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無理をする

「..............っ」

舞楽様の力を借り、湖の力も借り、再度何度目か分からない力の巡りを体感する。相変わらず血は沸き立つようだし、意識が霞むような事もあった。けれども――。

「はぁ.......ぅ」

体が熱く、立って居られない。その場で両膝を着くと、透明な水がじんわりと服を濡らす。

この間の部分ばかりの擬態から、顕著な進歩は見られなかった。辛うじて首一周鱗に変化しただけ。水面に映る自分の目を確認しても、蛇目にならない。丸こい瞳孔が此方を見詰め返している。

「澪月」

「仁琵さん」

此処まで力を分けて貰ってるのに、上手く出来ない自分に絶望したまま さんの顔を見る。甘い橙が逆光となって、顔が良く見えない。動かない僕を心配したのかも知れない。足をもじもじと動かし、浴衣をたくし上げて此方まで歩み寄ってくる。

「余り無理をするな。今のお前は空回りを繰り返している」

動かない僕を気にしてか、脇を掴んで無理矢理畔まで連れ戻す。それから舞楽様を呼び出そうと祠に向かって走り出そうした。それを袂を掴んで必死に引き留める。

舞楽様に言わないで下さい。お願いします。ただでさえ心配を掛けているのに、これ以上は。

「はぁ。舞楽様には言伝禁止なんだな?」

「お願いします。一人でやりたいと申し出たのです」

地面に正座して、頭を地に擦り付けようとするのを引き留める。顔は恐らく前髪で隠してあるので、表情は読み取られていないだろう。

あ、もう少しで転です。そして結です。

いつの間にかこんなに進んでいたんだなーと思います。


最近沢山書くことが減って来たので、またふらりと旅に出たいですね。

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