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「それに飛梅公が(まじな)いをかけたのか、見なくても匂いで分かったよ」

「あぁ、あちらに越してからはあの方の管轄だったのですね」

ふと思い返されるのは、久々のとある神との会話。

そう、彼と会ったのは数日前。祠の前で数少ない参拝者を待っていると、和装をした切れ長の青年がふらりと現れた。何時ものように(かぐわ)しい梅の香りを漂わせ、両手で小包を持っていた。どうやら菓子折のつもりらしい。

「久しぶりだね。梅香の君。いや、飛梅(とびうめ)公」

「お久しぶりです。舞楽様。実は一つ御報告が」

彼は持っていた小包を私に渡すと、切り株の上にちょこんと腰掛けた。ざんばらに切り落とされた髪を風が弄ぶ。それを受けて、改まったように、真剣な面持ちになった。

「幼い頃、其方で暮らしていた女の子が、また其方で暮らすようです。今までは私が見守って来ましたが、恐らくこれからは貴方様の管轄になるのではないかと」

「あぁ、そうだね、澪月とまた会うことになるだろうよ」

如何せん澪月とその少女は幼馴染だ。幼少期の頃に両親の仕事の影響で離れ離れになったが、どうやらまた此方に住居を移す事にしたらしい。

今、お仕えの澪月は知人の元へ足を運んでいる。驚く顔が見たいから、暫く黙っておこう。そう人知れず企みごとをしていると、飛梅公が涼やかに微笑んだ。

「私も近くに控えておりますが、幼少期の縁を辿ると貴方様の方が強い。これからは補助に回らせていただきます」

そう言うと、挨拶を終えたのか立ち上がり、一つ礼をした。これにて失礼。と言うことだろう。せっかく来てくれて、菓子折までしてくれたのだ。せめて途中までは見送ろう。そう思って後を付けると、お気遣いなく。と手を振られた。

「ちなみに、中身は鼈甲飴です。澪月や仁琵(にび)とお召し上がり下さい。なんならあの子にも分けて上げてください」

梅香の君、これ以降出ません.......。

代わりと言っちゃなんですが、仁琵が出ます。

この作品の中で随一の推しです。


ニビ って響から好きなので、仁琵にしました。

元ネタは鈍色(にびいろ)から。

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