表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/28

教会にて

「なんですか……えっ……その人は」


「お願いです! 死にかけてるんです! 早く治療をお願いします!」シドはヒステリックに叫ぶ。


「はい、こちらへ」シスターは治療室に案内した。もう一人のシスターがケルピーの中に指を入れて珍しそうに中身を確かめている。治療室は白塗りの壁に祭壇があった。そこに石のベッドがある。


「なにがあったんですか?」


「こいつアシッドスライムの体液を全身に浴びてちゃって……そうだよな?」シドはシスターに言った。俺は唖然としてシドを見る。そして力なくうなずく。


「ここに寝かせてください」サムソンをケルピーから取り出して石のベッドに寝かせた。


「治療しますので処置室から出てください」シスターはそう言うとドアを閉めた。ステンドグラスから光が溢れる。俺たちは教会に取り残された。


「こちらに治療者のクラン名などの個人情報をお書きください」俺はサムソンの個人情報とクランの情報を書いた。


「アシッドスライムによる酸による熱傷ですね。しかし水の馬で怪我人を運ぶとは。初めて見ましたよ。凄いですね。しかも恐らく人間の体液に近い成分ですよねあれ。あなたのおかげであの人は助かるかもしれません」


その言葉を聞いて俺はホッとしたようになった。俺の努力は間違いじゃなかった。サムソンを助けた努力は。俺はそう思った。


「そうですか。それは良かったです。あとはよろしくお願いします」

「はい」シスターが俺に微笑みかける。

俺たちクランのメンバーは教会から出た。


「みんな怪我は?」俺は聞いた。


「おい」シドが声をかけてきた。

「お前なぁ勝手なことしてんじゃねぇよ!」シドは怒っている。

「えっ? どういうこと?」俺は聞いた。

「あのなぁお前。なんでサムソンを連れ帰ってきた?」俺は信じられない言葉を聞いた。

「えっ? だって治療しないといけないだろ?」



「だからサムソンがそう言ったのかよ。治療して欲しいって」

「いや、サムソンはもう虫の息だったから」

「だから言ってないんだろ?」

「いや、助けるだろう! 普通! 逆になんで見捨てていけるんだよ」


「はぁ? お前バカか? あんなん助からないから置いていくに決まってるだろ!」俺は絶句した。言葉が出なかった。俺はまじまじとシドの顔を見る。シドは俺を睨んでいた。


「殺してやった方がいいんだよ。あんな状況なら。下手に助けたらあいつこれからの人生一生苦しむことになるぞ! 」俺は思わず黙る。

「助けない訳にはいかないだろ……」俺は言う。

「お前の勝手な正義感でなぁ……」



「チッ!」シドが舌打ちする。


「マジでお荷物だなぁ。お前。空気読めよ」そう言って俺を睨みつけた。俺はシドの言ってる意味が分からなかった。俺は人を助けたんだ。あんな状況で誰が判断できるんだよ。


サムソンを助けるべきかどうかなんて。こいつはいつも後付で自分をよく見せようとしている。自分は悪くない。俺は見捨てたんじゃないって。だが、俺はシドに反論出来なかった。俺は頭の中だけで必死にシドに反論する。



「おい、ファビアン・ゴーティエの屋敷に行くぞ」シドはそう言った。みんな意外そうな顔をした。


「行かないと別の奴らに取られるかもしれないだろ? まだクエストの途中だろうが!」


「ちょっと待ってくれよ」俺は言った。


「サムソンが倒れてみんなショックなんだよ。そんなすぐに切り替えられないって。どうしても今日受けないといけないクエストじゃないんだろ?」


「だから他の人に取られるかもしれないだろ! まだお前文句があるのかよ!」シドが言う。他のメンバーは疲れ切った顔をしている。


「みんなの顔を見てくれよ。疲れきってんじゃん。みんなショックなんだよ。動揺してるんだよ。そんな中敵と遭遇したら本来のポテンシャルなんて発揮出来ないよ」俺は言った。


「そんなんお前気合でなぁ。なんとかなるだろ?」


俺は押し黙った。


「シドお前責任取るって言ったよな。責任ってどういう意味だよ。サムソンがやられたらすぐさま尻尾巻いて逃げるのか責任の取り方かよ」俺は言った。シドが俺を睨む。


「そんなこと言ってねーだろうが! 適当なこと言うんじゃねぇよ」シドが言う。えっ? 俺は一瞬戸惑った。言ってたハズじゃないか。俺は記憶をさぐる。言っていたハズなのに。



「ちょっと待ってよ! 私とユイちゃん怪我してるんだけど!」エリザベスが言った。


「ほら見てよ太もも! あいつの酸にやられたんだけど! これ一生残るよ! ほらユイちゃんも足怪我してんじゃん! 本当に痛かったんだから! 見てよこれ! なんで私が言うまで誰も心配しないの! ありえないんだけど!」ヒステリックにエリザベスが言う。見るとエリザベスの太ももに1センチの赤い熱傷があった。シドがそれを見る。


「お前これ結構やばいじゃん! 赤くなってるし! ユイ回復出来るか?」


「うん……」

「ホント男って頼りないんだから」エリザベスがぶつぶつと文句を言った。



「治癒の神。彼の者を癒やし給え」ユイがそう言うとエリザベスの太ももの熱傷はキレイに消えた。


「あ! すごーーい! ユイちゃん凄い! さっすがだね。ありがとう」エリザベスは喜ぶ。


「ユイちゃんもさ、遠慮しないでさっさと自分自身を治療したら?」エリザベスがそう言ってユイに治療を勧めた。


「うん。そうだね」するとユイは杖を振りかざし自分自身の熱傷を治療した。


「ふぅ……」ユイは疲れたようにため息をつく。


「ごめん私魔力がもうそろそろ切れそうだよ。回復呪文は今日はもう無理っぽい」ユイはそう言った。それを聞いて俺はシドに告げる。


「ほら、シド。回復呪文って凄まじい魔力を使うんだよ。もうこれ以上は無理だって。今日はもう休もうよ。全員疲労困憊だよ」メンバーの中にもう今日はいいでしょ? 的な空気がながれる。


シドはしばらく考えた後言った。


「じゃあユイはここで休んでおけ。残りのメンバーは俺とクエストの続きだ」


「えっ?」メンバー全員は驚く。


「シド?! 俺の話を聞いていたか?」


「聞いてたよ。てかな、は? なんだお前その言い方は! だからユイは休んでおけって、クエスト行くのは絶対だ。これはもう決定事項だ」シドはそう言ってクエストに向かおうとする。


「……!!」俺は言いかけるが言葉が出てこない。


水ようかんの作品を

読んでいただいて、ありがとうございます!


「これからどうなるの?!」


「面白い!」


「ざまぁが見たい!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から作品の応援をお願いします。


面白ければ星5つ、つまらなかったら星1つ。

正直な感想で大丈夫です。


モチベーションに繋ります!


ブックマークもいただけると本当にありがたいです!


よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ