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白の貴婦人

(つむぎ)、齢十五歳。誕生日はまだ迎えていない。そんな私も春から高校生。

幼少期を過ごしたあの場所。霞行くあの美しい思い出に心惹かれ、都心を離れて一人暮らしをする事にした。これから移り住む所は、自然が多く、ちょっと電車を乗り過ごせば街に出られる。住む事には苦労しない。そんなところだ。

もう景色は変わってしまったかな? 一緒に遊んでいたあの子も、もう遠くへ行ってしまったかな? などと思いながら、ふらりと車窓から外を眺める。辺りに見えるのは田んぼ。それから木々が密集した森。良かった変わっていない。

私はポケットに手を入れると、日頃から肌身離さず持ち歩いている、楕円形の鏡をぎゅっと握り締めた。もう少しだ。あの場所へ。

そうやって、四人がけの席に一人でぽつんと座っていると。長髪の女性がキャリーバッグを引き摺って来た。白いレースの長鐔帽(ながつばぼう)のせいで顔が良く見えない。けれども身に付けている真っ白なワンピースと相まって、貴婦人を連想させた。

彼女は軽く会釈をすると、私の前に腰掛けた。余りジロジロ見るのも失礼だと思い、また車窓に目を戻した。

「小さなお嬢さん。飴はお好き?」

「好きです!!」

女性は僅かに口角を上げると、鞄の中から鼈甲飴を取り出した。そのまま光に翳すと、透き通るような琥珀色がきらりと煌めく。その様を一時楽しんだ後、そっと私の掌に乗せた。そのまま口に入れると仄かな甘さが口いっぱいに広がる。美味しい。

苗字決めてなかったんで、下の名前だけの紹介になりました。

飴ちゃんネタ、白い貴婦人ネタ、また出ます。

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