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元いたギルドに戻らなくっちゃ

「おはよう」ミランダがそう告げた。


いつの間にか朝になっていた。


「今ご飯作るから待ってて」とミランダが言った。カーディガンを着てキッチンに向かった。


「手伝うよ」俺は言った。


ミランダと俺はパンとサラダそしてスープを食べた。


「もうそろそろ行くね」俺は言った。


「また元いたクランに戻るの?」ミランダが聞いてくる。


「うん。子供の頃からの夢だったから。今は苦しいかもしれないけどちゃんと頑張ってみせる」俺は言った。


「あんまり頑張りすぎないでね」そうミランダが言った。


「あのこれサンドウィッチ作ったから、お腹が空いたら食べて」


「うん。ありがとう。なにからなにまで」


しばし俺たちは目を合わせた。ミランダの瞳から目から目を離せなかった。ミランダは自分のカーディガンをギュッと握っている。


俺は思わず右手をミランダに差し出した。ミランダは俺の右手を手に取り自分の頬に持っていった。俺は少しミランダの頬を撫でたあと、抱きしめた。


「あっ……」とミランダの声がした。華奢な体だった。昨日肩を抱いた時も思ったが、どうしてこんな小さな体であんなふうに頑張れるんだろうか。


しばし無言で抱きしめあったあと「それじゃ……」と俺は言い家を出た。俺は王宮ギルドに戻った。


王宮ギルドは一階はクエスト受付で、その他には冒険者の待機所になっている。王宮ギルドは他の一般ギルドとは違い報酬が高額なクエストが受けられる。


しかもクエスト難易度はそんなに高くないのにだ。別の言い方をすると王宮ギルドは貴族や王族の箔をつけるための実績をつけさせるギルドという側面がある。


もちろん俺は貴族でも王族でもないが、特別待遇で天空の大鷲に入れてもらった。だから本当にシドたちには頭が上がらない。それに俺たちは特別手当として国から給与も貰っている。


月々30万ゴールド。それが俺たちに最低給与として与えられる。もちろんシドはもっと高いだろうが。一般家庭が四人家族で月々20万ゴールドで生活出来るレベルなので俺達は相当恵まれている。


この王宮ギルドに入れた時の母親の喜びようは異常だった。日頃からあんたの好きなように生きたらいいと言っていたが、本心はそうでもなかったようだ。


「おいクロード」カシムの声だった。エリザベスを除いてメンバーが待機所の椅子に座っている。テーブルにはカードが置かれていた。カードゲームをしていたようだ。カシムが手招きしている。俺はテーブルに向かう。


「おう。怪我どうだった?」サムソンがこっちを見ずにカードをプレイしながら言った。相変わらずこいつは非戦闘時でも顔を隠していた。


「まだ全身痛む……医者にも見てもらったけど、本格的に治そうと思ったら教会のヒーラーに頼まないと」


「あっそう」と聞いておいてサムソンはどうでも良さそうに答える。


「クロードなぁ。お前なぁそういうことじゃなくて、ちゃんと戦えるのか戦えないのか聞いてるんだよ。そんぐらい分れよ。アホ」とシドが威圧的に言った。


「全身痛くて歩くだけでも痛むから」と俺が言うと、カシムが笑って


「気合い入れろよ。俺なんて足の骨折れてたのに、敵に襲われてる仲間担いで逃げたことあるんだぜ。お前が持ってるの荷物くらいじゃん」と言うとメンバーは笑った。


「大丈夫だって、骨には異常ないんだろ? ここまで自力で歩いてこれたんだからさ。本当にヤバかったら歩いてこれないって」とサムソンが言った。


「お前20万ゴールドも稼いだんだから、それでちゃんとヒーラーに治してもらえよ」とこっちを見ずにシドが言う。


「あの……シド」俺はシドに言った。シドはカードを睨んでいたが次は俺を睨みつけた。


「なんだ」低い声でシドは言う。


「あの……教会のヒーラーに渡す治療費ってギルド保険から出るんだよね。パーティーに参加する前にちゃんと治してもらおうと思って、みんなに迷惑かけられないし」


「治療費なんて保険から出ねぇよ」


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