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お荷物のクロードくんのおごりでーすw

俺たちは『銀翼の大鷲』と呼ばれる食堂兼酒場に入った。


「いらっしゃいませー」女性店員が元気良く声をかける。


「おう六人だ。いけるか?」シドがなんだか横柄な感じで言う。シドは基本的に店員には横柄だ。特に女性店員には。


「ねぇシドってさ。なんか女性店員には態度悪くない?」エリザベスがふざけるようにそう聞く。


「だって女ってオラオラ行くやつには弱いじゃん。こっちが愛想よくしたらすぐに女でも舐めてくるし。それに最初無愛想なとこ見せてから少し愛想よくするだけでみんなコロって良い人、良い人って言うじゃん。バカなんだよね。あいつら。こっちの方が楽なだけだよ」


「え? すごーい! シドって滅茶苦茶頭良いじゃん。やっぱ考えてんだねぇ」エリザベスが目をハートマークにしてシドを見る。


シドの後ろにいた俺とユイは信じられないといった表情でハッっとお互いの目を見た。俺は喋ったらシドに責められるので両手の人差し指でバツ印を作った。


するとそれを見てユイが吹き出した。バツ印を作ったのは、それは駄目だよねって意思表示だった。シドはこういうところがある。弱い立場の存在にはめっぽう強かった。


俺たちはテーブル席に案内され、メニューを渡される。



「じゃあここはいつもお荷物のクロードくんがどうしても奢りたいって言うので、全部クロードの奢りでみんな良いですかー?」とシドはふざけたように大声でメンバーに言った。


「意義なし!」


「そりゃ当然でしょ。一番金持ってるのはクロードだし」


「戦闘ではまっーたく役に立たないんだからこういうとこで役に立たないと、役立つタイミングないでしょ!」とカシムが食堂に響くくらいの大声で言うとみんなが笑った。


「それで良いよな。クロード」シドがそう言うと俺は「う、うん」と頷いた。


「いいんだって、じゃあみんなどんどん高いお酒頼もー」とエリザベスが言った。


「これ前から食べたかったんだよなぁ」


「クロードさすが太っ腹!」


「久しぶりに腹いっぱいくえるなぁ。これも全部クロードのお陰だな」


そう言って片っ端から注文していった。


「ねぇ本当大丈夫なの?」隣にいたユイがヒソヒソ声で耳打ちしてきた。


「大丈夫だよ。お金は沢山あるし、20万ゴールドもあるんだよ。それにみんなに迷惑かけてるの本当だし、ここで良いところ見せないと」


「みんなに良いところってこんなところで?」ユイが驚いたように聞いた。


「うん。みんな喜んでくれてるみたいだから、それでいいんだ」と俺が満足げに言った。


久しぶりにみんなの笑顔を見た気がする。お金の力を借りてだけど、皆との距離を縮められた気がする。


「私の分は自分で払うよ」そう言ってユイは金貨を俺にテーブルの下越しに渡してくる。


「いや、良いって。ここは俺に奢らせてよ」


「でもクロードはそれで……」ユイは少しため息をついてからつぶやく。


「役立たずのクロード君に乾杯!」突然シドが叫んだ。俺もそれに合わせて笑いながら飲み物のジョッキを上げる。


ユイはため息をついてから言った。「どうして……そういうとこだよ。ホント」なんだかユイは呆れてるみたいだった。


女性店員が食事を運んできた。


「はいこちら鮭のムニエル。はいビールをジョッキで四人前です」ドン! と料理が運ばれてきた。


「残りのお食事もすぐに持ってきます。ちょっと待ってて下さい」俺たちは食事にありついた。そしてしばし雑談をした。


手づかみでチキンを食べていたカシムが言った。「なぁ飯食ったあとどうする?」


「え? そりゃこんだけ金があるんだから行くでしょ。パラダイス」


「パラダイス? あぁあの店? 男だけで?」


なんだか良く分からない話をしている。


「ねぇあんた酒飲まないの?」隣から女の声が聞こえたと思ったら俺のすぐそばにエリザベスが座っていた。そして体を寄せてくる。


俺は思わず「うおっ!」と小さく叫んだ。


俺は平静を取り戻して「いや、俺は酒飲めないんだ。お酒を飲むとしんどくなっちゃって……」と言うとエリザベスが


「そっかこんだけ美味しいのに」とワインをクイッと飲んだあと、おもむろに立ち上がり俺の顎をクイッと上げた。そしてワインを口に含んだまま俺にキスをしてきた。


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