プロローグ
私は六丘実衣。
市内の中学校に通う、ごく普通の15歳。
最近のマイブームは「Lot」というオンラインゲーム。
自分のアバターを作り、世界中の人とチャットなどが楽しめるのだ。
‐むいがログインしました‐
Rei :あ
むい来た!
むい:うぃー
Rei :Lotで会うの久々じゃない?
むい:だね~
Rei :あれ見た?
新しいガチャー
むい:どれどれ?
Lotにインしては友達と夜遅くまでチャットをする日々。
私の中ではこれが普段の日常。
ちなみに、チャットにも出てきたReiっていうのは、私の親友で本名は相原玲香。
ハンドルネームの「Rei」ってのは、玲香の名前からって聞いた気がする。
私のハンドルネームは六丘実衣の最初と最後をとって、むい。
Rei :ねぇむいー
暇だしイベ行こー?
むい:あっうん!
Rei :何のイベがいーい?
むい:むい別になんでもいーよー
Rei :よしじゃぁ出会いを求めて!
‐□□□の部屋に移動しました‐
玲香と来たのは、誰でも自由に自分の部屋で開くことのできるイベントというもの。
わ、かっこいー人見つけちゃった。
*個人チャット*
むい:ねぇれいー
あの人かっこいい
Rei :どの人??
むい:ほらあそこにいる
...リトって人
Rei :あ はっけーん!
...えーでも隣の人のがいーよー
むい:うそー
私はあの人かっこいいと思うんだけどなぁ...。
玲香とは趣味が合うことがまずないので別に何とも思わないんだけど。
*個人チャット*
Rei :とりあえず声かけてみる?
むい:うー...ちょっと緊張
Rei :まぁまぁそう言わずにー
リト:---
輝 :-----
Rei :あのー私たち二人もお話入れてくださいっ!
リト :おっいーよー
むい:ありがとです
輝 :二人とも何歳なん?
Rei :えー秘密ですー
むい:輝さんたちは?
輝 :輝でえーよ
俺らは18
リト:とりあえずフレ申ー
むい:あ ありがとです
私がかっこいいと思ったのはリトさん。
18ってことは...3つ上か。高3かな。
輝 :俺は関西の方なんやけど
二人は?
Rei :愛知ー
むい:愛知です
リト:俺は広島
むい:みんな離れてますね
輝 :まーそんなもんやろ
愛知かーええな都会
Rei :そんなことないですよー
リト:つかタメでいーよw
輝 :せやでーw
こんな感じでだらだらしゃべり続け、夜の10時を回った頃。
玲香がお風呂に入るということだったので私も便乗したところ、
リトさん、輝さんも入ってくることになった。
30分くらいで風呂を済ませ、部屋に戻る。
スマホのロックを解除し、FINEを開く。
あ、FINEっていうのは、無料のスマホアプリのこと。
メールや電話がこのアプリで全部できるの。
確認すると、何人からメールが来ていたけど、特に気にする内容では無かったのでそのまま放置。
スマホを無造作にベッドの上に放り投げて、机の上のパソコンを起動させる。
私はすぐにLotを開いた。
「...ん?」
Lotを開くとまずは自分の部屋が出てくる。
自分の部屋...のはずなんだけど。
「...リトさん?」
なぜかリトさんがいるのだ。
どうしたんだろう?
‐むいがログインしました‐
むい:リトさん?またインされたんですかー?
反応なし。放置かな。
とりあえず待ってみよう。
5分ほど待ったころ。
リト:あ むい!ごめん放置してた!w
むい:全然だいじょーぶです
リト:ありがとー
...っていい加減タメになれってw
むい:あ そうだったw
年上&二人きりとなるとどうしても緊張してしまう。
でも、こうやって気をかけてくれるところ優しいなぁ。
リト:あ そうそう
いちいちパソコン開くのもあれだしさ
FINE交換しよーぜ
むい:あっうん!
リト:俺のID●●●●●●●●だから
むい:りょーかい
私はベッドに放り投げっぱなしだったスマホを手に取り、FINEを開いた。
友達追加のID検索で...●●●●●●●●っと。
あ、出た。りと、って人かな。
むい:りとって人?
リト:そそ。それそれ
むい:追加しちゃうね
リト:よろしくー
追加ボタンを押し、早速チャット画面にメッセージを送る。
...そんなことより気になったことが一つあって。
むい:リトさんー
リト:ん?
むい:リトさんてホモなんです?
リト:は?w
むい:あっいやそのトプ画がジャ○ーズだったから...
リト:いやいやいやいや!ホモとかじゃないから!
完全に完璧に健康で健全な男子高校生!
ただ単にかっこいいなーって思ってるだけ!まじで!
むい:そ そんなに必死にならなくてもw
リト:いや...女の子に誤解されるのが一番辛いw
ホモではないらしい。ちょっと残念、なんて思うわけないでしょ。
今日はとりあず寝よう、と言われたので言われるがままLotからログアウトし、パソコンを閉じる。
部屋の電気を消し、ベッドにもぐる。
スマホを手に取ると、FINEを開いた。
するとリトさんからメッセージが来ていた。
『FINE交換してくれてありがとー!
むいの本名、みいって言うんだな。
まぁ俺はこれからもむいって呼ぶだろうけどw
あ、あと俺のこと呼び捨てでいーよ!
さん付けはさすがに堅苦しいw
っつーことで!おやすみ!』
長い文章に私もそれなりの行数で返信する。
呼び捨て、かぁ。
なんか3つも上の人のこと呼び捨てだなんて、申し訳ない気がするけど。
向こうは私たちのこと何歳だって分かってないわけだし...まぁいっか。
明日も話せるかな、なんてうきうきしていると、私のスマホがぶるぶると震える。FINEの通知だ。
りとから返事かな、と思いながらFINEを開くと、ある人からメッセージが来ていた。
『明日、一緒に帰れるかな?
俺一応裏門で待ってるから。
好きだよ、実衣。』
「...はぁ」
これは私の彼氏・真白亜貴。
付き合って9ヵ月が過ぎたくらい。
2か月前あたりから、私は亜貴のことを本当に好きなのかわからなくなってきていて、もう別れようかと思っているくらいだ。
冷める、というのは正にこういうことなんだと初めて理解した。
『あっうん!分かった!』
とりあえず返信をし、ケータイの電源を切る。
...もう別れちゃおうかなぁ。
どうやって言おうかな、なんて考えていたらいつの間にか私は眠っていた。
To be continued...
はじめましての方が多いと思います、りんです。
「この青い空の下で」を読んでいただきありがとうございます。
この話は、私の実体験とをもとにした物語です。
ですが人物やその他ゲームの名称などは現実と一切関係ありません!
ご理解よろしくお願いします。
ちなみに、私の分身が実衣です。
となると、私の彼氏さんが李十ですね。
どうしても今まであった沢山の辛いこと、苦しかったことを、忘れないうちに記録しておきたいと思い、この物語を書き始めることにしました。
読んでくれた皆様に、少しでも感動と異性を愛すことの素晴らしさを伝えられたらと思います。
次話も読んでいただけたら幸いです。
りん