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仁琵の思い

俺を訪ねに来た嬢ちゃんを部屋に上げ、廊下に立たせていた。気の柱に背中を密着させるように指示を出し、頭部真上に傷を付ける。所謂、柱に傷を付けて身長を測っている。前回よりも僅かながら、高い位置に窪みが出来た。進歩だと思う。

「どうでしょうか? 師匠」

「..............師匠、ねぇ.......」

一度は認めたとは言え、一向に慣れないな。その呼び方。そう思って手首で額を擦っていると、怪訝な顔で此方を見上げている。その呼び方をするのに何か問題が? とでも言いたげだ。ま、今はそれよりもだ。いい報せをが最優先だろ。

「嬢ちゃん、ちょっと」

未だに木の壁と仲良しな嬢ちゃんを手招きし、俺の隣に立たせると、柱の傷をとんと指さした。それを見て、嬢ちゃんは目を大きく見開いた。

前回計測したものと比較して、数センチだけ、より高い位置に傷が出来ている。身長が伸びたのだ。つまり着実に成長している。

嬢ちゃんはポケットから思い鏡を出すと、両手を上げて喜んだ。はしゃぐと戻るぞ。

「師匠!! やりました!! 思い出を戻す日も近付いてます!!」

「あぁ、そうだな。この調子で行けばそう時間は掛からないだろ。そしたら.......」

昨日は私の思いが暴走して、仁琵の煙草の解説忘れてました。

仁琵が吸ってる煙草、高純度の霊気を煙として昇華させてるんですよ。

だから不足した物を補わせる為に、舞楽様に吹き掛けていたと。


それはそれと、やっぱり師匠呼び苦手なんですね。

嫌じゃなさそうだけど。

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