その五十六 チョメ、山本と並び立ちたいと思う。
20300PV突破……ユニークも4500人突破してるという……もはやびっくり仰天です。
感謝感激、雨あられ、これからも邁進していきます。
山本さんは難しい顔をしながら岩にあぐらをかいて考えています。
その姿を見る限り、小さい子がなにか必死に考えてるようで微笑ましく思います。
でも実際は私……千代、じゃなくってチョメのためになにか考えてくれているのだとしたら、ちょっとうれしく思います。
「チョメちゃんチョメちゃん」
「ひゃい!?」
後ろからつんつんと杖をつかってつついてきたのは心陽さん……じゃなくってハルさんです。
アバターも現実と同じような雰囲気です。
巫女服でファッションが大人な感じですけど、学校と同じような感じのお姉さんみたいな感じの空気を出してくれて、ちょっとほっとします。
でも、その顔は少し心配そうにしていました。
「チョメちゃんの戦い方だとやっぱり後衛が向いてるんじゃないかなぁって思うんだけど……どうかな?」
「わかってます。わかってるんです。でも……」
きゅ、と拳を握り、山本さんを見つめます。
うんうんと唸りながらも時折デンさんの打ち込みを交わして顎にむかって蹴りを入れていました。
その様子をつぶさに見ながら、私はやっぱり気持ちを新たにしつつ、ハルさんにいいます。
「ちょっとでも、山本さんの助けになりたいですから。一緒に並んで、立てるような自分に、なりたいんです」
「並んで立てる、かぁ。後ろで支えるじゃなくって?」
「並んで、です。……今の私じゃ、難しいと思います、けど……」
弱かった私に、勇気をくれた山本さん。
見放さない、と言ってくれた山本さん。
だから、私も……。
ぎゅ、と刀を握ります。
現実では持つことがない、確かな重たさを感じます。
現実でならこれを2、3回降ってしまえば息がきれてしまうでしょう。
でも、仮想空間なら。あの人と一緒に居ることができる。
あの人の隣に、並び立って、一緒についていく。
今は、それだけです。
「なんか覚悟決まってるっぽいなぁ、チョメちゃん。学校とは大違いだね」
「う、が、学校でもがんばりますから……」
「ま、私もなんとかできるように、サポートしてあげるとしますか」
伸びをしながら言うハルさん。そんな様子にふと思いました。
「そういえば、デンさんとハルさんが山本さんと会ったのはどういう理由ですか?」
「あ、私? 私はほら、なんというかちょっとしたきっかけでね。デンに至っては果し合いで負けた結果、どういうことか上位ランカーと勘違いして弟子入りしてるようなものだし……」
「どういう感じで会ったのか、聞いてもいいですか?」
「べ、別にいいけど……た、対して面白い話じゃないんだよねー……あはは」
「それでも聞きたいです。どんな感じで知り合ったんです?」
山本さんが時折ハルさんを「おハル」と呼んでるのと、なにか関係があるんでしょうか? やっぱり山本さんはハルさんとどこかで知り合った人なんでしょうか?
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、なんだか気になってしまいました。




