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この射的結構難しいぞ

「じゃあ今から振り子を回し始めますので!」と言うと屋台の店主はさっきより激しくハンドルを回し始める。


さっきの子供の時より速く振れる振り子。店主の顔は、やれるもんならやってみろ、だが誰も子供の時とは同じスピードだとは言ってないからな! 


とでも言いたげだった。カシムは少し驚いた顔をしたあと、また矢をつがえた。


「あの振り子の速さとあの振り子の速さ……このタイミングだ!」カシムはそうつぶやくと矢を放つ! 


と思いきやカシムは力を入れすぎたのか矢は真っ直ぐに飛ばずにカシムの方にビヨーーンと跳ね返った。そしてカシムの顔にビチャン! と当たる。


的にも振り子にも当たらずカシムの顔に当たる矢。大勢の観客がドッ! と大爆笑した。カシムは赤面して顔に手を当てた。


「お兄さん。このゲーム的に当てるゲームだよ。お兄さんの顔に当てても景品出ないよ? しっかしお兄さん随分器用なことするねぇ。前に飛ばさず後ろに飛ばすなんてなかなか出来ないよ」


と店主が言うとまた観客がドッ! っと大爆笑する。


笑ってないのは俺たちクランのメンバーだけになった。と思いきやユイはクスクス笑っている。シドは恥ずかしくて赤面しながら震えていた。


「お兄さんもっかいやる? 特別タダでいいよ。可哀想だからね」と店主が言った。シドは屋台の前に飛び出し、


「親父俺はこいつのツレだ。俺がやってもいいか?」と尋ねる。


「もちろん! さぁ次はこの白髪のお兄さんだ!」観衆がどよめく。口々に頑張れー。次は外すなよ。などと声が聞こえる。


「さぁ。いくよ!」親父がハンドルを回す。カシムの時と同じように振り子がかなりの速度で振れる。


「こんなの楽勝だろ……」シドはそうつぶやくと矢を放った。カキーン! 振り子に弾かれ的に届かない矢。群衆からあーー。という落胆のため息が聞こえた。シドは少し赤面して親父に言う。


「もっかいだ親父」


「あいよ! 3000ゴールドいただきます!」シドは親父に3000ゴールド渡して再チャレンジする。


「さっきのでコツは掴んだ。次は当てる!」シドはそう言うと観衆からおおーー。っと期待の声が上がった。子供達が頑張れオジちゃん! あれ白髪だからおじいちゃんだよ……と応援してる。


「期待してるよ。お兄ちゃん。絶対当ててね!」


そう言って親父がハンドルを回した。


「俺は天空の英雄だ……俺には出来る……俺には出来る」シドはそう言って矢を放った。するとカツーーン! と甲高い音を出して矢は振り子に弾き飛ばされた。


そしてなんと、その矢はカシムの顔に再び当たった。ドッと笑い出す観客。ユイや俺もつられて笑ってしまう。


「シドお前。ふざけんな」顔が衝撃で赤くなったカシムが怒鳴った。


「すまんカシム。これやっぱ矢が悪いわ。これ絶対インチキだって、絶対当たらないやつだわ」


シドがそう言うのを聞いた店主は少しカチンとしたようになって


「いいねぇ。お兄ちゃん。腕は全然ダメだけど、口だけは一人前だねぇ」


と言うとまた観客が笑った。これには流石のサムソンも吹き出した。恥辱のあまり赤面してシドはワナワナしている。


そして爆笑しているサムソンを睨んだ。サムソンはシドに睨まれてヤベ! といった顔をした。



「おいクロードお前やれ!」シドが甲高く叫んだ。俺は仕方なく屋台の前に出る。


「お前なら絶対出来る。頼む俺達のカタキをうってくれ」とシドが意地悪く笑いながら言った。


そのシドの笑顔を横目に見たカシムも意地悪く笑う。その様子を見て俺は察した。こいつらは俺にも恥をかかせようとしているのだと。


シドは観客に両手を広げて言った。


「おう。みんな聞いてくれ。こいつの腕は天下一品だ。弓の名手だ。親父もっと回転速くしてくれていいぞ。こいつはそれでも一発で当てるからな!」そう言うと観客はオーー! と盛り上がった。


「はい3000ゴールドいただきました。大丈夫? お兄ちゃん。随分大風呂敷を広げられちゃってるけど」


「あ、はい。大丈夫です。なんとかやってみます」


「じゃあいつもより速く回すよ! 当てられるかな」店主はそう言うと高速でハンドルを回し始めた。異なる速度で振れる振り子。


それが凄まじい速さで動いた。こちらからでは的が見えづらくなるほどだった。シドは意地悪そうにニヤリと笑っていた。



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