3人の聖域で運命の悲しい告白
仕事への意欲と不満で頭がいっぱいになり、**「そんな悶々とした気持ちを抱えながら、いつものように三芳さんと都留野さんに顔を合わせたランチタイム。まさか、自分の悩みなんて吹き飛ぶような言葉を聞くことになるとは思ってもみなかった。
夢洲商事のB1Fにある社員食堂が、先輩の三芳さん、同期の都留野さんと私の3人がいつもほっと一息つける、本音を吐き出せるランチの場所、聖域だった。それぞれがいつものようにメニューを選び揃ってテーブルに座り、いつものおしゃべりタイムが始まった。
都留野さんが三芳さんに声をかける。「三芳さん、新婚生活はうまくいってますぅ〜?、、っと、違った、もう三芳さんじゃなくて、荒木さんでしたね。」都留野さんはいつも気配り上手でさりげなく場を盛り上げる達人だ。いつも持っていかれる私は僅かに溜め息をついた。
だが、この時ばかりは、私の都留野さんを見詰める羨望の眼差しが即座に驚きで見開いた。三芳さんが、「実は離婚したの」と言ったのだ。三芳さんが親を始めその他周囲の反対を押し切り結婚して2ヶ月程経ったか、その間、なんとなくあまり元気のない三芳さんから、旦那さまが、テレビで残酷なニュースを観たことについて、友だちに電話している際に、「そう、あの死んだババァ」などと暴言を吐き、乱暴な物言いをするし、振る舞いも酷い。夕食に牡蠣フライを作ったら、三芳さんのお皿にまで手を出し、ほとんど食べられてしまった。三芳さんのスタイルについて侮辱するような言葉を言われ傷付いた、など、色々、悩んでいたようだったので、うまくいってないのかなぁと、都留野さんも私も心配はしていた。でも、まさか、こんなに早く、結論を出してしまったとは。
その日のランチは、三者三様の思いの中、何を食べたのかも思い出せないくらい、その味も分からなくなるような静まり返った空気だった。




