おらぁああっ!!
「……っ、まだだ……!」
雷撃で身体が焼けるように痺れても、俺の足は止まらなかった。
視界の端で転がるボール――こぼれ球。
「ここで終わるかよ!!」
力を振り絞り、痙攣する足でボールを蹴りだした。
正確なパスなんて狙えない。けど、それでも前に――前に飛ばす!
「――任せたぞ!」
俺の叫びに応えるように、疾風のように駆け込む影があった。
リオーナだ。
「翔真……ナイス!」
彼女が勢いそのままにボールへ追いつき、左足を振り抜く。
鋭いシュートがゴールへと一直線――!
「させるかぁぁっ!!」
ゴール前で立ちはだかるのは守護神ビビッド。
豪腕を振り抜き、雷鳴のようなパンチングでボールを弾き飛ばす。
「くっ……!」
「……惜しい!」
弾かれたボールは無情にもラインを割った。
結果はコーナーキック。
俺は肩で息をしながら、それでも笑っていた。
「……繋いだ。まだ、終わっちゃいない」
コーナーキック。俺がボールを抱え、深く息を吸った。
ゴール前にはザグが上がってきている。あの巨体が飛ぶ姿はまるで砦のようだ。
「行くぞ……!」
俺は迷わずリオーナへのショートコーナーを選んだ。
すぐさまピーノがリオーナに詰め寄る。だが彼女は怯まない。
「邪魔よ!」
リオーナの杖からほとばしる魔力。雷光が弾け、ピーノの動きが一瞬鈍る。
その隙にリオーナがボールを中へと蹴り込んだ。
――そこに走り込むのはザグ。
「させません!」
レターティオの冷たい声が響き渡る。
【氷粒無破斬弾】――無数の氷の粒が、槍のようにザグへと降り注ぐ。
だがザグは止まらない。
「おらぁああっ!!」
全身に氷を受けながらも、ザグはその額でボールを叩き落とす。
氷の粒が彼の体を貫いて血飛沫が舞うが、それでも倒れない。
――そしてボールは俺の前へ。
「ここだ!!」
俺は全力で振り抜いた。足に伝わる重い感触。
放たれたボールは一直線にゴールネットを突き破るように突き刺さった。
「――決まったぁああ!!!」
歓声と同時に、俺は叫び声を上げていた。
血まみれで倒れるザグの姿を背に、俺の心臓はまだ熱く燃えていた。




