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ガウディ公爵家

料理を取って席に戻ると、1人の女性がお茶をみんなに入れてくれました。


「では、頂きましょう」

シスターの言葉にみんな一斉にお祈りが始まりました。


そして、食事が始まります

サラさんの宿もとっても美味しかったけど、ここのお料理も美味しい。


勝手に教会や修道院の食事は質素で美味しくないイメージを持っていましたが、野菜が新鮮だし、煮込みも凄く丁寧に作られていました。


「どう、フローラお口に合ったかしら?」

シスターガブリエルが聞いてきました。

「はい、とても美味しかったです、この野菜は凄く新鮮ですけど、この近くで取れるのですか?」


「この野菜はこの教会で作ってるんですよ」

「そうなんですか? だからこんなに新鮮なんですね」


「ふふふ、貴女も手伝ってみる?」


「え? そんなこと出来るのですか?

やってみたいです!」


「じゃあ明日は畑仕事を手伝って下さい

ルーシー明日フローラに教えてあげてくれる?」


「はい、シスター」

そう言って立ち上がったのは、私より少し年上に見える栗毛色の髪の女性だった


「ルーシーさんよろしくお願いします」

私は頭を下げて挨拶した。


「こちらこそ明日部屋まで迎えにいきますね」


そう言ってくれました。

明日が楽しみになりました。




      ◆  




時は少し遡って…


〓夜会翌日ガウディ公爵家〓


「どういう事だ?」

フローラの手紙を手に侍従長に詰め寄っているのは主のガウディ公爵その人だ。


「申し訳ありません、旦那さま

ちょうど私も邸を留守にしていた数時間のことで、まさか夜会に行ったお嬢様が1時間もしないで帰ってくるとは思いませんでしたので」


昨日の夜会に公爵は出席をしていない。

陛下直々の願いによって夫婦で隣国の催事に出席していて、先程帰宅した。

帰ってみれば、娘が昨日出ていって帰って来ないと言われ部屋をみてみれば、手紙をみつけた。


読めば昨日起こった婚約破棄の結末と娘の出奔を知ったのだ。


「フローラが出ていく時、誰も見ていないのか?」


「馬車でお帰りになったのは、侍女たちも、知っていました」


「しかし、お嬢様が忘れ物をしただけだから、大丈夫だと言われたようで」


「その後は?」


「は、はい。ちょうど家の者は食事を順番に取っている時間でして、その慌ただしくしている隙にお嬢様は荷物を持って出ていかれたようです」


「なんと…」


ドアがいきなり開いて公爵夫人が入ってくる


「あなた! フローラはどうなりまして?」


「わからん、何処へ消えたのか…」


そう言いながら、手紙を差し出した。


それを読んだ夫人は、

「破棄をされたからって出ていかなくても…」


「多分わしらに迷惑がかかると思ったのだろう」


「ばかね、そんなの気にしなくていいのに」


そう言って涙を流しました。


「無事でいてねフローラ」

夫人はそう呟きました。


「シンシア、とりあえず陛下に会ってくる」


そう言うと、公爵は部屋を出ていきました。


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