この高校。服が可愛くって、みんなが憧れてて女子の倍率高かったんだから。

で、デジカメに映る自分を確認する。

ニコリと微笑んで嬉しそうな自分を見るってこっぱずかしい事この上ない。

でも、写真は撮ったし後は受かるのを待つだけだよね。受験勉強もしっかりしたし、塾では夜遅くまで残って勉強してた。今までまともに勉強してこなかった私にしてはよくやったと褒めてやりたい。


受験当日、忘れ物はないかチェックし受験に望んだ。「終わったぁ〜。」って思ったらお腹が空いちゃってお腹の虫がなって友達を笑わせた。

結果は後日らしいので、その場でみんな解散となった。私は受かる事が分かっていたので母にお金の用意をお願いした。


その日の夜、鏡を見に自室に戻った私は等身大の鏡を見て愕然となった。下記のものは手順に誤りがあり、不合格ですと書かれていた。私は訳が分からなくなっていた。すべてきちんと書いて出したはず。

私は再度同じ時間に鏡の前に立って書かれていたはずの場所を探すも、結果は同じだった。なので、思わず手が鏡に近づいた。触りたくなったのだ。

感触なんてないはずなのに何故か紙質感があった。まるで鏡の中にでも入り込んだような変な感じだ。私は両手で紙を破るつもりで触ってみた。やっぱり変だ。両手首が鏡の中に入っていたのだ。指先が紙を触っている。

私はビックリしたが、それよりも受からないことの方が嫌でたまらなくうまく織り込んで破り捨てた。


翌朝、実際の合格発表までまだ時間があるが親に学校まで車で送ってもらうことに…。

どうなったか早く知りたかったのだ。

でも、結果発表の時間までまだだいぶある。

張り出しはまだ1時間後だ。

私はソワソワしていたが、母は「落ち着きなさいと。」って言うだけ。そりゃそうだ、もう結果は出ている。

あとは張り出すだけなのだから…。

それから30分もするもパラパラと人が集まり始めた。皆結果発表に緊張している。この中から何人かが落ちるのだ。

自分でないことを祈りたかった。


時間になり、ガラスに張り出されていく合格者の番号。

私のは5021番。

順番に見ていく…。

番号はあった。

代わりに5020番の子が落ち他にもパラパラとおちていた。

私が鏡で見た番号はなんだったのだろう…。

ただ、まだわからない。

全てを確認しなくちゃ。

最後の番号が書かれており、それ以上のことは載っていなかった。何かで破ったような跡があるだけ。もしかしてこれか?と思ったが放っておくことにした。

だってそこは補欠組の子が載る場所だから。


学校の先生らしき人も立っていたので聞いてみたが、なぜ破ったような跡があるのかわからないと言っていた。

私は破った日の夜のことを思い返していた。

あの時私の手が鏡の中に入ったのは夢じゃなかった。と言うことは…。


再度その日の夜に鏡を見ることを決意した私は緊張のあまり唾を飲み込んでいた。

「よし。」

自身を奮い立たせて鏡を覗き込むと…何も写っていなかった。そう、私自身も。かと思ったらサッと横から般若の形相をした女性が写り込んできた。

半透明なので彼女が死人であることはすぐに分かった。私は怖くなりすぐに鏡をたたんでしまった。

それ以降その時間はおろか鏡を見ることにも恐怖を覚えるようになった。

だってそうでしょ?自分が鏡に映らなかったら怖くない?まるで存在しないかのように思えて。

だから髪はロングのまま、伸ばし放題になっている。美容院に行く勇気もない。

でも、いつまでも行かないわけにはいかなかった。頭髪検査があったから。

美容院に行く前に自宅の鏡でもう一度確認することにした私は再度鏡の前へ。

ホッとした。

これが私の一言。

普通に写っていたからだ。

背後は何もないただ壁があるだけ。

あの女性は結局いったい誰だったのか……今もわからない。

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