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思いの取り込み

来た道を師匠と共に戻る。師匠は何時もは一本だけ煙管を咥えているが、今は煙が途絶えないように、予備の煙管を持参している。

澪月とはさっき話したばかりなのに、随分と昔の事のように思える。道だって、下って来た時よりも、随分と長くなったようだった。数多の木々を抜けて、祠を発見。 はポツンと一人座り込んでいた。私達の姿を見掛けると、立ち上がり、物悲しげな顔をした。

「澪月」

「.......仁琵さん。と、紡.......」

私達一人一人の時間をかけて見る。私達の表情は思った以上に重たかったようだ。全てを察した澪月は黙って俯くと、顔を覆った。

「ごめんね。全部聞いたんだ」

「..............」

師匠の元を離れ、自分の顔を覆う澪月の手の上からそっと指を重ねる。彼の指はひんやりとしていて、人間の血が通っていないようだった。

澪月、私に何も言わないけど、きっと苦労してたんだよね? 貴方の苦労は全く分からないけれど、私も澪月の事を支えたいよ。

顔から指を動かして、するっと腰に手を回し、軽く背中を叩く。その後、一度ポケットの中から、鏡を引っ張り出すと、澪月の胸目掛けて押し付けた。大丈夫。今度は私が動く番だ。

「私、舞楽様に存在して欲しい。澪月の願いも叶えてあげたい。だからこれ」

真剣さが伝わるように、眉を釣り上げて、言い放った。

「取り込んで」

ほぼ結です。

この胸に押し付けてる場面、とっても好きですが、滅茶苦茶辛い。

色々振り切って渡したんだろうなぁと。

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